1.3.アウトリガーカヌーの構造

1.3.アウトリガーカヌーの構造

 アウトリガーカヌーは大きく分け3つの部品で構成されます。人が乗り込む本体、本体の横に張り出した腕木、そして腕木の先に取り付けられた浮。
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 本体はF1レーシングカーのようにスリムで、大人一人がやっと座れる程度の細さです。この細さのため抵抗が極めて少なく、パドリングによって効率よく進むことができるほか、保針性も高く、波の影響も受けにくいという優れた構造といえます。最近は建造やメンテナンスが楽なFRP(ガラス繊維強化プラスティック)といった新素材を用いたカヌーが一般的ですが、かつては山から切り出した大木をくりぬいて造られていました。木から削り出されたカヌーは重心が低く頑丈で、一旦走り出すと波の影響も受けずに走り続けることができるのです。

 腕木は通常、本体の左側へ張り出すように取り付けられます。形状や本数はエリアによって様々なタイプがありますが、一般的なアウトリガーカヌーでは前後2本の腕木が取り付けられます。腕木はロープによって本体に結び付けられており、海のコンディションやカヌーの用途によって自由な調整が可能です。最近は腕木も本体と同じくカーボンやケブラーといった新素材で作られることが増えてきましたが、多くのカヌーは今でもシナリがあり耐久性も高い木製の腕木を用いています。

 腕木の先にはバランスを取るための浮が取り付けられます。実際には浮としての役目と同時に重りとしての役目もあるため、ここからは本来の呼称「アマ」を用いることとします。アマは本体と比較し、細く短く出来ています。そして左舷側へ張り出して取り付けられることで、左舷への転覆を防ぐ働きがあります。また、本体よりも小さいため、左舷へ体重を掛けることでウネリなどでアマが跳ね上がってしまうのも防ぐことが出来ます。同時にある程度の重量を持たせることで、重りとして右舷方向への転覆も予防可能。両サイドにアマを取り付ける必要がないのは、このためなのです。


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最終更新:2007年12月09日 22:29
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