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 95 :1:05/01/28 23:57:11 ID:RKWfbGp9
 カリカリ・・・カリカリ・・・カリカリ・・・ 
 乾いた音をたてて、木の軸が回る。 
 『火おこし器』の音だ。 
 はじめは、うまく回らなかった軸だが、軸の先を細く削ったり 
 軸そのものに太い木を使い 
 やわらかく、しなやかな蔦をつかったりと、多数の改良を重ねた結果だ。 
 
 軸は回すたびに、勢いを増し、やがて、軸の先から白い煙が上がる。 
 木の焦げる独特なにおいもする。 
 やがて、煙の隙間から、赤い光が見えるようになった。 
 その光にゆっくりと息を吹きかけると、光は大きくしっかりとしたものになる。 
 光の上に、小枝を乗せ、再び息を吹きかけると、そこには、炎が宿っていた。 
 ついに、彼らは、『火』を手に入れたのだ。 
 
 もし、文明の夜明けと言うのがあったとしたなら、この炎の色がその色だろう。 
 あらゆる獣を退け、あらゆる獣を滅ぼし、力を生み、力を育て 
 人類が地球上の生物の頂点である証 
        『火』 
 このときから、彼らは、獣におびえる弱者から、あらゆる獣に恐れられる強者になったのだ。
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