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稲川淳二が怪談話を始めて、人気が出だした頃の事。 当時のバイト先の仲の良かった早番の女の子が、 「怖い話好きだよね。コレ知ってる?」 と、カセットテープを差し出した。 「稲川淳二のやつだよ。ファミレスに売ってたんだ。 彼氏と車で河原に行って、真っ暗にして聞いたんだけどスゴかったよ。」 何がすごかったのやら...と考えながら、今夜だけの約束でそのテープを借りることにした。 家に帰り、部屋でダビングしようと60分テープを用意。 バイトが午前1時終わりなので、時間はすでに2時近かった。 最初にREC側をスタート、そして再生。 183 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/03/06(火) 23:29 1話目は雪山か何かの話だったと記憶している。 まぁありがちなお話だった。 期待はやっぱり4話目の「生き人形」かなと思いながら、雑誌なんかをパラパラとめくりながら聴いていた。 やがて2話目が始まったが、これがなかなかの雰囲気。 今となっては何の話だったか憶えていないが、それまで聴いたことの無い話だった。 「こりゃ儲けた。けっこう怖いぞ。」 しばらく聴き入っていると、やがて背筋に冷たいものを感じはじめた。 一人部屋で、モニターをビデオに繋いで音はステレオから出す様にしていたので ステレオを使っているとTVなど、他の音を出すことができない。 話はだんだんと佳境に入っていく。 いやな寒気から逃れたくて、思わずステレオのボリュームを絞った。 「どうせ録音してるんだ。明日聴けばイイや。」 ダビングが終るまでには、しばらくかかりそうだったので そのまま風呂へ入ることにした。 184 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/03/06(火) 23:29 風呂からあがって部屋へ。戸を開け、中に入りステレオを覗き込むと、 ものすごく中途半端なテープ残量で両方とも止まっている。 「???」 オートリバースが働いた様子も無く、どちら側もA面のままになっている。 ダビングが終ってるとは思えない。 試しに元テープの方を再生してみると、やはりまだ2話目の途中。 おかしいなと思いながら、録音していた方を少し巻き戻して再生。 話の途中なのに突然プツっと音が無くなっている。 元テープを少し巻き戻してからその部分を聴いてみるが、問題の場面でも止まる様子はない。 「ちぇ、やり直しじゃん。」 一度、両方のテープを全部送って、それから巻き戻してみる。 テープの巻が原因と結論をだした。元テープの巻が悪くて、そちらが止まったので ダブルデッキのシンクロが働いて、録音側も止まったのだろうと。 185 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/03/06(火) 23:30 2度目のダビングをスタートさせた。 自分は部屋を出て、居間に行きTVを付けくだらない深夜番組で笑っていた。 「そろそろかなぁ」 約一時間後、終る頃だと思い部屋に向かった。 音はしていない。良かった、終ったと思ってステレオを覗き込んだ。 テープは止まっていた。さっきと同じぐらいのところで。 元テープを再生してみると、やはり2話目の途中、一回目の時とまったく同じところだった。 録音側も確かめてみるが、同じ所で音がプツっと無くなっている・・・。 だんだんと気味が悪くなってきた。 時計を見ると3時半を過ぎている。 「まいったなぁ、返さなきゃいけないのに。」 元テープを巻き戻しながら、新しいテープを探した。 当時はFMラジオのエアチェックなどもしていたので、テープを買いためてあった。 186 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/03/06(火) 23:35 元テープの止まる所が同じなら、最初から不良品なのかも知れないと思い 音は出さないままで最初から再生してみる。 だいたい頭から20分前後の所で止まっているはずである。 時計と雑誌を交互に眺めながら、時間が過ぎていく。 部屋の中にはテープのヒスノイズだけが響いていて、なんとも奇妙な雰囲気。 15分後、止まる様子は無い。 問題の20分が過ぎ、やがてガチャンという再生ボタンのもどる音でA面が終了した。 元テープには異常は無さそうだ。 先程探し出した、真新しい60分テープを取り出した。 用心のため一度全部、巻送ってから巻き戻した。 準備は出来た。音は出さなきゃいいんだし、部屋に居ることにしよう。 これで最後にしようと3度目のダビングを始めた。 187 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/03/06(火) 23:35 カーテンの隙間から光がもれてきた。 空が明るくなりはじめているのに助けられて、ボリュームをほんの少しだけ上げて、音を出した。 第1話の終りぐらいの所だ。 度胸を決めて、そのまま聴き続けることにする。 やがて2話目が始まった。また背筋に冷たいものを感じる。 話が進んで、その場面が近づいてきた。デッキのカウンターを見るとやはり、20分の表示。 何度も聴いた稲川淳二のそのフレーズが聞こえたところで、 『ガチャン』 テープは止まった・・・。 どうするべきか、しばらく考えた後、 録音側、再生側の両方のボタンを同時に押した。 ボリュームを0に絞って、布団に入った。部屋の電気は付けたままにして。 とにかくダビングだけして、返そう。そう考えた。 今にしてみれば、それが間違いだったのかもしれない。 188 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/03/06(火) 23:38 翌日、バイト先でテープを返す時、 「これ途中で止まったりしたことある?」 と、聞いてみた。彼女は一度しか聴いて無いけど、そんなことは無かったと言っていた。 これから友達に会って、このテープを貸す約束をしていると。 「どう?怖かったでしょ。」 ダビングさせてもらってあって、まだ聴いて無いと伝えた。 すると、他のバイト仲間で聴きたがっているA君に貸してあげて欲しいと言われた。 当分、この元テープは彼女の友達の間を渡り歩くから、と。 その時は自分自身、テープを聴く気にはなれなかったので了解して明日渡す約束をした。 彼女が帰った後、A君に昨晩の出来事を話した。 彼は非常に興味を持ち、途中が切れててもイイから是非貸して欲しいと言った。 A君にテープを渡した翌日はバイトが休みで、行く所も無くて家に居た。 今日は寝ていよう、そう決めていたが、突然バイト先から電話がかかってきた。 「今日、出られないか?」 理由を聞くと、A君の母親が亡くなって、彼が来られなくなったと。 断る程の用事もないのでバイト先に向かった。 数日が過ぎ、A君はバイト先に戻ってきていた。 「すいません。これ、忘れてました。返します。」 その手には例のテープが。その日のうちに聴いたのだけれど、その後のゴタゴタで忘れていたと。 怖かったですよ、などと話をしていたらB君が話に加わってきた。 「俺にも貸してよ」 B君にそのままテープを渡した。しばらくは聴きたく無かったのだ。 189 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/03/06(火) 23:39 今、これを読まれている人は「リング」を思い浮かべていることでしょう。 似てるかな、パクリだネタだと言われそうだ(苦笑)。 でも今から13年前に、ホントにあった出来事です。信じてね。 これを元に小説でも書いてたら・・・、ダメか。文才無いし。 その時はテープを貸したことと、彼の母親が亡くなったことなんかが結びつくわけが無い。 だから何も考えずに、そのテープを別の人に貸してしまった。 B君の家では、テープを聴いた翌日におばあさんがお亡くなりになりました。 その後、テープはどうなったか? 記憶の限りでは、実家のあの自分の部屋のどこかに今もあるはずである。 B君からテープを返された時から、誰にも聴かせないつもりで、どこかにしまったはず。 捨てるのも消すのも怖かったしね、なんとなく。 A君も、B君も自分の意志で聴いたんだし、そんなわけないから。偶然だよ。と 言ってはくれたものの、その時期はちょっと落ち込んでた。 結局、自分じゃ怖くて聴けなかったから。 長ーい駄文、失礼しました。
工事中

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