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第四章 生業の影で 2

    
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                  第四章 生業の影で 2  

 「リンディス様!砦の外に山賊の一団が迫っています!!」
  外で見回りをしていたケントが急いで戻り、そう報告した。
 「なんですって!?」
  突然の報告に驚いたリンは思わず声をあげてしまった。 
 「しつこいヤツらですね。どうします?でていきますか?」
 「・・・いいえ、それじゃ動けないナタリーがあぶないわ。この砦に引き入れて戦いましょう」
  皆が首を縦にふると、各々の武器を構え戦いの準備をした。
 「あ、あの・・・」
 「安心して、ナタリー。絶対、守ってみせるから。みんな!慎重に戦いましょう!」
  リン達がいた砦は、東に小さめな入り口と南側に大きめな砦があった。
 「私は東の入口をおさえるわ、皆は南側の入口をお願い!」
  そう言ってリンは走って行った。
  南側を任されたケント、セイン、ウィル、フロリーナ達はケント、セインの両名が入口で敵をせき止め、後衛からウィルの弓、フロリーナの手槍で敵を次々に撃退していった。
 (あの人は・・・、ナタリーが見せてくれた似顔絵に似ている・・・?)
  一方一人で東側を守りに行ったリンは、遠くに見える山賊の中にナタリーが見せてくれた似顔絵によく似ている者を見つけた。
 (よし!一か八か話し掛けてみよう!)
  思うや否やリンは小走りでその男に近づき話し掛けた。
 「ねぇ、あなたドルカスさん?」
  男は一瞬ムッとした顔を見せたが自分の名前を言われたので口を開いた。
 「・・・・・、何故おれの名を?」
 「・・・ナタリーから聞いたの。どうして山賊に加わってるの?」
 「・・・金のためだ」
 「だからって、山賊なんてっ!」
 「この辺りで稼ぐには・・・、これしかない。汚い仕事でも・・・、おれには金がいる」
  確かにドルカスの言っている事も分からなくはない、しかしこのまま引く訳にもいかない。リンは説得をし続けた。
 「お金のためなら、奥さんを傷つけてもいいって言うの?ナタリーは今、砦の中で震えているのに!!」
 「なんだと・・・!?あいつが・・・、ナタリーがここに・・・!?」
 「あなたが心配で、あの足でここまで来たのよ。ドルカスさん!こんなことして、ナタリーが喜ぶと思うの!?」
 「・・・・・・、・・・あんたの言うとおりだ」
 「だったら・・・!」
 「・・・わかっている。今、この時を境に山賊団からは抜ける」
 「! 本当!?」
 「・・・ああ。それから、ナタリーが世話になった分、おまえたちを助けよう。・・・・おれも仲間に加えてくれ」
 (よかった・・・、これでナタリーも喜ぶわね)
  東側の敵をあらかた片付けたリンとドルカスは、皆のいる南側へ行った。
 「ドルカスさん、敵は私たちに任せてあなたはナタリーのところへ行ってあげて!」
  そう言ってリンは、ケントたちのところへ走りより加勢した。
 「ナタリー!」
 「あ、あなた!?」
 「ナタリー!大丈夫だったか!?こんな所までなんて無茶を・・・」
 「あなたが心配だったんです。私の足のことなんてもういいから・・・、危ない仕事はやめて。お願い・・・!」
 「・・・すまん。おれは、どうかしていたようだ。あの、リンとかいう娘に言われて・・・目が覚めた」
 「リンさんが、あなたをここに?」
 「詳しい話は後にしよう。今は、山賊どもを追い払わなければいかん。いいか、ここでじっとしているんだぞ」
 「はい。あなたが近くにいてくれるのなら私は大丈夫です」
  それを聞いて安心したドルカスは、みんなの下へ駆けつけた。
  力が自慢なドルカスも新たに加勢し勢いの乗ったリンたちは、山賊達も瞬く間に葬り去っていった。
 「く、くそうっあいつら、バケモノか!?野郎どもっひとまずは退却だ!!」
  そう言って山賊達は一目散に逃げていった。
 「敵がいなくなったわ・・・・。皆!私たちの勝利ね!!」
  リンたちは勝鬨の声を上げた。
  ナタリーは久々に会えたドルカスに嬉しさを抑えドルカスのもとへやってきた。
 「あなた!」
 「・・・すまん、ナタリー」
  再会で懐かしんでいるうちに辺りは日が落ちてきて暗くなりつつあった。
  するとドルカスは、
 「・・・・村はこの近くだ。ナタリーを送って、明日の朝、戻ってくる」
 「ぇ?お別れなら別に今でも・・・」
 「・・・いや、その・・・。あんた、おれを傭兵として雇ってくれないか?」
 「!でも私たちはリキアに・・・」
  ドルカスの急の頼みを言われ一瞬リンが戸惑った。
 「まともに金を稼ぐには・・・、どうせ遠出しなきゃならん。あんたらが助けを必要としていて、おれが役に立つんなら・・・雇ってくれ。・・・妻を助けてくれた、礼がしたい」
 「ドルカスさん・・・」
 「リンさん、私からもお願いします。夫を・・・ドルカスをよろしくお願いします」
 「・・・・わかったわ、これからもよろしくね、ドルカスさん!」
  こうして仲間となったドルカスは一度村に戻り、明日の朝合流する事になった。
 「やっと静かになったわね・・・」
 「我らが交代で見張りを務めます。みなさまは、お休み下さい」
  さすがはケントだ、と思いつつリンは、
 「まかせていいの?大丈夫?セイン」
  セインの方へ目を向けた。
 「は、はい!モチロンですとも!!」
 「言っておくけど、夜中に忍び込んできたら問答無用で、たたき切るから。その覚悟でいてね」
 「い、いやですね~。俺は、誇り高き騎士ですよ?そんな心配いりませんって!な、ケント!」
 「・・・少しでも不審な動きをすれば私が始末します。どうか、ご安心ください」
 「そう?じゃぁおやすみなさい」
  そう言ってリンは砦の奥に消えた。
 「さ、行くぞ」
 「とほほ・・・俺って、信用ないなぁ・・・」