本筋
ライターはこれの適当な部分から、自分の物を繋げて分岐シナリオを作ってください。
ToNEET
高校に入ればきっとやり直せる。俺はそんな希望を持っていた。
別に中学校がつまらなかったわけじゃない。ただ、何かを間違えたような。
友達はいたけれど、彼女は出来なかった。
男の遊び仲間は沢山いたけれど、女は1人だって出来なかった。
だけど、周りは違った。そこにどんな差があったのか。俺は一体そこで何を間違えていたのか。
別に中学校がつまらなかったわけじゃない。ただ、何かを間違えたような。
友達はいたけれど、彼女は出来なかった。
男の遊び仲間は沢山いたけれど、女は1人だって出来なかった。
だけど、周りは違った。そこにどんな差があったのか。俺は一体そこで何を間違えていたのか。
「……まぁ、いいや」
こんな事を考えてしまうのも、合格者オリエンテーリングが行われるからと、
体育館に集められ高校の先生達の説明をただ淡々と聞いている所為だろう。
『選ばれた高校生として、誇りを持って――
ここを最終的なすべり止めにしていた俺は、
“選ばれた高校生”ではないような気がする。同時に、誇りもあまり感じられない。
こんな事を考えてしまうのも、合格者オリエンテーリングが行われるからと、
体育館に集められ高校の先生達の説明をただ淡々と聞いている所為だろう。
『選ばれた高校生として、誇りを持って――
ここを最終的なすべり止めにしていた俺は、
“選ばれた高校生”ではないような気がする。同時に、誇りもあまり感じられない。
周りの席を眺め回した。知っている奴は誰もいないみたいだ。
一緒にこの高校をすべり止めにして受けた彼らは、どうやら全員、無事公立の高校へ行けたらしい。
「ふぅ」
少し、悲しいかな。
「でも」
これで、きっとやりなおせる。
俺は、変われる。
一緒にこの高校をすべり止めにして受けた彼らは、どうやら全員、無事公立の高校へ行けたらしい。
「ふぅ」
少し、悲しいかな。
「でも」
これで、きっとやりなおせる。
俺は、変われる。
決められた教室に入ると、そこはまるで、緊張感が互いをけん制している様な空気が漂っていた。
みんな、携帯をいじったり、中学校からの友達2,3人と集まったりして、
その緊張感に潰されないようにしている。僕は黒板を見て席を確認し、その場所に座った。
「初めまして~、よろしくぅ」
前の席に座っている、いい感じにラフな奴が、早速軽い調子で握手を求めてきた。茶色い髪と明るい笑顔が印象強い。
「よ、よろしく」
俺は手を出すべきか一瞬戸惑ったが、手を出す事が出来た。そんな自分に安心した。
「中学、どこ?」
みんな、携帯をいじったり、中学校からの友達2,3人と集まったりして、
その緊張感に潰されないようにしている。僕は黒板を見て席を確認し、その場所に座った。
「初めまして~、よろしくぅ」
前の席に座っている、いい感じにラフな奴が、早速軽い調子で握手を求めてきた。茶色い髪と明るい笑顔が印象強い。
「よ、よろしく」
俺は手を出すべきか一瞬戸惑ったが、手を出す事が出来た。そんな自分に安心した。
「中学、どこ?」
「あ、ええと、俺は」
「あー、やっぱいいや。どうせ、聞いてもわかんねえし」
そういうと、そいつはカラカラと笑った。
「とりあえず、俺、菅野(すがの)ね。ちなみに、中学は他の県な。で、お前、なんて名前?」
「鈴木だけど」
「鈴木。へえ、鈴木か。なんか地味だな、鈴木って」
また笑い出す。見掛けの通り、にぎやかな奴だ。
「まあ、それはどうでもいいや。ところでさ……って先生がきたな。んじゃ、また後で」
「お、おう」
教室に、やけにガタイのいい先生が入ってくる。席から離れて談笑していた奴らも、それに気付いてのんびりと戻っていく。
全員が席についたのを確認すると、さっき体育館で聞いたのとほとんど同じような話を始めた。内容は聞き流していたのでよく覚えていないが、どうやらこのクラスで一年間過ごすらしいという事と、こいつがクラス担任で竹田(たけだ)とかいう名前だという事だけはかろうじて聞き取った。
「……それじゃあ、後は教科書買って帰るだけだ。じゃあ、解散。気ぃつけて帰れよ」
竹田が教室から出て行くと、急に教室の中がざわめく。みんなが、それぞれの行動を開始する。
……さっさと帰ろう。
「あ、ちょっと待て、鈴木」
そう思って、席を立つと、菅野に呼び止められた。
「な、なんか用か?」
「いや、どうせ教科書買いに行くんだろ? 一緒に行こうぜ、鈴木」
そう言った菅野は、もう既に、何人かのグループを作っているようだった。俺は、菅野の誘いを……。
「あー、やっぱいいや。どうせ、聞いてもわかんねえし」
そういうと、そいつはカラカラと笑った。
「とりあえず、俺、菅野(すがの)ね。ちなみに、中学は他の県な。で、お前、なんて名前?」
「鈴木だけど」
「鈴木。へえ、鈴木か。なんか地味だな、鈴木って」
また笑い出す。見掛けの通り、にぎやかな奴だ。
「まあ、それはどうでもいいや。ところでさ……って先生がきたな。んじゃ、また後で」
「お、おう」
教室に、やけにガタイのいい先生が入ってくる。席から離れて談笑していた奴らも、それに気付いてのんびりと戻っていく。
全員が席についたのを確認すると、さっき体育館で聞いたのとほとんど同じような話を始めた。内容は聞き流していたのでよく覚えていないが、どうやらこのクラスで一年間過ごすらしいという事と、こいつがクラス担任で竹田(たけだ)とかいう名前だという事だけはかろうじて聞き取った。
「……それじゃあ、後は教科書買って帰るだけだ。じゃあ、解散。気ぃつけて帰れよ」
竹田が教室から出て行くと、急に教室の中がざわめく。みんなが、それぞれの行動を開始する。
……さっさと帰ろう。
「あ、ちょっと待て、鈴木」
そう思って、席を立つと、菅野に呼び止められた。
「な、なんか用か?」
「いや、どうせ教科書買いに行くんだろ? 一緒に行こうぜ、鈴木」
そう言った菅野は、もう既に、何人かのグループを作っているようだった。俺は、菅野の誘いを……。
「……悪い、俺、トイレに用があるんだ」
半ば無意識のうちに断っていた。
「ああ、じゃあ、仕方ねえか。んじゃ、またな」
「あ、ああ」
……教室を出て行く菅野達を見送ってから、俺は特に用事のないトイレへと向かった。
半ば無意識のうちに断っていた。
「ああ、じゃあ、仕方ねえか。んじゃ、またな」
「あ、ああ」
……教室を出て行く菅野達を見送ってから、俺は特に用事のないトイレへと向かった。