3.5. セッティングの微調整
アウトリガーカヌーは海のコンディションや乗り手に合せ、色々とセッティングを調整することが可能です。
''イアコの長さ''
左側に張り出しているイアコ(腕木)の長さを変えることで、アマとカヌー本体の間隔を調整します。通常は前のイアコを後ろより10cm程度短めにセットし、アマとカヌー本体がハの字型になるようにします。
イアコを長くすればアマの重心がより外側に移動して安定性が高まります。ただし、ステアの利きが悪くなったり、横からのウネリでカヌーが大きく揺れるなどのマイナス面もあります。
イアコを短くすると、直進性や操舵性が良くなり、ウネリの影響も少なくなりますので、上級者がパドリングする場合やレースでの使用に適しています。イアコには湾曲があるので、大幅に短くセッティングするときはアマの高さを調節するため、イアコとスプレッダーの間に木片などのクサビを入れる必要があります。
''イアコの角度''
イアコとスプレッダーの間にクサビを入れることで、アマの高さを調整します。アマを上げるにはカヌーの左側にクサビを入れ(アマが左にある場合)、下げるには右側にクサビを入れます。
アマを高くするとカヌー全体がアマ側へ傾き、重心もアマよりになって安定性は高まります。特に乗り手の体重が重い場合は、カヌー本体が沈み込みアマと反対側に傾きがちとなるので、この調整が有効です。逆に乗り手が軽い場合はアマを低くすることで、必要以上にアマ側へカヌーが傾くのを防ぎます。
前後のイアコの角度を別々に調整することで、アマの性能も調整できます。例えば、海が荒れている時は、アマの前側を高くすれば、アマの接水面積を減らし、アマが波をかぶって沈むのを防ぐことができるのです。
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最終更新:2007年12月09日 22:18