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かまいたちの夜 4」(2006/04/04 (火) 02:08:56) の最新版変更点

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   フロントに着くと、女の子三人組と小林さんがなにやらもめていた。    「ちょ・・、ちょっと。落ち着いて話して下さい。一体どうされたんですか?」    「だから!今部屋に戻ったら、床にこんな・・・こんな物が!」    女の子達が震えながら、小林さんに小さな紙切れを差し出した。    気になったぼくは、横から覗き込む。小さな紙切れには、赤い字でこう書き殴ってあった。    『こんや、12じ、だれかがしぬ』    「今夜、12時、誰かが・・・死ぬ?!」    ぼくが読み上げると、みんな一様に息を呑み込んだ。    しばらくの沈黙の後、ようやく小林さんが口を開いた。    「誰かのいたずらでしょう」    「・・・悪趣味ね」     真理が眉をひそめる。    確かに、悪趣味ないたずらだ。それが本当にいたずらなんだとしたら・・・。    「でも、誰かがあたし達の部屋に入ってこれを置いて行ったんですよね?気持ち悪くてあそこじゃ眠れないわ」    そう言ったのはやせて髪の長い可奈子ちゃんだ。泣きそうに顔を歪めている。    「床に落ちていたんなら、ドアの下の隙間から差し込んだんじゃないですか?鍵はかけていらしたんでしょう?」    小林さんがそう言うと、女の子達はぽかんとした表情を浮かべた。    「そっかー、中に入らなくてもいいんだ」    どうやら、そんなことにも気付きもしなかったようだ。    「・・・でもやっぱり気持ち悪い」    メガネの亜希ちゃんだ。    「何ならお部屋を替えましょうか?幸い空き部屋もありますから」    「その部屋にもテレビ、ついてます?」    ちょっとぽっちゃりした可愛らしいショートカットの啓子ちゃんだ。    「すいません。うちは客室には基本的にテレビは置いてないんです。ふた部屋だけ置いてあるんですが、それが、今お泊りの部屋なんですよ」    と、申し訳なさそうに首を横に振る。    「もうひとつの部屋は?」      「あいにくふさがってます。ですから、テレビをご覧になるなら、今のお部屋で我慢していただくしか・・・」      「どうする?」    三人は顔を見合わせ、話し合い始めた。    「あたしやっぱり気持ち悪い」    亜希ちゃんだ。    「テレビは我慢しようか?」    可奈子ちゃんが応える。    「えー、あたし見たいテレビがあるの」    啓子ちゃんが、わがままを言い出した。    「テレビなんかいいでしょ!なにしに来てるのよあんたは。あたし達はスキーしに来たのよ、スキーに!」    可奈子ちゃんが怒り始める。    「分かってるけど・・・でも今日は見逃せないの。『ロンバケ』の最終回なんだもん」    ぼくは見たことないが、確か『ロンドンで万馬券』というギャンブルドラマだ。    しばらくもめていたが、結局、つまらないいたずらだし、部屋を替えてもあまり意味がなさそうだということで、彼女達は引き下がって部屋に戻って行った。    「でも、誰がこんないたずらするかしら。子供は泊まってないし・・・」    そう言うと真理は、いたずらっぽい目をぼくに向けた。    「もしかして、透じゃないの?」    とんでもないことを言い出す。小林さんがおどろいてぼくを見る。    「冗談じゃないよ。何でぼくがよく知りもしない彼女達にそんなこと・・・」    当たり前だが、抗議した。    「そうよね。いくら透でもこんなことしないわよね」    何かひっかかる言い方だが、まあいいとしよう。        
   フロントに着くと、女の子三人組と小林さんがなにやらもめていた。    「ちょ・・、ちょっと。落ち着いて話して下さい。一体どうされたんですか?」    「だから!今部屋に戻ったら、床にこんな・・・こんな物が!」    女の子達が震えながら、小林さんに小さな紙切れを差し出した。    気になったぼくは、横から覗き込む。小さな紙切れには、赤い字でこう書き殴ってあった。    『こんや、12じ、だれかがしぬ』    「今夜、12時、誰かが・・・死ぬ?!」    ぼくが読み上げると、みんな一様に息を呑み込んだ。    しばらくの沈黙の後、ようやく小林さんが口を開いた。    「誰かのいたずらでしょう」    「・・・悪趣味ね」     真理が眉をひそめる。    確かに、悪趣味ないたずらだ。それが本当にいたずらなんだとしたら・・・。    「でも、誰かがあたし達の部屋に入ってこれを置いて行ったんですよね?気持ち悪くてあそこじゃ眠れないわ」    そう言ったのはやせて髪の長い可奈子ちゃんだ。泣きそうに顔を歪めている。    「床に落ちていたんなら、ドアの下の隙間から差し込んだんじゃないですか?鍵はかけていらしたんでしょう?」    小林さんがそう言うと、女の子達はぽかんとした表情を浮かべた。    「そっかー、中に入らなくてもいいんだ」    どうやら、そんなことにも気付きもしなかったようだ。    「・・・でもやっぱり気持ち悪い」    メガネの亜希ちゃんだ。    「何ならお部屋を替えましょうか?幸い空き部屋もありますから」    「その部屋にもテレビ、ついてます?」    ちょっとぽっちゃりした可愛らしいショートカットの啓子ちゃんだ。    「すいません。うちは客室には基本的にテレビは置いてないんです。ふた部屋だけ置いてあるんですが、それが、今お泊りの部屋なんですよ」    と、申し訳なさそうに首を横に振る。    「もうひとつの部屋は?」      「あいにくふさがってます。ですから、テレビをご覧になるなら、今のお部屋で我慢していただくしか・・・」      「どうする?」    三人は顔を見合わせ、話し合い始めた。    「あたしやっぱり気持ち悪い」    亜希ちゃんだ。    「テレビは我慢しようか?」    可奈子ちゃんが応える。    「えー、あたし見たいテレビがあるの」    啓子ちゃんが、わがままを言い出した。    「テレビなんかいいでしょ!なにしに来てるのよあんたは。あたし達はスキーしに来たのよ、スキーに!」    可奈子ちゃんが怒り始める。    「分かってるけど・・・でも今日は見逃せないの。『ロンバケ』の最終回なんだもん」    ぼくは見たことないが、確か『ロンドンで万馬券』というギャンブルドラマだ。    しばらくもめていたが、結局、つまらないいたずらだし、部屋を替えてもあまり意味がなさそうだということで、彼女達は引き下がって部屋に戻って行った。    「でも、誰がこんないたずらするかしら。子供は泊まってないし・・・」    そう言うと真理は、いたずらっぽい目をぼくに向けた。    「もしかして、透じゃないの?」    とんでもないことを言い出す。小林さんがおどろいてぼくを見る。    「冗談じゃないよ。何でぼくがよく知りもしない彼女達にそんなこと・・・」    当たり前だが、抗議した。    「そうよね。いくら透でもこんなことしないわよね」    何かひっかかる言い方だが、まあいいとしよう。    その時、フロントの電話が鳴り始めた。

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