『最後のパレード』問題:著者・中村克の言い分(~2009年6月)

以下、『最後のパレード』著作権侵害問題に関する中村克(著者)の言い分が理解できる資料を、主として株式会社外部の専門家のブログの記事をピックアップする形で掲載する(それ以外の記事・資料についてはタイトルの前に掲載媒体を示した)。タイトルが太字になっているのは、中村の言い分がある程度の長文で述べられているため、一部引用では趣旨を的確に伝えるのが困難な記事を指す。なお、『最後のパレード』著作権侵害問題とは直接関係ないが、中村の人間性を理解する上で有用な記事も一部含めた。
【追記】株式会社外部の専門家のブログは、2010年3月29日、何の説明もなく閉鎖された(させられた)。以下に掲載したほとんどの記事については魚拓がとってあるため、ウェブ魚拓で確認されたい。

サンクチュアリ出版様へ
基本的には「善意には善意で応える」「悪意には毅然たる態度で臨む」ことがベストであると考えます。
世の中にはディズニーランド成功へのやっかみから、ディズニーを批判する者が五万といます。
そのような輩からの、攻撃の唯一の糸口が「エピソードの版権問題」です。
私は、ディズニー出身者として、またこの本の著者として、ディズニーランドに体験談をお送りくださった本人に対しては、誠意を持って感謝の念を伝えていく所存です。
反対に、この本によって何らかの損害が生じたと訴えられる方がいらっしゃった場合にも、誠意を持って賠償を行っていく所存です。
目先の「小さな出来事」にとらわれず、私たちが社会に大きく貢献している事実を見つめていきたいと私は考えます。
(鶴巻社長はすでに実売数7万冊を超えたようだとおっしゃっていましたが、これだけでも400万円以上の消費税を生み出しているのです。)
さて、ひな形の一例を考えてみました。

悪意とも悪意でもないとも受け取れるメールに対して
○○様
この度は弊社へお問い合わせいただき誠にありがとうございます。
また、貴重なご意見を賜りましたことに深く感謝いたします。
お問い合わせの件に関しましては、「最後のパレード」の最終ページ?に記しましたように、それぞれのエピソードは、東京ディズニーランド関連資料、東京ディズニーランド元関係者の談話、東京ディズニーランドのファンサイトの情報などを基に再現したものです。
弊社は、貴重な体験談をディズニーランドに送ってくださったご本人様に対して、感謝の念を表したい気持ちで一杯です。
もし、○○様がご本人様をご存知でしたらぜひお知らせください。弊社が誠意を持って対応させていただきます。
おかげさまで「最後のパレード」は、大好評をいただいており、弊社には「素敵な本をありがとう」「人生の宝物にします」という内容の感想のほかに、「我が家も同じような体験をしました」というエピソードなども数多く寄せられています。
また、株式会社オリエンタルランドの元副社長、上澤昇氏からは次のような書評をいただいております。
〔中略〕
著者の中村克氏も今後、雑誌や新聞などを通じ、この本が誕生した経緯についても語っていきたい、と述べられています。
「最後のパレード」出版の趣旨をご賢察の上、何卒ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら○○様のご健勝を心より祈念いたします。
<終了>

それでも、ネタ元はどこかという問い合わせには
○○様
多くの関係者の談話やサイトに掲載されているエピソードの多くは重複しています。
弊社は個々のエピソードの取材先を明らかにする予定はありません。
諸事情をご賢察の上、ご理解下さいますよう重ねてお願い申し上げます。
<終了>
 著者の中村氏は、読売新聞に載った作品がほぼそのまま収録されていることについて、「ネットなどいろいろなところから題材を仕入れたと本にも書いてある」と釈明。「15年間現場にいたから、こういう話はいくらでも聞いている。決してうそではない」とする一方、「全部本当かどうかは分からない」とも話している。
 本の作者の中村克さんは、日本テレビの取材に対し、「決して悪意をもって書いた本ではない。イメージの悪化を懸念している。断固として戦う」と話している。
 著者の中村克氏は23日までに産経新聞社の電話取材に応じ、ネットからの引用を認めながら「盗用といわれるのは心外だ」と述べた。
〔中略〕
 サンクチュアリ・パブリッシングは、出版の経緯について「調査中」としているが、中村氏によると、エピソードは出版社側とともに昨年4月から1年をかけて、ネット情報などから集めたという。どれほどがネットの情報なのかという質問に、中村氏は「分からなくて困っている」と答えた。
