FAQ

FAQまとめ


+ 特技
Q5-78: 時として特技には、キャラクターが一定以上の能力値を持っていることが必要となりますが、ここでは《二刀流》(【敏捷力】15が必要)の場合を取り上げます。あるキャラクターの【敏捷力】が13あるものとします。
 このキャラクターがアイテム、例えばグローヴ・オヴ・デクスタリティー+2を着用して、【敏捷力】15になっています。このキャラクターは特技を修得できるのでしょうか? そしてアイテムを着用している時にのみ特技を使用可能な状態になるのでしょうか?
A5-78:
 事実上可能だ。このキャラクターは特技を修得できるものの、どんな理由であれアイテムからのボーナスを失ってしまうと、特技の使用はできなくなってしまう。

Q5-79:
 『サヴェッジ・スピーシーズ(未訳)』収録の《能力熟練》は、モンスター特技ではなく一般特技として記載されていることに気付きました。個人的に、このことは、一部のクラス能力は特殊攻撃と見なされる、という印象を与えます。誤記でない場合、どんな能力に使用できるのでしょうか?
A 5-79:
 キャラクターは、敵を殺傷・妨害するために使用できてセーヴが可能な、ほとんどどんなことにでも《能力熟練》を使用することができる。候補リストには、モンクの《朦朧化打撃》、アサシンの“致死攻撃”、バードの“恍惚”能力が含まれる。“急所攻撃”など、セーヴが不可能なものには効果がない。

Q5-96:
 《魔法的防御貫通》は、対象がその対象を目標として発動されたキャッツ・グレイスの影響下にある場合、新たな【敏捷力】によって授けられたACを除去するのでしょうか?
A 5-96:
 除去しない。《魔法的防御貫通》は、呪文によって授けられたACを取り除くだけだ。キャッツ・グレイスは「より高い【敏捷力】」を授けており、「より高い【敏捷力】」は「より高いAC」をもたらす。《魔法的防御貫通》でACを取り除く為には、その呪文は、メイジ・アーマーやシールドなど、直接的にACにボーナスを与えるものでなければならない。


+ 装備
Q6-3:
 キャラクターがアンティマジック・フィールド呪文(『プレイヤーズ・ハンドブック』P.201)の範囲内から魔法の武器を用いて攻撃したとします。目標がアンティマジック・フィールド呪文の範囲外にいるのであればキャラクターは武器の利益を得るのでしょうか? アンティマジック・フィールド呪文の範囲内にいる目標に対して範囲外から攻撃した場合についてはどうでしょうか?
A6-3:
 どちらの場合も武器の利益は適用されない。武器の持つ何らかの魔力(などの効果)を発揮させる為には、攻撃者と目標が共にアンティマジック・フィールド呪文の範囲外にいなければならない。(キャラクターがアンティマジック・フィールド呪文の効果範囲を横切って遠隔攻撃を行なうのであれば――つまり、効果範囲外から、呪文の効果範囲の
一部を横切って、効果範囲外にいる別の目標に対して――、攻撃は通常通りに処理されるだろう。)

Q6-74:
 着用者が呪文の効果範囲内にいる場合、リング・オヴ・カウンタースペルズは、ファイアーボール呪文や他の効果範囲型呪文を「呪文相殺」することができるのでしょうか?
A 6-74:
 リング・オヴ・カウンタースペルズは、必ずしも着用者に対して効果の及んだ呪文を「呪文相殺」するわけではなく、着用者に対して発動された呪文しか「呪文相殺」しない。なので、キャラクターがファイアーボールの目標であるならば、その際は指輪がファイアーボールを「呪文相殺」するだろう;しかしながら、意図された目標の至近にキャラクターが立っているというだけならば、キャラクターは通常通りに効果を受けるだろうし、リング・オヴ・カウンタースペルズが起動し始めることはないだろう。

Q6-101:
 モンクス・ベルト(『ダンジョン・マスターズ・ガイド』P.266)は、モンクではない着用者にACに対する【判断力】ボーナスを授けるのでしょうか?
A6-101:
 授ける。しかしながら、ベルトにははっきりと「このACボーナスは、モンクのACボーナスとまったく同様に機能する」と明記されているのだから、着用者は「鎧を着用せず、負荷のかかっていない状態にある時」にのみACボーナスを得ることに注意すること。

