• atwiki
  • 小説
  • [第三章 小さな傭兵団 2]の変更点

「第三章 小さな傭兵団 2」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

第三章 小さな傭兵団 2」(2005/06/05 (日) 00:14:03) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

                 小さな傭兵団 2  「ほらっ!行くぞっ!!」    無理矢理にでも連れて行こうと、兄貴分の男が少女の手を掴もうとした時だった。  「フロリーナ!?フロリーナでしょ!?」   山賊達に絡まれている少女が自分の親友だと気づいたリンは、大声を上げ駆けつけてきた。  「!! リン!?」  「フロリーナ!あなた、どうしてこんなところに!?」  「リン!本当にリン?私、私・・・」   思いがけず出会った親友に、フロリーナと呼ばれた少女はリンの腕にすがりついて泣きじゃくる。  「もう!ほら、泣かないの!」  「うん」   世話のやける親友を励ましていたところに、あとについて来たケント、セインが、  「お知り合いですか?」  「私の友達よ。イリアの天馬騎士見習いのフロリーナ。この子、ものすごく男の人が苦手で・・・。ね、フロリーナ、私に何があったか教えてくれる?」   ケントの問いに答えたあと、親友に優しく語りかけた。   「・・・あの、ね。私、リンが旅に出たって聞いたから・・・、追いかけてきたの。それでこの村が見えたから・・・、リンのこと聞こうと思って、下に降りたら・・・、この人たちがいるの見えなくて・・・。その・・・・・・」  「ペガサスでふんづけちゃったの!?」   少女は泣き顔でコクリとうなずいた。  「ほらっ、聞いたろうが!悪いのはその女なんだよっ!!アニキを踏みつけた落とし前をつけてもらわねぇとなっ!」   ここぞとばかりに弟分が騒ぎ立てる。  「ちゃんと謝った?フロリーナ」   「うん。ごめんなさいって何度も言ったけど・・・、その人たち、聞いてくれなくて。・・・・・・」  「泣かないで。大丈夫よ」  「リン・・・」   涙目のフロリーナを優しくいたわると、リンは二人の男に向いた。  「ねえ!ちゃんと謝ったんならそれでいいじゃない。見たところケガもないようだし、もう許してあげて」  「そうはいかねぇ。力ずくでも、その女はもらうぞ!」    そう言うと、男は持っていた斧を持ち上げ大声で叫んだ。  「おい!でてこいやみんな!!女は傷つけるな!男はやっちまえ!!」    その号令に呼応するかのように、七人の男が村の奥から集まってきた。どうやら彼らは間違いなく山賊であり、この村を襲った後、めぼしい物がないかどうか物色してたのであろう。  「おれたち、ガヌロン山賊団を敵に回したことを後悔するんだな!」   リンは戦いが避けられないと見るや、すぐさま腰間のマーニ・カティを抜き放ち叫んだ。  「皆!応戦するわよ!!」  「承知しました!」  「任せてください!」   その声にすばやく反応したケント、セインは各々の武器をすぐさま身構え、早くも山賊団に斬りかかっていく。  「リン・・・。私」  「あなたも天馬騎士のはしくれでしょ。戦えるわね?」  「・・・うん!」   リンの一言に一瞬躊躇したフロリーナだったが、覚悟を決めペガサスにまたがり上空へ舞い上がった。  突如に始まったリンたちと山賊どもの戦い。   まだ家の中に隠れていた住民は、家の外から聞こえる怒号や、武器と武器のぶつかり合う音に、ただ身を寄せ合っていることしかできなかった。   そんななか、家の中に身を寄せ合っていた人たちの中に一人の青年がいた。  「・・・みんな、家の中にいてください。俺が見てきます!」   そう言うと青年は、鉄製の矢が入った矢筒を背中に背負いながら家から飛び出した。すると鮮やかな剣技で一人の山賊を葬ったリンの姿が目に映った。  「・・・きみたちは?」  