 内容の一部が著作権法に触れているとの指摘に対しては「(著作権法違反だと)知らないでやったことで、盗んだのではない。ただ(参考にした話に)著作権者がいる可能性は分かっていた。特定された場合には誠心誠意、対応しようと決めていた」と釈明し、「ごめんなさい」と謝罪した。
 中村氏は「世の中の人が知りたいことを書いただけ。絶対に売れると思っていた」とも話し、収録したエピソードが実話かどうかという問いには「正直よく分からない」と言葉を濁した。
脇が甘いところもありましたが、私はこの度の想定していた著作権に関する問題も、事後に誠意ある対応を示すことにより理解していただけると信じていました。(法律上、著作権者から事後承諾を頂ければ問題ありません)
私は以前にPHP研究所から出版依頼を受けました。しかしながら、PHP研究所が私の意向に反し、オリエンタルランドに出版許可を申請したところ、案の定許可されず、出版には至りませんでした。
〔中略〕
確かに私は「無断で」心温まる話を掲載する選択をしました。
ディズニーでは「サービスの復旧」と言いますが、この程度の公約違反・・・もとい、ルール違反は、イエローカードは受けても、即刻退場にはならないと判断したからです。
さて、〔毎日新聞は〕著作権者の元ディズニーキャストの「思い出が汚されたようで悲しい」とのコメントを掲載しています。キャストはチームプレイでゲストをハッピーにしようと協力し合っています。
「思い出」を独り占めすることは許されません。特に、このエピソードには「メイク・ア・ウィッシュ」が関わっています。著作権者の元キャストには誤解を受けないよう慎重な発言を望みます。
この元キャストの方とは数日前に、池袋のホテルで面会しましたので、その時の事実を書かせていただきます。
某NPO代表のお母様と来られました。予期していませんのでビックリしました。面談は3時間程度であったと記憶しています。テープレコーダーが回る中、著作権者として「難病の少女との交流のエピソード」が掲載されたことで、その少女を傷つけることになるのでは・・・とお母様は繰り返されていました。〔引用者注/下線部は当初の記事から削除された部分〕
〔中略〕
サンクチュアリ出版の鶴巻社長と私で、十分に誠意を示したつもりですが、誠意が伝わらなく、快く著作権の事後承認を得られなかったのが残念でたまりません。
サンクチュアリ出版が公式見解を出していますが、決して「盗用」ではありません。他のエピソード同様に、ネット上で数多く公開されているものを利用しました。
つまり、こういうことです。社団法人「小さな親切」運動本部様が著作権を有する寄稿文(読売新聞に掲載されたエピソード)を、読者が無断で(著作権を侵害して)ネット上に掲載したものを私たちが見つけ本で再現したということです。
別な言い方をすると、著作権を有するオリジナルを誰かが無断でコピーしたものを利用したということです。当然、私たちは著作権を有するオリジナルがあることなど知りませんでした。他の多くのエピソード同様、ディズニーランドに寄せられた寄稿文であると判断していました。
「最後のパレード」関係者は、30日に日本ユニセフ協会に初版本分(47,000冊)の売り上げの3%に当たる1,776,600円を寄付できたと発表しました。 「最後のパレード」の著者は、「多くの方がこの本を購入していただいた結果であり、読者に感謝したい。この本により、たくさんの子供たちの命が救われることを祈ります。」と話しています。
〔中略〕
※ このニュース記事の無断引用、掲載を固く禁じます。
前著「すべてのゲストがVIP」の発刊時には、こんな騒ぎにはなりませんでした。オリエンタルランドからも「謹むように(慎重に事をなすという意味)」という文書もいただきませんでした。(今後はディズニーランドに関する本は決して執筆しません。)
「オウム一行が来る、対応は中村SVに任せる」
この在籍者だけが知り得るエピソードを掲載したことに対しても何のおとがめもありませんでしたし、ディズニーランドの元同寮から「運営本部の本棚にある」と知らされ、とても喜んだ経緯があります。
「地球温暖化防止東村山宣言」などの請願でお世話になった東村山市議の方(FM局を運営しているため、著作権に関しては極めて詳しい方です。)が、この問題を解析してくださいました。
〔引用者注/以下、東村山市民新聞「真相究明」シリーズ1・2の転載 〕
