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小さな傭兵団 2
「ほらっ!行くぞっ!!」
無理矢理にでも連れて行こうと、兄貴分の男が少女の手を掴もうとした時だった。
「フロリーナ!?フロリーナでしょ!?」
山賊達に絡まれている少女が自分の親友だと気づいたリンは、大声を上げ駆けつけてきた。
「!! リン!?」
「フロリーナ!あなた、どうしてこんなところに!?」
「リン!本当にリン?私、私・・・」
思いがけず出会った親友に、フロリーナと呼ばれた少女はリンの腕にすがりついて泣きじゃくる。
「もう!ほら、泣かないの!」
「うん」
世話のやける親友を励ましていたところに、あとについて来たケント、セインが、
「お知り合いですか?」
「私の友達よ。イリアの天馬騎士見習いのフロリーナ。この子、ものすごく男の人が苦手で・・・。ね、フロリーナ、私に何があったか教えてくれる?」
ケントの問いに答えたあと、親友に優しく語りかけた。
「・・・あの、ね。私、リンが旅に出たって聞いたから・・・、追いかけてきたの。それでこの村が見えたから・・・、リンのこと聞こうと思って、下に降りたら・・・、この人たちがいるの見えなくて・・・。その・・・・・・」
「ペガサスでふんづけちゃったの!?」
少女は泣き顔でコクリとうなずいた。
「ほらっ、聞いたろうが!悪いのはその女なんだよっ!!アニキを踏みつけた落とし前をつけてもらわねぇとなっ!」
ここぞとばかりに弟分が騒ぎ立てる。
「ちゃんと謝った?フロリーナ」
「うん。ごめんなさいって何度も言ったけど・・・、その人たち、聞いてくれなくて。・・・・・・」
「泣かないで。大丈夫よ」
「リン・・・」
涙目のフロリーナを優しくいたわると、リンは二人の男に向いた。
「ねえ!ちゃんと謝ったんならそれでいいじゃない。見たところケガもないようだし、もう許してあげて」
「そうはいかねぇ。力ずくでも、その女はもらうぞ!」
そう言うと、男は持っていた斧を持ち上げ大声で叫んだ。
「おい!でてこいやみんな!!女は傷つけるな!男はやっちまえ!!」
その号令に呼応するかのように、七人の男が村の奥から集まってきた。どうやら彼らは間違いなく山賊であり、この村を襲った後、めぼしい物がないかどうか物色してたのであろう。
「おれたち、ガヌロン山賊団を敵に回したことを後悔するんだな!」
リンは戦いが避けられないと見るや、すぐさま腰間のマーニ・カティを抜き放ち叫んだ。
「皆!応戦するわよ!!」
「承知しました!」
「任せてください!」
その声にすばやく反応したケント、セインは各々の武器をすぐさま身構え、早くも山賊団に斬りかかっていく。
「リン・・・。私」
「あなたも天馬騎士のはしくれでしょ。戦えるわね?」
「・・・うん!」
リンの一言に一瞬躊躇したフロリーナだったが、覚悟を決めペガサスにまたがり上空へ舞い上がった。
突如に始まったリンたちと山賊どもの戦い。
まだ家の中に隠れていた住民は、家の外から聞こえる怒号や、武器と武器のぶつかり合う音に、ただ身を寄せ合っていることしかできなかった。
そんななか、家の中に身を寄せ合っていた人たちの中に一人の青年がいた。
「・・・みんな、家の中にいてください。俺が見てきます!」
そう言うと青年は、鉄製の矢が入った矢筒を背中に背負いながら家から飛び出した。すると鮮やかな剣技で一人の山賊を葬ったリンの姿が目に映った。
「・・・きみたちは?」
「私はリン、旅の者よ。今この村を襲っていた山賊団と戦っている最中なの。危ないから家の中で隠れていて!」
素早くそう言い捨てて、立ち去ろうとするリンに青年は呼び止めた。
