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第二章 精霊の剣

    
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              第二章 精霊の剣

「何!?マデリンの小娘がまだ生きておるだと?」
 キアラン城の自室で部下の報告を聞いたラングレンは顔をしかめた。
「はっ、ラングレン様。娘はケント、セイン両名と行動を共にしているとか。いかがいたしましょう?」
「フン。ベルン北部は山賊どもが横暴する地と聞く。ただの小娘が、ここまで来れるはずもなかろうて」
 ラングレンはそう鼻で笑うと、気掛かりになっていた件を口にした。
「それより早く兄上の・・・・・・、奴の息の根を止めねばいかん。例の毒・・・・・・、ぬかりはあるまいな?」
「はっ、疑う様子もなく口に運んでおります。侯の病死は時間の問題かと・・・・・・」
「くくく・・・・・・、もうすぐじゃ。もうすぐこのわしが!」
 深いしわの刻まれた顔が怪しげに笑った。   
                           ☆  
「二人ともちょっとだけ寄り道させてね。東にある祭壇には、宝剣が祭られているの。サカの民が長いたびに出る時は、ここで無事を祈っていくのよ」
「ほほぅ、それは興味深い」
「エレブ大陸で一番信徒が多いのはエリミーヌ教ですが、この地では太鼓の慣わしが受け継がれているのですね」
 三人が祭壇に向かいながら話していると、なにやら祭壇の方角が騒がしくなった。そこへ一人の女性が息を切らしながらこちらに向かって走ってきた。
「・・・・・・あんたたち、この先の祭壇に行くつもりかい?」
「えぇ、そのつもりだけど・・・・・・」
「だったら、中にいる祭司さまを助けとくれよ!今さっき、この辺りでも評判のならず者の一味が、祭っている剣を奪いに祭壇に向かってったんだ・・・・・・」
「祭壇に祭られている剣を奪うですって!?そんなこと許せないわ!」
 そう言うとリンは走り出した。ケント、セインもそれに続く。
 その場に静寂が訪れるのにそう時間はかからなかった。祭壇を襲ったならず者は数こそ多いが、正式な訓練を受けてる騎士二人にかなうわけもない、無論リンもそこいらのならず者ではかなわなかった。
 三人は祭壇の奥へと進んだ。奥には祭司らしき人物が捕らえられていた。
「大丈夫ですか?」
「おお、そなたは確かロルカ族の・・・・・・」
「族長の娘リンです。司祭様、おケガは?」
 司祭は顔をほころばせ、
「うむ。そなたたちのおかげで大事にならんですんだ。礼を言うぞ」
「では、剣も無事なのですね?」
「ああ。この剣は、わしが封印しておるからな。封印を解かぬかぎり、この剣を抜くことはできやせんよ。さ、礼といってはなんじゃがお前さんたちに、特別この【マーニ・カティ】に触れることを許そう。剣の柄に手を当て、旅の無事を祈るがいい」 
 そう言うと祭司は【マーニ・カティ】をリンに差し出した。
「あ、ありがとうございます!では・・・・・・」
 すると一瞬、辺りがまぶしい光に包まれた。
「!?」
「・・・剣が・・・光ってる?」
「おお・・・これこそ、精霊の御心。リンよ・・・そなたは精霊に認められたようじゃ。この【マーニ・カティ】の持ち主になるが良い」
 選ばれた持ち主以外抜くことは出来ないとされる宝剣【マーニ・カティ】に精霊が宿り、その持ち主にリンを選んだと言うのだ。
 なぜ精霊が私を選んだのだろう。そう尻込みするリンだったが、
「優れた武器は、己の持ち主を選ぶ・・・。それは、サカだけではなく大陸中によく耳にするはなしですよ」 
と、ケント
「こう考えてはどうでしょう?武器にも、使いやすいとか使いづらいとか自分との相性ってありますよね?この【マーニ・カティ】はリンディス様のきにとても合う・・・、そんな風に思ってれば良いんじゃないですか?」
と、セインに言われ、
「私に合う、私にしか使えない剣・・・、そうね・・・それなら、何となく理解できるわ」
 そう言いリンも納得し、ありがたく手にすることにしたのだ。