ぼくが   

 

 むーんらいず     

 

                  す。 

 


 

みなさん、こんにちは。むーんらいずです。

あなたは、自閉症について、どのような印象をお持ちですか?       
部屋にこもりっきりで、人と会うのを嫌ったり、じぶんのからにとじこもっている人達のことを言うと、思っていませんか?

自閉症とは、そんな引きこもりと同義語のような病気ではありません。   本来的には、主に、先天的な脳の発達不全、情報伝達物質の分泌異常よって引き起こされる発達障害の一種です。
自閉スペクトラム症候群には、知能や言語の障害を併せ持った、カナータイプと、ほぼ、知能障害などがないけれど、自閉症の特徴である、3つ組の障害(対人関係能力の低さ、コミュニケーション能力の 質的問題、イマジネーションの欠如もある、アスペルガータイプ、3つ組の障害のどれかは欠けるけれど、自閉症の何らかの症状を持つ、PDDNOS(非定型自閉症)といわれる人まで様々です。


 

ぼくは、発達障害者です。

詳しい障害名をいうと、(ADHDの症状を伴う)アスペルガー障害
となります。
ADHDとは、注意・欠陥多動性障害のことで、注意散漫、集中力の欠如、
落ち着きがなく、思考が定まらないので、考えている事がいつの間にか、
くるくると移り変わってしまって、元は何を考えていたのか、
全然、別の考え事をしてしまうといった症状がある障害の事です。

また、アスペルガー障害(症候群)とは、知能とか言語障害はないけれど、閉症と共通した、聴覚からのコミュニケーション能力が弱かったり、ある事柄に執着してしまうことがあったり、時には、意味不明のパニック症状になったりする障害で、いわば、軽度の自閉症とでも言うべき障害です。

でも、軽度とは云えども、本人達が持っている障害は症状によるものばかり ではありません。外見上、また、普通に会話できたりするので、障害があるとは見てもらえないことが多いので、コミュニケーション能力の低さや対人関係能力 の不全感は、その人のパーソナリティーが劣っているのだということで処理されてしまい、その傷みを心に溜め込まなければならなくなり、自分はダメな人間だと劣等感や自己否定感を持ち、いつしか表情に乏しい人間になってしまいます。ぼくもそれを、体現していたのです。

実際、自閉症および、自閉症と共通する障害は、障害の強さが軽いものから重たい障害まで症状の強弱が連続的に続いていると言われています。これら、自閉圏の障害を総称して、自閉スペクトラム症候群といいます。

先天的障害であるとすれば、ぼくは、もともと障害を持っていたと推測できる訳ですが、大人になるまで、障害に気づかなかったのには、いくつかの原因があると思われます。

発達障害という概念は、1990年頃になって、急速に研究が進んだ新しい分野であったし、ぼくが診断を受けた以前では、精神科医でも、その概念について知る人はほとんどいなかったことが挙げられます

アスペルガー症候群については、1944年にオーストリアの小児科医、ハンス・アスペルガーによって発見されてすが、同じ頃に論文が発表された、レオ・カナーによるカナータイプの自閉症には注目が注がれましたが、第二次世界大戦の敗戦国であったドイツの支配圏であったオーストリアの意思の発表など、永い事忘れられていました。
それが1981年に、イギリスの児童精神科医、ローナ・ウィングによって再び見いだされ、現在のように知られるようになりました。    
日本でその発表が評価されて普及し始めたのは今から約10年ぐらいの事です。

そもそも、自閉症やADHDなどの発達障害は子供の頃に発症しても、知的障害や言語障害を伴う人達以外は、大人になれば、症状が目立たなくなるものだと思われていましたが、発達障害についていろいろと研究が進むにつれ、大人になってもその影響は残り、社会生活に支障をきたすのだということが、認知されてきました。

ぼくが、始めて診断を受けたのは、38歳の時でした。
その時には、二次的障害のうつ病を発症しており、それを契機に、自宅で療養が始まりました。うつ病の治療から始まり、その合間に、知能検査をしてくれるようにぼくは頼みました。それは、うつ病であ前に、発達障害のことを知って、通院することに決めて、精神科に通院し始めたからです。

あれから、6年が経ち、今では、会社に障害者雇用で嘱託待遇ではありますけど、勤めています。

自分で探した仕事ではありませんが、支援者の方から紹介されて巡り会ったすばらしい職場です。それも、お膳立てをしたかのような偶然がいくつも重なってかなえられた不思議な縁によって、今のぼくの生活が成り立っています。

うちの会社は、大手重電機メーカー3社による合弁会社です。言ってみれば、業界では1、2を争う大企業です。そんな会社になぜぼくが勤められたか、不思議だと思いませんか?ぼく自身も不思議ですし、しかも、会社にいる間は、障害が起因するやりづらいこと、やると危険を伴うこと、仕事に支障をきたすことはやらなくてもよく、サポート体制も充分とまでは云いませんが、可能な限り対応してもらっています。仕事のことは、勤務している部署で、労働条件や環境整備などは、所属する総務で、メンタルや健康面のサポートは、健康管理センターのスタッフが対応して下さっています。

そして、一番重要なのが、ぼく一人を、たくさんの人が、会社の内外でサポートして下さっているからこそ、今の会社で働き続けられているという事実なのです。

最終更新:2008年11月10日 12:22