「待ってくれ!おれはウィル。同じく旅の者だ。世話になった、この村を守るためによかったら協力させてくれないか?」
「戦力は多いほうがいいわ!よろしくね、ウィル!」
「おれ、これにはちょっとは自信があるんで援護は任せてくれ」
そう言ってウィルは持っていた弓を見せた。
「そう。じゃぁ援護頼むわね。・・・・・・あ!ちょっと待って。ええっと~~・・・・・・」
リンはある事に気づき、フロリーナを捜した。
ウィルは仲間になったばっかりでフロリーナの顔を知らない。間違って攻撃して親友を失う事になるかもしれない。
「あ、いたいた。あそこの天馬騎士・・・・・・フローリーナっていうんだけど、味方だから攻撃しないでね」
「・・・わかったけど、あの娘危ないん・・・・・・じゃないかな」
「え!?」
ウィルに言われてよく見てみると、敵の攻撃から悲鳴を上げ必死で逃げているフロリーナの姿が目に映った。
「きゃ!あ・・・・・・、いやぁ・・・・・・!」
山賊の中に弓を扱う者がいたらしく、フロリーナはペガサスを必死に操り、何とかその攻撃から逃れようとしていた。
「フロリーナ!早く助けないと!!」
慌てて駆け出したが、リンがいるところからフロリーナがいる位置まで距離がありすぎた。ケントとセインは目の前の敵に集中していて、とてもフォローに回れそうにない。
(お願い!間に合って!!)
リンの願いも虚しく、疲労しきったペガサスの動きが鈍った。このままではフロリーナが射殺されてしまう!
と、その時‐‐‐‐‐‐、
「大丈夫!おれに任せて!!」
リンと走っていたウィルは力強くそう言うと、立ち止まって弓をつがえた。
ビュン!
風切り音を残し放たれた矢は、寸分の狂いもなく、見事フロリーナを狙っていた山賊の眉間を貫いた。熟練した者の腕だった。
間一髪難を逃れたフロリーナは、ふらつきながらペガサスを地面に着地させた。
第三章 小さな傭兵団 2
「ほらっ!行くぞっ!!」
無理矢理にでも連れて行こうと、兄貴分の男が少女の手を掴もうとした時だった。
「フロリーナ!?フロリーナでしょ!?」
山賊達に絡まれている少女が自分の親友だと気づいたリンは、大声を上げ駆けつけてきた。
「!! リン!?」
「フロリーナ!あなた、どうしてこんなところに!?」
「リン!本当にリン?私、私・・・」
思いがけず出会った親友に、フロリーナと呼ばれた少女はリンの腕にすがりついて泣きじゃくる。
「もう!ほら、泣かないの!」
「うん」
世話のやける親友を励ましていたところに、あとについて来たケント、セインが、
「お知り合いですか?」
「私の友達よ。イリアの天馬騎士見習いのフロリーナ。この子、ものすごく男の人が苦手で・・・。ね、フロリーナ、私に何があったか教えてくれる?」
ケントの問いに答えたあと、親友に優しく語りかけた。
「・・・あの、ね。私、リンが旅に出たって聞いたから・・・、追いかけてきたの。それでこの村が見えたから・・・、リンのこと聞こうと思って、下に降りたら・・・、この人たちがいるの見えなくて・・・。その・・・・・・」
「ペガサスでふんづけちゃったの!?」
少女は泣き顔でコクリとうなずいた。
「ほらっ、聞いたろうが!悪いのはその女なんだよっ!!アニキを踏みつけた落とし前をつけてもらわねぇとなっ!」
ここぞとばかりに弟分が騒ぎ立てる。
「ちゃんと謝った?フロリーナ」
「うん。ごめんなさいって何度も言ったけど・・・、その人たち、聞いてくれなくて。・・・・・・」
「泣かないで。大丈夫よ」
「リン・・・」
涙目のフロリーナを優しくいたわると、リンは二人の男に向いた。
「ねえ!ちゃんと謝ったんならそれでいいじゃない。見たところケガもないようだし、もう許してあげて」
「そうはいかねぇ。力ずくでも、その女はもらうぞ!」