Q6-102:
 モンクス・ベルトには、5レベル・モンクのACボーナスを授ける、と書かれています。これは何を意味しているのでしょうか?
A6-102:
 モンクス・ベルトが5レベル・モンクのACボーナスに言及している場合、それは“ACボーナス”という名称の「モンク能力」について言及しているのだ。これは、「ACへの+1ボーナス」、並びに鎧を着用しておらず過重状態でもない場合に「ACに【判断力】修正値を加える」ことができること、を授ける。


+ 戦闘
Q7-3:
 機会攻撃として「足払い」攻撃(などの特殊攻撃)を行なうことはできるのでしょうか?
A7-3:
 行なえる。目標を機会攻撃範囲に収めている武器を用いて「足払い」攻撃(などの特殊攻撃)を行なう限りでは、だが。例を挙げると、「足払い」攻撃を行なえるような武器をキャラクターが構えているのでなければ、「足払い」攻撃は「素手攻撃」である。素手では(敵を)機会攻撃範囲に収めていないキャラクターは、機会攻撃として素手での「足払い」攻撃を行なうことはできない。

Q7-13:
 戦闘において、ファイターのボブは負傷により「気絶状態」となり、オークのグロッグがボブのマス目に入り込みました。ボブを「気絶状態」から回復させようと友好的なクレリックがボブを治療します。ところで、オークとボブは現在同じマス目を占めています。こういう時はどうなるのでしょうか? ルールには、ボブとグロッグは同じマス目にいることはできない、と書かれています、よね? ですから、どうなるのでしょうか?グロッグは何らかの理由でボブのマス目に入り込むことを妨げられるのでしょうか? ボブが目覚めるとグロッグはマス目から出なくてはならないのでしょうか?
A7-13:
 他のクリーチャーが「無防備状態」である場合、あるいはクリーチャーが自分よりもかなり大きいかかなり小さい場合、キャラクターはそのクリーチャーのいるマス目に入り込み、そこで立ち止まることさえできる(『プレイヤーズ・ハンドブック』第8章の『マス目の通過』を参照のこと)。
 ボブが「伏せ状態」であり(ルールには意識を失ったら「伏せ状態」になるとは書かれていないが、「常識」がそうなることを求めているのだ)、「伏せ状態」のままである限りはグロッグのマス目に居続けられる、と仮定しよう。ボブが「立ち上がる」のならば、ボブは最初にグロッグのマス目から離れなければならないが、これはグロッグからの機会攻撃を誘発する。

Q7-40:
 キャラクターは正確にはどんな場合に反応セーヴを行なえるのでしょうか? 『プレイヤーズ・ハンドブック』のセーヴの項には、反応セーヴはキャラクターの体をかわす能力によって決まる、と書かれています。このことは、キャラクターが身動きできない場合には反応セーヴを行なえない、ということを意味しているのでしょうか?
A7-40:
 キャラクターは、反応セーヴが可能な効果の対象となったどんな場合でも、反応セーヴを試みることができる。反応セーヴはふつうある程度は回避能力に関連しているが、反応セーヴはキャラクターの動き回る能力に全面的に依存しているわけではない。反応セーヴはまた、幸運、最初にセーヴを行なう必要性のある効果の多様性、『D&D』ゲームにおいて英雄的キャラクターが不慮の事故に合わないように守る数多くの何か不可思議な因子にも依存しているのだ。
 多くの場合、環境がどれだけ悪かろうと、キャラクターは通常通りに反応セーヴを行なうことになるが、ある状況下では反応セーヴが阻害される。
•  キャラクターが【敏捷力】ダメージや【敏捷力】吸収を被っているのであれば、反応セ-ヴには現時点の、低下している【敏捷力】修正を用いなければならない。
•  キャラクターが「戦慄状態」であれば、【敏捷力】ボーナス(あれば)を失う。「戦慄状態」である間はキャラクターが持ちうる最大【敏捷力】ボーナスは+0であり、それに応じて反応セーヴに影響を受ける。
•  キャラクターが「死亡状態」であれば、物体として扱われる。持ち主のいない物体はセーヴを行なえない。
•  キャラクターが「絡みつかれた状態」であれば、有効【敏捷力】は-4低下し、セーヴには低下した【敏捷力】修正を用いなければならない。
•  キャラクターが「過労状態」であれば、有効【筋力】と有効【敏捷力】は-6低下し、セーヴには低下した【敏捷力】修正を用いなければならない。
•  キャラクターが「疲労状態」であれば、有効【筋力】と有効【敏捷力】は-2低下し、セーヴには低下した【敏捷力】修正を用いなければならない。
•  キャラクターが「恐怖状態」または「恐慌状態」であれば、反応セーヴを含む全てのセーヴに-2のペナルティを被る。
•  キャラクターが「無防備状態」であれば、【敏捷力】は実質的に0である。それでもまだキャラクターは反応セーヴを行なうことができるが、【敏捷力】修正は-5 だ。「麻痺状態」、「気絶状態」、「眠っている状態」のキャラクターはどんな場合でも「無防備状態」である。