「私はリン、旅の者よ。今この村を襲っていた山賊団と戦っている最中なの。危ないから家の中で隠れていて!」   素早くそう言い捨てて、立ち去ろうとするリンに青年は呼び止めた。  「待ってくれ!おれはウィル。同じく旅の者だ。世話になった、この村を守るためによかったら協力させてくれないか?」  「戦力は多いほうがいいわ!よろしくね、ウィル!」  「おれ、これにはちょっとは自信があるんで援護は任せてくれ」   そう言ってウィルは持っていた弓を見せた。  「そう。じゃぁ援護頼むわね。・・・・・・あ!ちょっと待って。ええっと~~・・・・・・」   リンはある事に気づき、フロリーナを捜した。   ウィルは仲間になったばっかりでフロリーナの顔を知らない。間違って攻撃して親友を失う事になるかもしれない。  「あ、いたいた。あそこの天馬騎士・・・・・・フローリーナっていうんだけど、味方だから攻撃しないでね」  「・・・わかったけど、あの娘危ないん・・・・・・じゃないかな」  「え!?」   ウィルに言われてよく見てみると、敵の攻撃から悲鳴を上げ必死で逃げているフロリーナの姿が目に映った。  「きゃ!あ・・・・・・、いやぁ・・・・・・!」   山賊の中に弓を扱う者がいたらしく、フロリーナはペガサスを必死に操り、何とかその攻撃から逃れようとしていた。  「フロリーナ!早く助けないと!!」   慌てて駆け出したが、リンがいるところからフロリーナがいる位置まで距離がありすぎた。ケントとセインは目の前の敵に集中していて、とてもフォローに回れそうにない。  (お願い!間に合って!!)   リンの願いも虚しく、疲労しきったペガサスの動きが鈍った。このままではフロリーナが射殺されてしまう!   と、その時‐‐‐‐‐‐、  「大丈夫!おれに任せて!!」   リンと走っていたウィルは力強くそう言うと、立ち止まって弓をつがえた。   ビュン!   風切り音を残し放たれた矢は、寸分の狂いもなく、見事フロリーナを狙っていた山賊の眉間を貫いた。熟練した者の腕だった。   間一髪難を逃れたフロリーナは、ふらつきながらペガサスを地面に着地させた。
                第三章 小さな傭兵団 2  「ほらっ!行くぞっ!!」    無理矢理にでも連れて行こうと、兄貴分の男が少女の手を掴もうとした時だった。  「フロリーナ!?フロリーナでしょ!?」   山賊達に絡まれている少女が自分の親友だと気づいたリンは、大声を上げ駆けつけてきた。  「!! リン!?」  「フロリーナ!あなた、どうしてこんなところに!?」  「リン!本当にリン?私、私・・・」   思いがけず出会った親友に、フロリーナと呼ばれた少女はリンの腕にすがりついて泣きじゃくる。  「もう!ほら、泣かないの!」  「うん」   世話のやける親友を励ましていたところに、あとについて来たケント、セインが、  「お知り合いですか?」  「私の友達よ。イリアの天馬騎士見習いのフロリーナ。この子、ものすごく男の人が苦手で・・・。ね、フロリーナ、私に何があったか教えてくれる?」   ケントの問いに答えたあと、親友に優しく語りかけた。   「・・・あの、ね。私、リンが旅に出たって聞いたから・・・、追いかけてきたの。それでこの村が見えたから・・・、リンのこと聞こうと思って、下に降りたら・・・、この人たちがいるの見えなくて・・・。その・・・・・・」  「ペガサスでふんづけちゃったの!?」   少女は泣き顔でコクリとうなずいた。  「ほらっ、聞いたろうが!悪いのはその女なんだよっ!!アニキを踏みつけた落とし前をつけてもらわねぇとなっ!」   ここぞとばかりに弟分が騒ぎ立てる。  「ちゃんと謝った?フロリーナ」   「うん。ごめんなさいって何度も言ったけど・・・、その人たち、聞いてくれなくて。・・・・・・」  「泣かないで。大丈夫よ」  「リン・・・」   涙目のフロリーナを優しくいたわると、リンは二人の男に向いた。  「ねえ!