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第四章 生業の影で 1

    
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                 第四章 生業の影で 1

  山賊たちを撃退したリンたちは、さらに西へと進んだ。途中、日が暮れてきたので古びた砦で一夜を明かす事になった。
  一方、仲間を失って怒り狂うガヌロン山賊は、リンたちを狙って追跡を始めるのだった。その不気味な足音はすぐ背後まで迫っていた・・・。
                        ☆
 「ここでいいんじゃないですか?今夜の寝床!」
 「こんなボロ砦しか寝る場所がしかないなんて・・・。あんまりじゃないか?なぁ、ウィル!」
 「この辺りは、山賊団が荒らしつくしてて、旅人をもてなす余裕はないんですよ。まして、この人数ですしね」
  今夜の寝床を探すために、皆より先に偵察に来ていたウィルとセインはそう話をしていた。
 「ここで十分じゃない。ちゃんとした建物の中より、風を感じられるくらいのほうが私は好きだわ」
 「私は、リンと一緒なら何処でも平気よ」
  後からついて来たリン、フロリーナはウィルに同意した。
 「では、護衛のためこのセインも女性達の横で・・・」
 「おまえは、私と寝ずの番をするんだ」
  ケントはセインが言い終える前に、そう言い切った。
 「う・・・・」
  無論セインの進言が通るわけは無かった。
  砦の中は思っていたよりは整っていて、寝床には十分に使えるものだった。
 「あの・・・・」
 「誰っ!?」
  砦の奥から声が聞こえたのでリンは慌てて聞き返した。
 「あ、ごめんなさい・・・。私、ナタリーっていいます」
  そう言いながら姿をあらわしたのは、若い女性だった。
 「この近くの村の・・・・、きゃっ」
 「大丈夫!? !あなた、足が・・・・」
 「あ、平気です。小さい頃からの病ですから。あまり遠くまでは行けないんですけど・・・」
  このナタリーと名乗った女性は生まれつき足が悪い事、自分の夫が足を治す為にお金を稼ぐと言って村を出たきり帰って来ない事、その夫を探しに来たという事を教えてくれた。
 「あの、これ夫の似顔絵です。・・・あんまり上手くないですけど。夫の名前は、ドルカスっていいます。ご存知ありませんか?」
 「・・・ごめんなさい。会った事のない人みたい」
 「そうですか・・・、もし夫に会ったら伝えてください。ナタリーが・・・さがしていたと・・・・・・・・」
 「わかった、必ず伝えるわ」
                  ☆
 「こっちか・・・ミガルを、やっつけたヤツらは」
 「へぇ、どうやらボロ砦に泊まるみたいですぜ、ちょうどいいや。暗くなるのを待って一気に・・・」
 「バカかおめぇ!ヤツら数が少ないうえ、女が混じってるってゆーじゃねぇか!!そんなヤツらの寝込みを襲ったりしたら俺は一生、笑いもんなっちまうわぁ!・・・それに、暗がりじゃ女まで、やっちまうキケンがあるだろ。そんなもったいねぇことが、できるか!」
 「さすがは、カージガのアニキだ!考えてる事がちがわぁ!」
 「ミガルの仇も討って女も土産に出来りゃ・・・、ハハッ、俺も幹部になれるってか?笑いが止まらん。よし、今すぐ行くぞ!手下どもに、砦を包囲させろ!!暗くなる前に決着をつけるんだ!!」
 「おぃ!おめえ!!・・・確かドルカスっつたか?」
 「・・・・・・」
 「てめぇ確か、仲間になってからまともに働いてねーな?そのガタイが飾りじゃねえなら今日こそは、きっちり役目を果たしやがれっ!」
 「・・・・・・」
 「お前は東にある裏口から攻めて来い!砦の中に女がいるはずだ。そいつを生け捕りに出来たら分け前をたんまりやってもいいぜぇ?金が欲しいならせいぜい頑張るこったな!!」
 「・・・・相手は女か。ナタリーが知ったら悲しむだろうな・・・」