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逆襲のアスラン

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匿名ユーザー

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笑い声の聞こえない世界・・・・
街行く人の足音はどこか早足で休日の昼間だというのに活気も無い。
あの戦争、ロゴスを撃つという戦いから4年の歳月が流れた。
しかし何も変わっていない、むしろ今のほうが・・・
明るい未来が来ると、誰も悲しまない世界が来ると信じていた
議長の望んだ世界はこんなものだったのか?議長のやっている事は正しいのか?
まさか、まさかね・・・・・

ガンダムSEED Destiny epilogue׭onologue

あの戦争の終わりは悲惨なものだった。
レイはアークエンジェルと相撃ち
ミネルバとルナマリアは連合の大量破壊兵器を止めるため捨て身の特攻
俺は、というとフリーダムを落としたものの機体が半壊していて動けなかった
守るって言ったのにな・・・
エターナルはアスランの手により爆発、オーブの話によるとアスハも乗艦していたらしい。俺も正直耳を疑ったね。
議長の話によるとスパイとしての特命を受けていたそうだ。
自然な形でザフトを裏切りアークエンジェルに潜りこむにはあの方法が一番よかったらしい。
敵を欺くには先ず味方から言うのは決まり文句だがあそこまで出来るとは、と議長は饒舌だった。
爆弾を仕掛ける際に銃撃を受け、薄れ行く意識の中で議長専用のドッグへの自動操縦で戻ってきたそうだ。

そう、この戦争の生き残りは俺とアスラン・・・・そしてメイリンしかいない
メイリンはあの決戦時オーブに残されていたが、戦後アスランの偉大な協力者としてプラントに迎えられた
そして俺は・・・・・メイリンと一緒に暮らしている。
議長から「先の大戦時の両英雄が結婚するとなれば大いに戦後復興の励ましになるだろう」
と言われたためで、俺は議長の勧めを断ることが出来なかった。だけど一緒に暮らしているが結婚はまだしていない。
ルナマリアを守れなかったせめてのも罪滅ぼしと、メイリンと暮らしている。
メイリンが本当に好きなのはアスランであることは戦後直後の彼女を見ていれば明らかだった。
なぜかその後アスランに会った時には口も聞いていなかったな・・・・

アスランは救国の英雄として迎えられた。パトリック・ザラの息子であることと、自分の婚約者が敵に回ったにもかかわらず
プラントのため、その婚約者を討ったことで悲劇のヒーロー像が確立していた。
1年間は治療のため面会謝絶で会うことも出来なかったが退院後は会いに来てくれた。
どこか話の食い違うことも多かったが本人は「実は記憶が余り定かではないんだ」と少し悲しげに笑いながら話していた。
アスランにはその後色々なことを教わった。隊長としての振舞い方、俺みたいな部下の伸ばし方(なんだかな~)、
戦いとは何か、議長からは聞けないようなことが色々教えてもらえた。実際初めのうちはちょっと打ち解けにくかったが
数少ない知り合いの生き残りということで、そんな関係になるのに時間はかからなかった。
そんなアスランは2年前に急死・・・・退院から僅か1年だった。
コーディネーターにもかかわらず心臓に持病があったそうだ。
死の直前まで議長の片腕として各地を飛び回っていたのに。

俺はというと、昇格し艦長兼パイロットととんでもない役職を押し付けられている。
でもまぁ艦長としてブリッジにいるよりはMSのコックピットにいるほうが安心する。
ルナマリアやレイや艦長、アスランの声が聞こえそうで・・・・
マユのことはもうたまにしか思い出さない。消して忘れたわけではない。
ただ・・・マユと同じぐらい大事な人達を亡くしてしまったので慣れてしまったのかもしれない・・・

今日は議長の近衛兵に実戦訓練をつける任務となった。
近衛兵というからには俺よりも強い兵士なんじゃないか?と考えたりもするが
議長の事だ、俺の事を買ってくれているのだろう、期待にこたえるためにも頑張るとするか。

どうやら5対1らしい。模擬戦だから死ぬことは無いと思うが実機を使ってるだけに真剣にやらないといけないな。



ってこいつ等の動き!!まさか・・・・
そんなはずは無い、あいつは、あの人は2年前に死んだんだ!!

ガン、と衝撃が機体に走った後おれは意識を失っていった。
あれは人?・・・・・・・・・アスラン?