Q7-45:
 「伏せ状態」であるということは地面に横たわっている状態であることを意味する(『プレイヤーズ・ハンドブック』P.310)、とありますが、どんなクリーチャーが「伏せ状態」になれるのでしょうか? 粘体は「伏せ状態」になれるのでしょうか? スネークのように支持肢の無いクリーチャーについてはどうでしょうか? 非実体クリーチャーについてはどうでしょうか?
A7-45:
 いかなる者であろうと「伏せ状態」になることはできる。移動運動の為に支持肢を用いるクリーチャーは、1回のフリー・アクションを使用して「伏せ状態」になることができ、再び立ち上がる為には1回の移動アクションを使用しなければならない。スネークなどの支持肢の無いものは、1回のフリー・アクションとして、「伏せ状態」になったり「立ち上がったり」することができる。そういったクリーチャーは、遠隔攻撃に対するACボーナスを得る為に「伏せ状態」になろうとするかもしれない。(ゼラチナス・キューブのようなものにそういった選択肢を設けるのは「常識」外れなので、認められるべきではないが。) 公式には、クリーチャーが「立ち上がる」際はいつでも機会攻撃が発生する。だが、セージとしては、スネークまたは類似するクリーチャーが「立ち上がる」際には機会攻撃が発生しない、とすることを心の底から推奨したい。

Q7-46:
 「足払い」を受けると、キャラクターは「伏せ状態」になります。どんなクリーチャーが「足払い」されうるのでしょうか? ビホルダーは? ゼラチナス・キューブは? 「足払い」はこれらのクリーチャーに対しどんな効果があるのでしょうか? 「伏せ状態」のキャラクターは再度「足払い」を受けうるのでしょうか? 飛行していたり泳いでいたりするクリーチャーについてはどうでしょうか? 多くのクリーチャーは、脚も無ければ、地面や重力に囚われてもいません。こういったクリーチャーに対し「足払い」はどのような効果があるのでしょうか?
A 7-46:
 移動運動の為に支持肢を用いるあらゆるものは「足払い」されうる。移動運動の為に支持肢を必要としないものは「足払い」されることはない。キャラクターはスネーク、ビホルダー、ゼラチナス・キューブを「足払い」することはできない。君はこのことをルール上で見出すことはできないだろうが、そもそも実際にはルールに載せる必要がないのだ――DMの「常識」にかかっているような事柄はルールから除けるのだから。
 翼で飛行しているクリーチャーは「足払い」されうるが、この場合は失速する(『ダンジョン・マスターズ・ガイド』P.20 の『飛行による戦闘時の移動』を参照のこと)。非実体クリーチャーを転倒させることはできない。「伏せ状態」のクリーチャーを「足払い」することもできない。クリーチャーは泳いでいる時に「足払い」されることはない(水がクリーチャーを支えるのだ)。同様に、穴掘り中のクリーチャーは、クリーチャーを支える役目を果たす極めて堅固な媒体に体を包まれつつ進んでいるのだ。