私がこの本で伝えたかったことは思いやりの気持ちの大切さです。
http://gpscompany.blogdehp.ne.jp/article/13444273.html
ですから、エピソードの選定は思いやりの気持ちを育むものを中心に選びました。サンクチュアリ出版様と当社で長きに渡って集めたエピソードに私はすべて目を通し、信用できるエピソードであるのかを、一つ一つ丁寧に検証しました。
〔中略〕
ここまで記してきたように、この本は、私が直接知っているエピソード、ディズニーランド時代の友人等から聞いたエピソード、そして、インターネット上のサイトで見つけたエピソードなどを紹介し、読者に「なるほど、そういうことだったのか」と分かってもらえるよう、個々のエピソード後に「スーパーバイザーとしての私の解説」を加えたたものです。
科学の「科」とは、本来「分ける」という意味です。分けて考えると真実が分かります。
誰かが、善意でしたためてくださった個々のエピソードと、私が責任をもって書いたコメントを分けて考えれば、私が盗作と疑われているエピソードを創作した人間(盗作者)ではないこと、つまり、この事件の真実を、読売新聞新聞の記者や読者の方に、容易に理解していただけるものと確信しています。
オリエンタルランド(以下OLC)が刊行した著作物についての著作権問題も取り上げられています。
この問題がなぜ起こったのかについて説明します。この刊行物はTDL25周年の記録としてつくられたようです。ゲストレターやキャストの投稿文が掲載されているそうですが、詳しいことはよく分かりません。
なぜならば、私は全く読んでいないからです。今後も読む気はありません。(なぜなのかは後術します。)
この問題は、盗作疑惑とは違います。著作権上の手続きの問題であるのです。この問題が表面化した後、サンクチュアリ出版の鶴巻社長は、OLCに対し誠意ある対応をしていくとおっしゃっていました。 私も同様です。
それだけのことであり、「最後のパレード」の回収とは全く関係ないと私は判断しています。
〔中略〕
「最後のパレード」のエピソードに関する著作権の問題も、TDLの理念に基づく判断であれば事後承諾いただけるに違いありません。
読売新聞が報じている「最後のパレード」の記事は、事前の取材は行われずに書かれた捏造記事であることが3日判明した。
これは、著作権法に詳しい東村山市議による、14,000字を超える調査レポートで明らかになったもので、盗用疑惑は完全に払しょくされ、反対に読売新聞の業務上の瑕疵を問題にしている。
市議の同レポートは今後も続き、社会的問題になっている「匿名ネット族による誹謗中傷問題」にも踏み込んでいくようである。
〔以下、東村山市民新聞「真相究明」シリーズ5の引用〕
「窃盗(万引き)確定要件」
(1)盗ろうとする商品がそこにあることを現認
(2)(窃盗犯が)その商品を手に取ったことを現認
(3)(窃盗犯が)その商品を捨てたり、棚に戻したりせず、バックやポケットに入れたことを現認
(4)(窃盗犯が)料金を支払わずに店外に退出した瞬間に、その場で窃盗犯をとりお さえることで「窃盗の現行犯」であることが確定する。
つまり、「店外で手に持っていた」「目撃した」では、要件が確定していないのです。
私が書籍に掲載した(手に持っていた)だけでは、決して窃盗を立証できません。私は読売新聞の報道が捏造記事である決定的証拠を有していますが、読売新聞がそのことに対しどのように説明責任を果たすのか・・・聞いてみたいです。
一部書店では、店頭からこの本が消えたそうです。悲しすぎます。あまりにも心ないと言わざるを得ません。
「最後のパレード」の著者や出版社をバッシングしている人たちに告げたいと思います。
「小異を捨てて大同に就く」という言葉もあります。小さな法律解釈行為はやめて、憲法前文の精神に則った大きな判断をしてほしい、そう願ってやみません。
 同社〔サンクチュアリ出版〕によると、東京ディズニーランドを運営する「オリエンタルランド」(OLC)での勤務経験をもとに講演活動などをしていた中村氏に対し、同社側が出版を依頼。その後、出版の1年ほど前に、中村氏が「ディズニーランドであった話」として、プリントアウトした200以上のエピソードを持ち込み、同社の編集者がネット上から集めたディズニーランドに関するエピソードも合わせ、中村氏が33の話を選んだという。同社は、中村氏がこの時、「(33の話は)自分が見聞きしたことだから著作権上の問題は大丈夫」と話した、と説明している。