その後のことは覚えていない。錯乱して近衛兵に抑えられたらしい。
そのときに近衛兵が一人怪我をしたそうだ・・・・

あれはやっぱりアスランでは無いのだろうか?しかしあの面影はアスランだった。
自宅のベッドで横になっていた俺は、いてもたってもいられず軍の病院へ向かった。
看護師から強引に病室を聞き出し乗り込んだが、そこに眠っていたのはアスランとは似ても似つかない男だった。

なんだ?俺の見間違いだったのか?

その後独自に調べてみたものの彼ら近衛兵の記録は一切無し。顔写真や経歴家族構成にいたるまでが全て
存在しないものとなっていた。たしかに記録があればそれを悪用される可能性があるが、
ここまで消されているのははっきりいっておかしい。
それに最近俺が監視されているような気もする。なぜ俺が監視される?
議長に直接聞いてみるしかないのか?

無理矢理議長との会談をねじ込むことが出来た。正直もっと苦労すると思ったが、
議長が実にあっさり会談を認めてくれたからだ。
「デュランダル議長、会談をお受けいただきありがとうございます」
「気にすることは無い、君はあの戦いの功労者だ。で、話というのは?」
「議長の近衛兵についてであります」
「彼らがどうかしたかね?」
「彼らはいったい何者なんですか?」
「彼らはザフト出身の優秀なパイロットだが、なにか問題でも?」
「彼らのMSの操縦方法が亡くなられたアスラン・ザラとあまりにも酷似しておりましたため
 そのことを疑問に思い・・・」
「なんだ、そんなことか。彼らはアスランにMSの操縦を叩き込まれたのだよ」
「しかし、それにしてはあまりにも」
「私の求めるパイロットというのはこの近衛兵たちのようなパイロットなのだよ。
 優秀なパイロットと同じ操縦が出来る人間。クセすらも同じならばその役割を集団でこなす
 ことに有利になるとは思わんかね?」
「しかし普通の人間ではそんなことは不可能です!!ましてやクローンでないと・・・・」
「なら君は彼らがアスランのクローンであると?私が彼を冒涜するようなことをすると思っているのかい?」
「いえ、そんなことは!!」
「まぁ、いいだろう。近衛兵の諸君、ヘルメットを取って差し上げたまえ」
「これを見て君はまだクローンなどというのかね?」
「いえ、私の思い違いでした」
「分かってもらえて何よりだ。しかし君は少々疲れているのかもしれん。少し休暇でも取ったらどうかね?」
「艦長の身で急に休暇を取るというのは」
「なに、かまいやしないよ。私が手筈を取っておこう。メイリン君と楽しんできたまえ」

俺に休暇が出た・・・3ヶ月。いくらなんでも長すぎやしないだろうか・・・・
家に帰ってもとくにすることが無いので独自にアスランの記録を調べることにする。
特にこれといって新しい情報など出てくるはずも無い。ありふれた、俺たちが知っている情報・・・
ガチャ・・・
玄関の開く音だ。どうやらメイリンが帰ってきたらしい。
ここ最近留守にすることが多いので少し心配なので聞いてみることにするか。

「シン!!これを見て!!」
俺が質問するより前に1枚のディスクを手渡された。
「早く!!急いで!!」
俺はせかされるままにそのディスクの中身を確認した。数枚の画像ファイルと1本の映像データそれに書籍ファイル・・・

この画像はこの前の訓練のときの?・・・・・何だよこれ・・・どういうことだよ!!
写真に写っていたのは明らかにアスランだった・・・・

「おい!!これは!!」
「いいから他のもはやく」
映像はどこかの研究室のようなところ・・・大きなシリンダーが並んでいる。
その中にはアスランが何人も・・・・
「はは、はははは、何だよこれ、なぁ?」
「書籍ファイルを見て!!ほらここデュランダルのサイン。」
それは採取したアスランの肉片からアスランのクローンを製造する事の命令書だった
「あはははは!こんなものどうしたんだい?もしかして俺を脅かすためにわざわざ作ったのかい?」
「そんなことするはず無いじゃない!!」
普段からは想像も出来ない彼女の怒鳴り声に俺は謝ることしか出来なかった。
「私は3年前、私達の前にあの偽者が来た時から確信してた」
「3年前・・・あのアスランが偽者?そんなばかな。彼は本物だろ?それに彼がどうして偽者だと?」
「私は・・・・・本当の彼がどこにいるか知っているもの」
「え・・・」