+ 呪文
Q8-3:
 1日に2回以上8時間の休息をとることはできるのでしょうか? 例を挙げますと、私のキャラクターが丸1日持続する呪文を発動し、その上で休息し、さらにその上でもう1度同じ呪文を発動することはできるのでしょうか?
A8-3:
 これはシステム的にはルールで認められている範囲内のことなのだが、セージはそれでもこれを認めないダンジョン・マスターを支持するだろう。最終的に、これは魔法がキャンペーン内でどのように働くかに関するDMの見解に委ねられる。

Q8-8:
 「呪文構成要素」が一切ない呪文を「呪文相殺」することは可能なのでしょうか?
A 8-8:
 通常の「呪文相殺」では、「音声構成要素」または「動作構成要素」の識別に〈呪文学〉判定が要求される。「音声構成要素」も「動作構成要素」も無いのであれば、キャラクターは〈呪文学〉判定を成し遂げることができないのだから、その呪文を「呪文相殺」することはできない。しかしながら、キャラクターがディスペル・マジックを使用して「呪文相殺」しようとしているのであれば、呪文の識別は要求されず、〈呪文学〉判定がとばされるので、キャラクターは「構成要素」の無い呪文を「呪文相殺」してもよい。

Q8-11:
 目標型呪文のルールには、術者は目標を視覚で知覚できていなければならない、と書かれています。このことは、鏡を使って曲がり角の向こう側を覗き込み、鏡の中に見える目標に向けて目標型呪文を射ち込むことができる、ということを意味しているのでしょうか? 例を挙げますと、キャラクターは鏡を使って曲がり角の向こう側にいる目標に向けてマジック・ミサイル呪文を射ち込めるのでしょうか?
A8-11:
 射ち込めない。まず第一に、目標型呪文を行使する為にはキャラクターが目標を視覚で知覚(あるいは接触)していなければならない。目標の鏡像を捉えている、ということでは十分ではない。第二に、術者は目標に効果線を通していなければならないのだが(これはほとんど全ての呪文について成り立つ)、この例では曲がり角を通る(あるいは回り込む)効果線を通していない。キャラクターが曲がり角を回り込んで目標型呪文の狙いをつけたいのであれば、少なくとももう少し角を回り込んで顔を出さなければならないだろう。だが、キャラクターはそれでも曲がり角から「遮蔽」を得ることはできる。

Q8-15:
 「覚醒した植物」は技能と特技を得るのでしょうか?
A8-15:
 ここで我々は、2つの記述のどちらが優先されるのかを決定しなければならない。アウェイクン呪文では、植物は(種別と【知力】、【判断力】、【魅力】を除き)「アニメイテッド・オブジェクトと同じデータを有する」、と規定されているが、その一方で『モンスター・マニュアル』には、【知力】を持つあらゆるクリーチャーは技能と特技を持つ、と明示されている。
 セージとしては、呪文の解説こそが優先されるべきもの、と確信しているので、植物はいかなる技能も特技も得ないことになる。

Q8-16:
 動物(この場合は2HDのウルフ)にアウェイクン呪文を発動する場合、呪文によって与えられる+2HDは、その動物のサイズ上昇を引き起こすのでしょうか(ウルフの強大化で挙げられているものでは、大型サイズになるのは4HDです)?
A8-16:
 一般に、クリーチャーはHDを獲得することによってサイズが上昇するわけではない。『モンスター・マニュアル』の『強大化したクリーチャー』の項は、ダンジョン・マスターが同じクリーチャーを使用したいものの高レベルのパーティーにふさわしい脅威を提供したくもある場合の為にあるのだ。だが、これらのクリーチャーは、レベルや呪文、あるいはその他の効果によってHDを獲得した場合であっても、サイズが上昇することはない。「動物の相棒」であることにより動物がHDを獲得した場合も同じことが成り立つだろう;クリーチャーのサイズは上昇しないだろうし、単に「動物の相棒」の表に記載されている利益だけを得るだろう。