ちゃんと謝ったんならそれでいいじゃない。見たところケガもないようだし、もう許してあげて」  「そうはいかねぇ。力ずくでも、その女はもらうぞ!」    そう言うと、男は持っていた斧を持ち上げ大声で叫んだ。  「おい!でてこいやみんな!!女は傷つけるな!男はやっちまえ!!」    その号令に呼応するかのように、七人の男が村の奥から集まってきた。どうやら彼らは間違いなく山賊であり、この村を襲った後、めぼしい物がないかどうか物色してたのであろう。  「おれたち、ガヌロン山賊団を敵に回したことを後悔するんだな!」   リンは戦いが避けられないと見るや、すぐさま腰間のマーニ・カティを抜き放ち叫んだ。  「皆!応戦するわよ!!」  「承知しました!」  「任せてください!」   その声にすばやく反応したケント、セインは各々の武器をすぐさま身構え、早くも山賊団に斬りかかっていく。  「リン・・・。私」  「あなたも天馬騎士のはしくれでしょ。戦えるわね?」  「・・・うん!」   リンの一言に一瞬躊躇したフロリーナだったが、覚悟を決めペガサスにまたがり上空へ舞い上がった。  突如に始まったリンたちと山賊どもの戦い。   まだ家の中に隠れていた住民は、家の外から聞こえる怒号や、武器と武器のぶつかり合う音に、ただ身を寄せ合っていることしかできなかった。   そんななか、家の中に身を寄せ合っていた人たちの中に一人の青年がいた。  「・・・みんな、家の中にいてください。俺が見てきます!」   そう言うと青年は、鉄製の矢が入った矢筒を背中に背負いながら家から飛び出した。すると鮮やかな剣技で一人の山賊を葬ったリンの姿が目に映った。  「・・・きみたちは?」  「私はリン、旅の者よ。今この村を襲っていた山賊団と戦っている最中なの。危ないから家の中で隠れていて!」   素早くそう言い捨てて、立ち去ろうとするリンに青年は呼び止めた。  「待ってくれ!おれはウィル。同じく旅の者だ。世話になった、この村を守るためによかったら協力させてくれないか?」  「戦力は多いほうがいいわ!よろしくね、ウィル!」  「おれ、これにはちょっとは自信があるんで援護は任せてくれ」   そう言ってウィルは持っていた弓を見せた。  「そう。じゃぁ援護頼むわね。・・・・・・あ!ちょっと待って。ええっと~~・・・・・・」   リンはある事に気づき、フロリーナを捜した。   ウィルは仲間になったばっかりでフロリーナの顔を知らない。間違って攻撃して親友を失う事になるかもしれない。  「あ、いたいた。あそこの天馬騎士・・・・・・フローリーナっていうんだけど、味方だから攻撃しないでね」  「・・・わかったけど、あの娘危ないん・・・・・・じゃないかな」  「え!?」   ウィルに言われてよく見てみると、敵の攻撃から悲鳴を上げ必死で逃げているフロリーナの姿が目に映った。  「きゃ!あ・・・・・・、いやぁ・・・・・・!」   山賊の中に弓を扱う者がいたらしく、フロリーナはペガサスを必死に操り、何とかその攻撃から逃れようとしていた。  「フロリーナ!早く助けないと!!」   慌てて駆け出したが、リンがいるところからフロリーナがいる位置まで距離がありすぎた。ケントとセインは目の前の敵に集中していて、とてもフォローに回れそうにない。  (お願い!間に合って!!)   リンの願いも虚しく、疲労しきったペガサスの動きが鈍った。このままではフロリーナが射殺されてしまう!   と、その時‐‐‐‐‐‐、  「大丈夫!おれに任せて!!」   リンと走っていたウィルは力強くそう言うと、立ち止まって弓をつがえた。   ビュン!   風切り音を残し放たれた矢は、寸分の狂いもなく、見事フロリーナを狙っていた山賊の眉間を貫いた。熟練した者の腕だった。   間一髪難を逃れたフロリーナは、ふらつきながらペガサスを地面に着地させた。

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示:
目安箱バナー