fin


ガンダムSEED Destiny アスランの逆襲
第二話 Moving Gear

太陽の光が届かぬ漆黒の宇宙。とはいえそんな遠くに来ているわけでもない。
今俺たちがいるのは月の裏。レクイエム跡だ。
「アスランうしろ!」
「わかっている!」
すぐさま回避行動に移る。あと少しでもキラの声が遅ければかすっていたかもしれない。
ビームライフルで撃墜する。
「これで全部か?キラ」
「うん、アスラン。あれで最後だ。」
「全く、どうして今回に限ってあんなところに網が張られていたんだ?」
「わからない。もしかしたらあのメイリンって子になにかあったんじゃないの?」
「それも考えられなくはないが、もしそうなったのであれば全チャンネル対応の非常信号が出るはずだ」
「ということは・・・議長が動き始めた?」
「その可能性が高いな。大方メイリンに何か見られたくないものを見つけられたか、
 あるいは第三者が感付きはじめたか・・・・そんなところだろうな」
そう、俺達はプラント側の協力者に地球側の情報を渡すと同時にプラント側の情報を
手に入れるためにやってきたのだが、途中ザフトの防衛部隊に発見され撃墜しながら月の裏まで
逃げて来たというわけだ。
「どうするのアスラン?」
「しばらくこの辺りに身を隠すとしよう。レクイエムも兵器としては死んでいるが
 基地としてはまだ使える部分が残っているだろうし。1週間後にでも再潜入だ」


「私は・・・・・本当の彼がどこにいるか知っているもの」
「え・・・」
「本当の彼は地球で生きてるのよ!!」
「そんな・・・馬鹿な」
「私はあの時エターナルにいたの。でも誰かに後ろから殴られて意識を失って・・・
 気がついたら地球にいてMSのコックピットの中だったの。その時アスランさんは血を流して
 気を失っていたわ・・・・」
「すぐにオーブに連絡を取って回収してもらったんだけど、その時あの決戦がザフト・・いえ議長の勝利で終結したことを知った。
 そしてアスランさんの身分・名前を偽造して別人としてオーブで治療を始めてもらうことにしたの」
「私は彼が完治する前にプラントに連れ戻されたけど、その後は・・・」
「もういい!!そんな話誰が信じるんだよ!!」
「シン・・・」
「アスランは死んだんだ。今頃そんな話されても・・・俺は・・・俺は・・・クソッ!!」
「分かったわ、シン。信じる信じないはあなたしだいよ。でもあなただってあれを見たでしょ。あの映像、資料。
 そして議長の嘘。全てを見たあなたはどうするの?」
「・・・・・・もういい。少し出かけてくる。」
「そう・・・いってらっしゃい」
「止めないのか?」
「あなたにはこのプラントの現状を見て欲しいの。軍の任務で町の様子なんてほとんど知らないでしょ?」
「・・・・・・」
「それと、気をつけてね。」
「ああ、子どもじゃないんだから大丈夫だよ。」
「そういうことじゃないの、多分この会話も議長が聞いてるはずだから・・・・」
『フッ・・・・・・』
「まさか、そんなことあるわけないだろ。」
「私がシンのそばに置かれたのも監視がしやすいからよ。泳がせやすいしね。」
『流石は元ミネルバの艦橋クルーだな。あの年であそこにいたのは伊達ではないということか。』
「少し基地まで歩いてくるよ」

全く・・・どういうことなんだよメイリンのやつ・・・あークソ頭がこんがらがってきた。
ドン!
「あ、すいません」
「いえいえ、避けられなかったこちらにも責任があるのです。申し訳ありませんでした。」
行っちゃった・・・・丁寧なんだけど目に生気がなかったような・・・
そういえば町がえらく静かだな・・・日曜だってのに。まぁまだ昼前だし仕方ないか。

基地の中は相変わらず。警備兵に身分書を提示し受け付けのお姉さんに軽く会釈して自分のオフィスへ
ほとんど使ってないので場所を忘れそうになるんだけどね。・・・・ん?休憩室から声が?
「あの噂知ってるか?」
「何だよ噂って。」
「ここ最近フリーダムとジャスティスの亡霊が出るって噂だよ。」
「はぁ~?お前そんなの信じてるわけ?」
「でもよ、昨日だって哨戒中の部隊が1つ消えちまったんだぜ?」
「うへ、マジかよ・・・。分かった!俺を怖がらせて俺の任務の邪魔しようって魂胆だなw?」
「ばーか。誰がそんなことするかよ。とりあえず注意はしろよな。」
「わーったわーった。ありがたく承りますよ~あ!!これはシン艦長ご苦労様です」
「今の話詳しく聞かせてくれ。」
「いえ、そんな単なる噂にすぎませんか・・・」
「いいから早く教えろ!!」
「は、はぃぃぃ!!ここ最近哨戒中の部隊が突然消える事件が起こっておりまして
 ぶ、部隊の生き残りはジャスティスを見た、フリーダムを見たとうわごとのように言っておりまして・・」
「フリーダムとジャスティスだ・・と・・・・」


