概要
『ソード・ワールド2.0』(以下、SW2.0)とは、2008年4月に発売されたグループSNE制作のテーブルトークRPG。書店流通のため入手しやすく、特殊な道具を使わないため、他作品に比べプレイを始めるのが容易である。
以前に富士見書房から発売された国産テーブルトークRPGの雄『ソード・ワールドRPG』(以下、SW1st)の正統後継者になるが、背景世界やゲームシステムは大幅に変更されている。
以前に富士見書房から発売された国産テーブルトークRPGの雄『ソード・ワールドRPG』(以下、SW1st)の正統後継者になるが、背景世界やゲームシステムは大幅に変更されている。
ゲームの世界
世界設定「ラクシア」
3本の剣が創りし世界、ラクシア。3本の剣は人間を、敵対する蛮族(バルバロス)を、魔法の源である"マナ"を作りました。
しかし約300年前に世界は、蛮族による世界的な攻勢<大破局(ディアボリック・トライアンフ)>によって、大きく破壊されました。ですが英雄たちの活躍によって蛮族の王は敗れ、大侵攻は終結を迎えます。
<大破局>の影響はすさまじく、文明は大きく後退しました。人々は小さいながら国を興し細々と交易などをしています。辺境などには、蛮族や怪物が闊歩する危険な領域も残っています。
プレイヤーは大胆にも危険に挑戦する冒険者となり、ラクシアで物語を紡いでいきます。
しかし約300年前に世界は、蛮族による世界的な攻勢<大破局(ディアボリック・トライアンフ)>によって、大きく破壊されました。ですが英雄たちの活躍によって蛮族の王は敗れ、大侵攻は終結を迎えます。
<大破局>の影響はすさまじく、文明は大きく後退しました。人々は小さいながら国を興し細々と交易などをしています。辺境などには、蛮族や怪物が闊歩する危険な領域も残っています。
プレイヤーは大胆にも危険に挑戦する冒険者となり、ラクシアで物語を紡いでいきます。
システム
ゲームの基幹システムはSW1stのものを継承。
- ほぼすべての判定(ダイスロール)に2d(六面体サイコロ2個)を用いる点は同様
- 技能を、職能に必要な技術(行為判定)の組み合せとして表現するクラススキル性も継承
- 技能に含まれる技術であれば、「技能レベル+能力値ボーナス+2d≧目標値」で成功という点も同様
ただし「受動側優先の法則」が導入されるなど、変化した所もある
SW1stとの違い
- NPC側のダメージは、"2d+修正値"で表現される。
(知る人がみれば、NPC側のダメージが"威力20(CT13)+2"+修正値で統一されたことが理解できるだろう) - 経験値テーブルが2系統に整理された。
(SW1stは4系統。全体的にレベルアップしやすくなった) - 能力値がセッション終了ごとにランダム成長するようになった。
- HP・MP制が導入された。
(より正確に言うと、冒険者レベルでのダメージ減少やルーンマスターレベルによる消費減少に代わり、HP・MPが上昇する形式) - 鎧によるダメージ減少が固定値になった。
(攻撃を受ける度に、レーティング表を参照する必要がなくなった) - 戦闘特技が導入された。
(SW1stで誰でもとれた行動に特技が必要になった反面、SW1stの時よりも個々の性能が向上した) - 戦闘ルールが変更された。
(SW1stのSEコンバットに近い新システムと、乱戦という概念が導入された)
ソードワールド2.0は、SW1stと同じ2D6システムを採用しているが、ゲーム性は大きく異なる。
- SW1stは、(ブレることがあったが)「ボーナス(プラス修正)は累積しない方向。ペナルティ(マイナス修正)は累積する方向」でバランス取りされていた。
また、PLのサイコロの出目が極端に悪かったり、GMのサイコロの出目が良すぎる場合のフォローも乏しかった。
つまり、サイコロの出目が、直接物語を左右するというストイックな(悪い意味では、運次第の)ゲームであったと言える。
SW2.0は、「ボーナスもペナルティも累積する方向」でバランス取りされている。(2010.11.30現在)
また、出目の悪さをフォローする手段も豊富である。
このため、サイコロの出目そのものより、準備や対応能力、判断能力が重視されるゲームとなっている。
(SW1stと同じ感覚でSW2.0のGMをやると、PLの反応や、後の公式裁定(Q&A)に泣かされることがある。SW1st経験の多いストイックなGMほど注意が必要である)
「ソード・ワールド2.0」の歴史
JGC2007年(9月)の『ソード・ワールド・トークショー』にて開発中であることが公表され、翌月のグループSNE20周年記念コンベンション(10月28日)にて、パイロット版を用いた最初の公式セッションが行われました。
(パイロット版では、乱戦ルールは導入されず「前衛1人が2人まで足止めできる」というルールが採用されていました)
(パイロット版では、乱戦ルールは導入されず「前衛1人が2人まで足止めできる」というルールが採用されていました)
SW2.0は、文庫本3分冊になることが、当初から発表されていました。
- ルールブック1の公式発売日は、平成20年4月19日(奥付:平成20年4月25日)
- ルールブック2の公式発売日は、平成20年6月20日(奥付:平成20年6月25日)
- ルールブック3の公式発売日は、平成20年8月19日(奥付:平成20年8月25日)
(そして当時のSNE作品としては非常に珍しいことに、この約束は守られました)
なお、平成20年4月は、SW1stの発売日(平成元年4月1日。奥付:平成元年4月10日)から20年の節目の年でした。