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*説明と解説 『単純ヘルペスウイルスHF10』についての情報収集を行いましょう。 以下、項目別の収集ポイントを挙げておきます。 ---- -作用機序 -副作用 -第Ⅰ相試験(Phase Ⅰ Study) -第Ⅱ相試験(Phase Ⅱ Study) -第Ⅲ相試験(Phase Ⅲ Study) -第Ⅳ相試験(Phase Ⅳ Study) **作用機序 『HF10』が癌細胞を攻撃する作用機序(仕組み)として以下の3点が考えられます。 +ウイルスの感染に対して癌細胞の防衛手段としてのアポトーシス(細胞の自己死)が起こる。 【解説】 癌細胞に侵入(感染)したウイルスは癌細胞のタンパク質合成装置を働かせることで自己増殖を果たそうとする。一方でウイルスの増殖を阻止したい癌細胞は、タンパク質合成装置がウイルスに利用されまいと自己の遺伝子を切断してアポトーシスを起こし、その結果として癌細胞が死滅する。 +ウイルス注入によって非特異免疫のNK細胞やマクロファージが活性化し癌細胞を攻撃する。 +単純ヘルペスウィルスHF10が癌細胞を死滅させると、それを標的とした特異免疫が作られる。そのため癌が再発しようとしたばあい特異免疫の働きで癌細胞が死滅し、再発が抑制される。 **副作用 「月刊がん・もっといい日」で、単純ヘルペスウィルスHF10が取り上げられてました。それによると、心配されている副作用は、ウイルス感染による正常細胞の傷害とウイルス性脳炎でした。しかし、この点は、成人の90%以上がすでに抗体を持っていることと、単純ヘルペスウィルス1型の増殖を抑える抗ウイルス薬が医療現場ですでに10年以上使用されてきて、治療効果が確認されている、とのことです。この抗ウイルス薬はアシクロビルやガンシクロビルでアイラックス、アクチオス、アクチダス等の薬品名で保険収載されています。つまり、万が一HF10が体内で増殖し始めたとしても、これらの抗ウイルス薬で、予防・治療できるという安全対策が存在している訳です。 この項目、再検討が必要。 **第I相試験(Phase I Study) 第I相試験の目的は大きくわけて2点になります。第一に安全性の確認。第二に第Ⅱ相試験における推奨用量の決定です。単純ヘルペスウイルスHF10の第I相試験は、再発乳癌の皮膚転移症例が完了しており、現在は膵臓癌症例を対象とする試験の経過が観察されています。 さて問題は第I相試験の終了時期です。再発乳癌の皮膚転移症例と膵臓癌症例のみで終わりなのか、あるいは更にべつの症例を対象とする第I相試験が行われるのか。こうした疑問点をしっかり確認する必要があるでしょう。準備中の公開質問状においても最重要質問項目のひとつになるはずです。 **第Ⅱ相試験(Phase Ⅱ Study) 第Ⅱ相試験は探索的臨床試験とも呼ばれます。第I相試験で安全性が確認された用量から段階的に、患者数やその投与期間および投与量を増やしていきます。ここでも次の第Ⅲ相試験における推奨用量の決定が重要なテーマとなります。 第Ⅱ相試験の開始時期も重要な確認事項です。早期開始が確認されればよし、開始が遅れるということであれば、その理由と対応方法を確認しなければならないでしょう。第Ⅰ相試験の終了を待っているだけなら良いのですが、技術的課題を含めてなんらかの障害が存在するのであれば、われわれはそれを取り除くための協力をするべきです。 **第Ⅲ相試験(Phase Ⅲ Study) 第Ⅲ相試験では多数の患者を対象として、じっさいの治療に準じたかたちでの効果および安全性の確認が行われます。実証的臨床試験とも呼ばれます。 **第Ⅳ相試験(Phase Ⅳ Study) 第Ⅳ相試験は市販後臨床試験とも呼ばれます。この項の説明は省略します。 *コメント #comment_num2(size=70,nsize=10,vsize=1,num=50,logpage=説明と解説/コメントログ)
*説明と解説 『単純ヘルペスウイルスHF10』についての情報収集を行いましょう。 以下、項目別の収集ポイントを挙げておきます。 ---- -作用機序 -副作用 -第Ⅰ相試験(Phase Ⅰ Study) -第Ⅱ相試験(Phase Ⅱ Study) -第Ⅲ相試験(Phase Ⅲ Study) -第Ⅳ相試験(Phase Ⅳ Study) **作用機序 『HF10』が癌細胞を攻撃する作用機序(仕組み)として以下の3点が考えられます。 +ウイルスの感染に対して癌細胞の防衛手段としてのアポトーシス(細胞の自己死)が起こる。 【解説】 癌細胞に侵入(感染)したウイルスは癌細胞のタンパク質合成装置を働かせることで自己増殖を果たそうとする。一方でウイルスの増殖を阻止したい癌細胞は、タンパク質合成装置がウイルスに利用されまいと自己の遺伝子を切断してアポトーシスを起こし、その結果として癌細胞が死滅する。 +ウイルス注入によって非特異免疫のNK細胞やマクロファージが活性化し癌細胞を攻撃する。 +単純ヘルペスウィルスHF10が癌細胞を死滅させると、それを標的とした特異免疫が作られる。そのため癌が再発しようとしたばあい特異免疫の働きで癌細胞が死滅し、再発が抑制される。 **副作用 「月刊がん・もっといい日」で、単純ヘルペスウィルスHF10が取り上げられてました。それによると、心配されている副作用は、ウイルス感染による正常細胞の傷害とウイルス性脳炎でした。しかし、この点は、成人の90%以上がすでに抗体を持っていることと、単純ヘルペスウィルス1型の増殖を抑える抗ウイルス薬が医療現場ですでに10年以上使用されてきて、治療効果が確認されている、とのことです。この抗ウイルス薬はアシクロビルやガンシクロビルでアイラックス、アクチオス、アクチダス等の薬品名で保険収載されています。つまり、万が一HF10が体内で増殖し始めたとしても、これらの抗ウイルス薬で、予防・治療できるという安全対策が存在している訳です。 この項目、再検討が必要。 **第I相試験(Phase I Study) 第I相試験の目的は大きくわけて2点になります。第一に安全性の確認。第二に第Ⅱ相試験における推奨用量の決定です。単純ヘルペスウイルスHF10の第I相試験は、再発乳癌の皮膚転移症例が完了しており、現在は膵臓癌症例を対象とする試験の経過が観察されています。 さて問題は第I相試験の終了時期です。再発乳癌の皮膚転移症例と膵臓癌症例のみで終わりなのか、あるいは更にべつの症例を対象とする第I相試験が行われるのか。こうした疑問点をしっかり確認する必要があるでしょう。準備中の公開質問状においても最重要質問項目のひとつになるはずです。 **第Ⅱ相試験(Phase Ⅱ Study) 第Ⅱ相試験は探索的臨床試験とも呼ばれます。第I相試験で安全性が確認された用量から段階的に、患者数やその投与期間および投与量を増やしていきます。ここでも次の第Ⅲ相試験における推奨用量の決定が重要なテーマとなります。 **第Ⅲ相試験(Phase Ⅲ Study) 第Ⅲ相試験では多数の患者を対象として、じっさいの治療に準じたかたちでの効果および安全性の確認が行われます。実証的臨床試験とも呼ばれます。 **第Ⅳ相試験(Phase Ⅳ Study) 第Ⅳ相試験は市販後臨床試験とも呼ばれます。この項の説明は省略します。 *コメント #comment_num2(size=70,nsize=10,vsize=1,num=50,logpage=説明と解説/コメントログ)

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