ガンダムSEED Destiny アスランの逆襲
第三話 交わる糸

「騒がしいぞ!何事だ!」
「やめろディアッカ、休憩中の他所の隊の兵にまで怒鳴る奴があるか」
フリーダムとジャスティスのことで頭が一杯だった俺はこの声で現実に引き戻された、
が思考回路は別のことで一杯になってしまった。
目の前にいるのは元アスランと同じクルーゼ隊にいた方々。ヤキンを生き残り4年前の戦いでの
戦果が認められ、エリートコースをとんとん拍子で進み、辺境の防衛艦隊ながら
「白狼13艦隊」と恐れられ軍内での演習戦闘では負けなしの戦績を誇る・・・・
呆けていた俺を促すように兵が声を上げる
「イザーク・ジュール提督、ディアッカ・エルスマン艦長。失礼いたしました!」
「いやいや、楽にしてくれたまえ。休憩中の君たちを捕まえて怒鳴ったこちらの方が悪い」
イザーク・ジュール提督。先の戦いまでは炎のように熱い男と言われていたが
艦隊を守る提督という立場になってからは人当たりのいい温和な方になっている。
「提督はこうおっしゃられているが、基地内の風紀は守るように」
ディアッカ・エルスマン艦長。第13防衛艦隊の旗艦レティシアの艦長であり、イザーク提督の
右腕。数年前までは残念で迂闊な元裏切り者と影で揶揄されていたが艦長就任後は
規律を守る男としてその名を馳せている。
「君は確かシン・アスカ艦長だったね。私服でうろついてるところをみると非番のようだが何かあったのかね?」
「・・・・・・え、あ、はい!あ、いえ!特にこれと言って何かあったと言うわけではありません
 休暇で暇だったものですからたまっているデスクワークの整理にでも、と来ただけであります。ジュール提督」
「仕事熱心な男だね、君も。流石は元アスランの部下だったことはある」
「いえ・・・・」俺の表情が一瞬曇る
「ん?・・・ディアッカ。こいつ等を頼む。私はシン・アスカ艦長と話がある。」
「了解しました。おい!お前等!MS戦の訓練をしてやるからこっちにこい!」
「え~~!!勘弁してくださいよ~」
「エルスマン艦長の腕は容赦なしと言う噂なんですから~」
「うるさい、上官命令だ!黙ってついて来い!!」

「さて、アスランのことで何かあったのかい?」
「・・・・・・実は死んでないかもしれないという・・・」
「なるほど、君はあの子と一緒に生活してるんだったね・・・・
 ここじゃ不味い、場所を変えよう。着替えてくるから少し待ってくれないか?」
「はぁ・・・・」
その場を後にする後姿を見ながらある疑問が浮かぶ。何だこの反応は?イザーク提督は何か知っているのか?

着替えを済ませたイザーク艦長の車でプラント市街が一望できる小高い丘に来ている。
車中無言だったため俺はその空気に押しつぶされそうになっていた・・・
「結論から言おう。アスランは死んでない。」
「提督まで何を!アスランは2年前に病気で死んだじゃないですか」
もうこの事実が偽りであることは俺自身も薄々感づいている。ただ・・・認めたくなかった。
「あれか?あれは議長の作り上げた人形だ。」
(ああ、やっぱり)
「アスランとはスクール時代からの親友だ。当然健康診断の結果も知っている。
 奴はスクール一の健康体として表彰されたほどの男だぞ?この俺を差し置いてな。
 それにアレには一度会ったが記憶がおかしすぎる。世間的にみた記憶しか持ってなかったからな。
 それに最近組織された議長の親衛隊。中身アレなんだろ?」
「どうしてそこまで?」
「蛇の道はへびというかなんというか。メイリン・ホーク君とは知り合いだ。
 そして私はザフトを守るために戦っているが、議長を守るために戦ってはいない。
 この言葉の意味、君ならもう判るだろ?」

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