Q8-18:
 アラーム呪文は「(魔法の)罠」なのでしょうか? そうであるものとします。ローグはアラーム呪文を無力化できるのでしょうか?
A8-18:
 「罠」ではないし、ローグはアラーム呪文を無力化できない。残念ながら、ルールでは「罠」と見なされる呪文の分類について明白に定義していない為、我々は個々の呪文の解説を頼りにしてこの質問を裁定しなければならない。
 アラーム呪文とグリフ・オヴ・ウォーディング呪文――どちらもある区画を守備する為に使用される長期持続型の防御呪文である――との類似性にも関わらず、アラーム呪文の解説には、この呪文を無力化する方法についての詳細が何ら含まれておらず、また、無力化可能な罠を作り出す呪文として〈装置無力化〉の解説に記載されてもいない(『プレイヤーズ・ハンドブック』P.76)。よって、我々としては、アラーム呪文は罠として扱われるべきではなく、〈装置無力化〉を用いて無力化することもできない、という結論を出さざるをえない。

Q8-48:
 ソーサラーがシェイプチェンジ呪文で特殊攻撃を持つクリーチャーの姿をとった場合、その能力のセーヴ難易度を算出する際にはどのHDを使用するのでしょうか? ――クリーチャーの一般的なHDでしょうか? このソーサラーの術者レベルでしょうか? それとも他の何かでしょうか?
A8-48:
 キャラクターがシェイプチェンジ呪文(もしくは関連する魔法)を使用して他のクリーチャーの姿をとる場合、そのキャラクターのHDはキャラクターの本来のHDと同じであると見なされる。
 例を挙げると、シェイプチェンジ呪文でダイア・ベアに変身している人間の18レベル・ソーサラーは、悪のクレリックのブラスフェミィ呪文がこのソーサラーにどんな効果を与えうるか決定する上で、18HDのクリーチャーとして扱われるだろう。シェイプチェンジ呪文でホーンド・デヴィルに変身しているエルフの17レベル・ウィザードは、“恐怖のオーラ”、“朦朧化”、“地獄の流血”のセーヴ難易度を求める際に術者自身の17HDを使用する。
 このことは、キャラクターのhpや、基本攻撃ボーナスや基本セーヴ・ボーナスなどのHD依存のその他の性能には何ら影響しない。

Q8-73:
 ディテクト・マジック呪文を使用して超常能力の効果を感知できるでしょうか? 例を挙げますと、“自然の化身”能力を使用しているドルイドを感知できるのでしょうか?
A8-73:
 超常能力は魔法的なのだから、その効果は魔法のオーラを発するだろう。ディテクト・マジック呪文には超常能力の効果についての項目欄が無いが「魔法のアイテム(術者レベル)」と同じ欄を使用することができる――超常能力の効果の術者レベルは、特に断りのない限り、クリーチャーのHDに等しい(『モンスター・マニュアル』P.313)。

Q8-79:
 慣性力の働いている物体は、テレポートしても慣性力を維持するのでしょうか?
A 8-79:
 物理法則が適用され続けることはない、と明記しているルールは無いのだから、慣性力は維持されるように思われる。テレポート呪文を使用して安全な場所へ逃れたその時に地面に向かって真っ逆さまに落ちているところだったのであれば、キャラクターは依然として「落下状態」のままであり、それ故にテレポートする前にキャラクターが実際に落下した距離に応じたダメージを受けるだろう。