そう言うと、男は持っていた斧を持ち上げ大声で叫んだ。
「おい!でてこいやみんな!!女は傷つけるな!男はやっちまえ!!」
その号令に呼応するかのように、七人の男が村の奥から集まってきた。どうやら彼らは間違いなく山賊であり、この村を襲った後、めぼしい物がないかどうか物色してたのであろう。
「おれたち、ガヌロン山賊団を敵に回したことを後悔するんだな!」
リンは戦いが避けられないと見るや、すぐさま腰間のマーニ・カティを抜き放ち叫んだ。
「皆!応戦するわよ!!」
「承知しました!」
「任せてください!」
その声にすばやく反応したケント、セインは各々の武器をすぐさま身構え、早くも山賊団に斬りかかっていく。
「リン・・・。私」
「あなたも天馬騎士のはしくれでしょ。戦えるわね?」
「・・・うん!」
リンの一言に一瞬躊躇したフロリーナだったが、覚悟を決めペガサスにまたがり上空へ舞い上がった。
突如に始まったリンたちと山賊どもの戦い。
まだ家の中に隠れていた住民は、家の外から聞こえる怒号や、武器と武器のぶつかり合う音に、ただ身を寄せ合っていることしかできなかった。
そんななか、家の中に身を寄せ合っていた人たちの中に一人の青年がいた。
「・・・みんな、家の中にいてください。俺が見てきます!」
そう言うと青年は、鉄製の矢が入った矢筒を背中に背負いながら家から飛び出した。すると鮮やかな剣技で一人の山賊を葬ったリンの姿が目に映った。
「・・・きみたちは?」
「私はリン、旅の者よ。今この村を襲っていた山賊団と戦っている最中なの。危ないから家の中で隠れていて!」
素早くそう言い捨てて、立ち去ろうとするリンに青年は呼び止めた。
「待ってくれ!おれはウィル。同じく旅の者だ。世話になった、この村を守るためによかったら協力させてくれないか?」
「戦力は多いほうがいいわ!よろしくね、ウィル!」
「おれ、これにはちょっとは自信があるんで援護は任せてくれ」
そう言ってウィルは持っていた弓を見せた。
「そう。じゃぁ援護頼むわね。・・・・・・あ!ちょっと待って。ええっと~~・・・・・・」
リンはある事に気づき、フロリーナを捜した。
ウィルは仲間になったばっかりでフロリーナの顔を知らない。間違って攻撃して親友を失う事になるかもしれない。
「あ、いたいた。あそこの天馬騎士・・・・・・フローリーナっていうんだけど、味方だから攻撃しないでね」
「・・・わかったけど、あの娘危ないん・・・・・・じゃないかな」
「え!?」
ウィルに言われてよく見てみると、敵の攻撃から悲鳴を上げ必死で逃げているフロリーナの姿が目に映った。
「きゃ!あ・・・・・・、いやぁ・・・・・・!」
山賊の中に弓を扱う者がいたらしく、フロリーナはペガサスを必死に操り、何とかその攻撃から逃れようとしていた。
「フロリーナ!早く助けないと!!」
慌てて駆け出したが、リンがいるところからフロリーナがいる位置まで距離がありすぎた。ケントとセインは目の前の敵に集中していて、とてもフォローに回れそうにない。
(お願い!間に合って!!)
リンの願いも虚しく、疲労しきったペガサスの動きが鈍った。このままではフロリーナが射殺されてしまう!
と、その時‐‐‐‐‐‐、
「大丈夫!おれに任せて!!」
リンと走っていたウィルは力強くそう言うと、立ち止まって弓をつがえた。
ビュン!
風切り音を残し放たれた矢は、寸分の狂いもなく、見事フロリーナを狙っていた山賊の眉間を貫いた。熟練した者の腕だった。
間一髪難を逃れたフロリーナは、ふらつきながらペガサスを地面に着地させた。
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