 社内調査では、このうち「あひるさん、ありがとう」以外に、6話がOLCの社内教育用文集と酷似していたとしている。しかし残りは原典が不明としており、著作権の帰属先はあいまいなままだ。
〔中略〕
 一方、OLCは4月上旬、著作権侵害を指摘する配達証明を中村氏に送っているが、現時点でも回答がないという。「小さな親切」運動本部も「中村氏に謝罪を求める気持ちに変わりはない」とする。中村氏は読売新聞の取材にも応じていない。
私は、近いうちに一冊の本を出版する。読売新聞の捏造記事は以前から私を「敵」としている東村山のネット族から、読売の記者が「ガセネタ」をつかまされた「疑惑」に起因する。その一部始終を本に記す。
明日は、そのことについて書くが、読売新聞は大変なことになるに違いない。
読売の記者がつかまされた「ガセネタ」による捏造記事の被害は甚大だ。5月11日の振込通知を受けていたにもかかわらず出版社から印税が振り込まれることはなかった。「良心のかたまり」のような出版社であるだけに、何者かにコントロールされている可能性が高いと言える。
〔中略〕
東村山駅西口再開発問題、東村山市長選、元毎日新聞記者の経歴詐称問題などで私に論破され敗れ去ったほんの一握りの「市議の取り巻きのネット族」が、何とか私を失脚させようという思惑で読売に近づいて行った。
疑ってみる能力に欠ける読売記者は、まんまとひっかかり、ネット族により捏造された私の過去の活動情報、つまり「ガセネタ」を根拠に「盗用疑惑」記事を書いた。これが真相だろう。
論談読者の方々は既に気付いているに違いない。論談と2ちゃんねるの違いも分からない東村山のネット族が、私の投稿に異常に反応しているということを。
この事実が回収騒ぎに発展した「最後のパレード」事件のすべてであると言い切っても過言ではない。愚かな読売はこのネット族の正体も知らずに、彼らから私に関するガセネタをつかまされた。私はそれが原点であると確信している。
読売は何の根拠もなく、私が読売新聞に掲載された記事を盗んだ疑惑があると全国の読者に印象づけた。
その結果、「最後のパレード」は店頭から消え、私も振り込み通知を受け取っていた印税(涙して読んでくださった読者一人ひとりから頂戴した「ご褒美」と考えている)も振り込まれないという実害に苦しんでいる。
足利事件は「白いものを黒」と捏造された冤罪事件でした。「最後のパレード」事件は「純白のものを黒に近いグレー」と印象づけられた読売による捏造報道事件だったのです。
〔中略〕
私も菅家氏同様に「絶対に許さない!」覚悟で読売と戦っていきたいと考えています。
私は、政治家や有識者も読んでいるという「論談」や書籍で盗用疑惑に関する説明責任を果たし、次に、読売に「最後のパレード」が店頭から消え、私に印税も支払われなくなったこの捏造報道の説明責任を果たすよう求めていきます。
そして、時間はかかっても今回の「最後のパレード」事件の全容を明らかにしていきたいと思います。それは、記号論や大衆洗脳論につながっていきます。そして、私は出版や東京都議会などへの請願を経て、最終的には「マスメディアによる大衆洗脳や印象操作を防止する(したくてもできなくなる)法案」を、党派を超えて立法府へ提出できるよう動いていきたいと考えています。
「最後のパレード」初版分(47,000冊)の売り上げの3%の1,776,600円を日本ユニセフ協会に寄付できた。この本が世界中のどれだけの子供たちの命を救えたのかを考えると、ユニセフに寄付することが明記されているこの本を「盗用」として評判を貶めた読売の社会的責任は、あまりにも重いと断じざるを得ない。
なぜ、読売はこのような冷酷非情な行為に及ぶのか。今日はその理由を明らかにしたい。
<読売新聞への質問内容>
表題の件、下記の通り質問する。

1、質問理由
貴紙が4月20日に報道した「最後のパレード」の盗用疑惑記事により、以下の被害が発生しているため。
(省略)
2、質問内容
貴紙の記者は、日曜日の夜に著者と出版社社長の自宅を訪問し、形だけの取材をした。なぜ、平日の営業日に会社を訪問し、十分な取材活動をしなかったのか。
3、回答期限
当書面到着後7日以内とする。




2010年1月7日:ページ作成。その後、論談TVの記事を追加。また、分量調整の意味もあり、7月分の記事を(2)に移動。
2010年4月1日:頭書きに、外部の専門家閉鎖にともなう注意書きを追加。
最終更新:2010年01月07日 11:24