Q8-96:
 フリーダム・オヴ・ムーヴメント呪文は、キャラクターが「朦朧状態」にならないよう防護するものなのでしょうか? 論点は、「朦朧状態」は移動の差し支えになるような状態なのか?、ということなのですが。
A8-96:
 フリーダム・オヴ・ムーヴメントは、混乱を呼び起こしかねない制限知らずな文言を数多く含む、扱いにくい呪文の1つである。君がこの呪文を、移動やアクションに関するあらゆる物理的障害を無視する何か、とだけ見なしている場合、この呪文はかなり扱いやすいものとなる。君がこの制約を課すのであれば、フリーダム・オヴ・ムーヴメントはウェブ、スロー、ソリッド・フォッグ――これらの呪文はそれぞれ、クリーチャーの移動/アクションを阻むような何かをクリーチャーの進路上に配置するか、クリーチャーの物理的な移動能力を特に目標としている――に対して機能する、という意味に落ち着く。
 この解釈だと、何らかのアクションをとることに対して精神的障害を適用するホールド・パースンなどの呪文や効果は、フリーダム・オヴ・ムーヴメントによって出し抜かれはしないだろう。これらは精神的効果であり、フリーダム・オヴ・ムーヴメントは(ソリッド・フォッグなどの)物理的効果や特に移動を阻害する効果を出し抜く役にしか立たず、ホールド・パースンのような、キャラクターが何らかのアクションをとるのを阻むような呪文には役に立たない。
 同じ流れで、フリーダム・オヴ・ムーヴメントはメドゥサの“凝視攻撃”やフレッシュ・トゥ・ストーン呪文によって「石化状態」にされてしまった者には働かないだろう。
 元々の質問に回答すると、「朦朧状態」は精神的効果の1つであり、通常はクリーチャーの行動能力を完全に失わせるだろう。これは特に移動を阻害することだけに重点を置いているわけではなく、また精神的なものであって物理的障害ではない為、フリーダム・オヴ・ムーヴメントは「朦朧状態」のクリーチャーが通常通り行動したり移動したりする役には立たないだろう。
 フリーダム・オヴ・ムーヴメントをこのように解釈すると、呪文の効果を裁定するのがより容易になるかもしれないが、これをもっと限定的にすることもできる。通常は、最終的にダンジョン・マスター任せなことであり、DMが自分のキャンペーンやプレイ・セッションに合わせて最終判断を下すことになるだろう。

Q8-102:
 プロテクション・フロム・イーヴルの第二効果は、正確には何をどうするものなのでしょうか?
A8-102:
 セージは君の心痛を理解できる。第一、第三効果が比較的はっきりしているのに対し、第二効果はあやふやだ。
 呪文のこの特殊効果を定義する上で鍵となる文章は以下の通り。「第二に、このバリヤーは守っているクリーチャーに……あるいは(心術(魅惑)効果と、ドミネイト・パースンなど、術者が対象に対して継続的な制御を及ぼすことのできる心術(強制)効果を含む)クリーチャーに精神制御を及ぼそうとするすべての試みを遮断する」(『プレイヤーズ・ハンドブック』P.280) (この呪文はまたクリーチャーに憑依しようとする試みをも阻止するが、それをもたらす効果はあまりにも少ないので、言及する意味はほとん
どない。)
 この文章の最初の部分は、DMがこれによってプロテクション・フロム・イーヴルの効果を裁定すべき基本的な基準について述べている。継続的な効果がクリーチャーに対して精神制御を及ぼそうと試みたならば、プロテクション・フロム・イーヴルはおそらくその効果を抑制するだろう。
 この文章の補足部分は、前文が正確には何を意味しているか判断する助けとなる(明らかに『プレイヤーズ・ハンドブック』のルール要素にて示されている)2つの明快な例を挙げている。
1)  心術(魅惑)。実に簡単だ――プロテクション・フロム・イーヴルは、チャーム・パースンやエンスロールなどのあらゆる心術(魅惑)効果を自動的に抑制する。
2)  目標に対する継続的な制御を術者に授ける心術(強制)効果。これが裁定をややこしくしているところで、この為に君は、「継続的な制御」とは何を意味しているのか、ということを決定しなければならない。セージとしては、目標が自分の行動を完全に制御することを妨げるようなあらゆる非瞬間的効果を含む、広義の定義を推奨しよう。
 例としては、明白なもの(コマンドやドミネイト・パースンなど)だけでなく、スリープ、デイズ、ターシャズ・ヒディアス・ラフターなど、それほど明白ではないものも含まれるだろう。そういった効果は、プロテクション・フロム・イーヴルが目標にかかっている限り抑制されることだろう。
 術者に目標への継続的な支配を授けない心術(強制)効果もまだかなりある。クラッシング・ディスペア、タッチ・オヴ・イディオシー、パワー・ワード・ブラインド、ヒロイズム、マインド・フォッグ、レイジがその例だ。プロテクション・フロム・イーヴルはそういった呪文には何の効果もない。
 では、サイオニクスなど、(魅惑)効果ではない精神支配効果についてはどうだろうか? そういった場合、DMはルールと自分自身の判断とを照らし合わせて裁定しなければならない。例を挙げると、精神感応分野のサイオニクス・パワーは心術呪文と同等であり、それ故に同様に影響を受ける。ほぼ心術呪文を再現している非呪文効果は、そ
れらが適切な副系統((魅惑)あるいは(強制))の呪文であるかのように扱われるべきだ。

Q8-110:
 同じ装備を着用・運搬できる別のクリーチャーにポリモーフ(*)しているキャラクターが着用・運搬している装備品はどうなるのでしょうか?新たな姿のサイズが異なる場合はどうでしょうか?
A 8-110:
 特に断りのない限り、ポリモーフ系の全ての呪文はオルター・セルフ呪文の解説に記述された通りに機能し、これには「(変身後の姿がアイテムを着用したり手に持ったりすることができるのならば)変身後の姿が着用したり手に持ったままとなるか、新たな姿の中に融合してしまい使うことができなくなる」という規定がある。別の中型サイズの人型生物の姿(エルフ、グリムロック、ビアーデッド・デヴィルなど)にポリモーフした人間は、全ての装備を着用したり手に持ったりすることができるのだから、装備はその場に残ったままである。
 だが、キャラクターの装備はポリモーフの結果として自動的にサイズが変わったりしないのだから、これはサイズが厳密に関わってくる状況の一つである。新たな姿に適切な装備部位があるものと仮定しよう――例えば、トロールやピクシーにポリモーフした人間――キャラクターの魔法のアイテムのほとんど(指輪、クローク、ブーツ、その他の魔法の衣類や装身具)は、キャラクターの新たなサイズとは無関係に、ぴったりフィットする(『ダンジョン・マスターズ・ガイド』P.209の『サイズと魔法のアイテム』を参照のこと)。
 新たな姿に適さない魔力を持たない衣類や携行品は、ポリモーフした際にキャラクターの体の中に融合してしまう。(セージとしては、新たな姿が着用できるか否か決める際にDMが寛大になり過ぎて失敗する方を推奨しよう。)
 同様に、鎧(魔法の鎧であっても)は異なるサイズの着用者に合わせてサイズが変わったりしない。前述の人間は、体に融合してしまう+1フル・プレート・アーマーの利益を失ってしまう。
 新たな姿が武器を所持できる限り(つまり、手や、同程度に器用な肢がある)、変身前に持っていたどんな武器でも手に持ったままである。だが、その武器はもはやキャラクターにとって適正なサイズではないので、『プレイヤーズ・ハンドブック』P.111に記述されている通りのペナルティを攻撃ロールに被る。トロールにポリモーフしている人間は中型サイズの武器を保持したままでいられる(もっとも、その武器は今や最適なサイズよりも1段階小さいものである為、キャラクターは攻撃ロールに-2のペナルティを被るのだが)。有利な面として、今やキャラクターは中型サイズ用のグレートソードを片手で構えることができるが、これは盾や2つ目の武器を同時に構えるべく手にすることができるということを意味している。
 バーバリアンが常日頃からトロールやストーン・ジャイアントにポリモーフしているのであれば、こういった状況下で用いる予備の大型サイズ
の武器を運搬することを考慮するといいかもしれない。
(*) この質問と回答では、「ポリモーフ」という言葉を、具体的には、効果の裁定がポリモーフ呪文やオルター・セルフ呪文に基づく呪文(オルター・セルフ呪文、ポリモーフ呪文、ポリモーフ・エニイ・オブジェクト呪文、シェイプチェンジ呪文を含む)、メタモルフォシス・パワーに基づくサイオニック・パワー(メタモルフォシス・パワー、グレーター・メタモルフォシス・パワーを含む)、以上の一覧のいずれかに挙げられた能力に基づくその他の効果、を表すものとして使用している。

Q8-118:
 ポリモーフ(*)は変身後の姿が持つ変則的能力に分類される特殊攻撃を授けます。キャラクターが相手を“飲み込み”、その後、呪文が切れる前にキャラクターの胃袋から相手が逃れなかった場合にはどうなるのでしょうか? 
A 8-118:
 オルター・セルフ呪文では、「変身後の姿の時に着用したアイテムのうち、本来の姿では着用できないものは脱落し、術者の足元に落ちる」、と規定されており、これは“飲み込んだ”ものがどうなるのかということに極めて近似しているように思われる。キャラクターの本来の姿は(当然のこととして)クリーチャーを“飲み込み”する能力が無いのだから、“飲み込み”されたあらゆるクリーチャーは、キャラクターに隣接するマス目に「伏せ状態」で出現する。

Q8-130:
 モルデンカイネンズ・ディスジャンクション呪文には、実際に物理的にアイテムを破壊する、とは書かれていません。ウィッシュ呪文はアイテムが元々持っていた魔法能力を再生できるのでしょうか?
A 8-130:
 ウィッシュ呪文には、この呪文が問題なく生じさせることのできる効果の明確な一覧があるが、「魔力を失ったアイテムの魔力を再生する」は正確にはその内の一つではない。だが、呪文は「魔法のアイテムを作成したり、既存の魔法のアイテムに新たな力を与えたりする」ことが可能で、これは非常に近いと思われる。これにはアイテム作成にかかる通常の経験点コストを2倍にしたものに加えて5,000経験点かかる。

Q8-132:
 モルデンカイネンズ・ディスジャンクション呪文はバッグ・オヴ・ホールディングに収納されている魔法のアイテムを破壊できるのでしょうか?
 バッグ・オヴ・ホールディングが破壊された場合、内部のアイテムはどうなるのでしょうか?
A8-132:
 バッグ・オヴ・ホールディング(または類似の収納アイテム)内に収納されているアイテムが実際にはどこに「ある」(見かけよりも容量のある入れ物の内部に収納されているのか、それとも他次元界の虚空のどこかに実際に浮かんでいるのかどうか)のか、完全には明らかになっていない。バッグの項(『ダンジョン・マスターズ・ガイド』P.259)ではただ単に、バッグ・オヴ・ホールディングの中は、「いかなる次元にも属さない空間」に通じており、「袋の中の空間は外側から見た大きさよりも大
きい」、と述べられている。
 セージが思うに、多くのDMはバッグ・オヴ・ホールディング内のアイテムは「そこにない」と見なしているのではなかろうか――つまり、アイテムは実際には所有者の腰周りで跳ね回っているわけではなく、その代わりに異次元/他次元界の「どこか」に浮遊しているということだ。さらにセージは、この決定が、a) ゲーム・プレイ上の簡便さと、b) 旧版のゲームの名残、が組み合わさってのものなのではないかと疑っている。
 その場合、最も簡単な解決法は、バッグ・オヴ・ホールディングの中のアイテムは実際にはモルデンカイネンズ・ディスジャンクション呪文(もしくは背負い袋や袋の中に収納されているアイテムに別の方法でダメージを与えかねないその他の効果)の作用を受けるような形で存在してはいない、と告げることだ。
 だがこれでは、そういったアイテムを完全に安全にしてしまう。ルールではこのことを明白に規定していないが、バッグ・オヴ・ホールディングについての項では、いかなる方法であれバッグが破壊されたなら、内容物は「永遠に失われる」、と強く示唆されている。よって、バッグ・オヴ・ホールディングを首尾よく普通の背負い袋に変えたモルデンカイネンズ・ディスジャンクション呪文は、バッグ内に収められていたあらゆるものをも「破壊」する。(単にバッグの魔力を抑止するだけのディスペル・マジック呪文や類似の効果は一時的にアイテムを取り出せなくするだろうが、魔力を取り戻し次第再度アイテムは利用可能になるだろう。)

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最終更新:2010年01月21日 00:17
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