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グレッグ・イーガン

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zgok0079

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祈りの海

437 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/11/23 00:59
イーガン「祈りの海」ハヤカワ

おもしれえ。おもしれえよこれ。
これ1冊じゃ作家の資質なのかハヤカワの意図的な編集なのか分からんが、
アイディアはいっぱいあるのに、肝心のお話がどうもみんなおんなじテイストだ。
一人称単視点の夫婦関係の問題みたいのばっか。減点。
主人公がちとテーマを語りすぎ。だっせえ。また減点。
つうわけで合計8点。
でもそんなことどうでもいいぐらいおもしれえ。

601 名前: でへ 02/12/31 17:20
祈りの海 グレッグ・イーガン ハヤカワSF

短編集です

イーガンってすごいですね。良いアイデアを持っていて、
それを十分生かした話を書ける人です。筆力があるので
しょうね。
話が深いです、読後に余韻が残り、考えさせられる話が
多いです。
なかでも表題作が一番でしょうか。長編化を希望
9点(再読したら10点になるかも)

612 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/01/05 13:13
「無限の暗殺者」(『祈りの海』所収)/グレッグ・イーガン

イーガン読むのはこれで三作目なんだが(他に読んだのは「宇宙消失」と
「ルミナス」)……なんか、なんか苦手だ、この作家。
面白いアイデア持ってるのに、なんですぐに引っ込めちゃうんだろう。宇宙
消失も、ようやくヘンなものが色々出てきたなと思ったところで終わっちゃっ
たし。もっと世界がぐちゃぐちゃになる様子を描写して欲しかった。
世界を改変出来るガジェットが出てきても結局個人の問題に着地するあたり、
大変現代的な作家と言えるのかもしれないが……。

3点。


746 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/04/19 18:27
イーガン「祈りの海」ハヤカワ文庫
何でこうまで自己同一性にこだわるのだろう。私が私であることを思い知らされてきた身には、このひたむきさが眩しすぎる。
確かにSFとして面白く、文体も明るく読みやすいのは認めるが、読み進む内に段々結末が予想できるようになってきて意外性が少なくなった。
この中で好きなのは「百光年ダイアリー」「無限の暗殺者」
イーガンよ、どうせならもっと屈折してくれ。全体で8点


162 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/08/13(土) 21:03:30
「祈りの海」グレッグ・イーガン 7点

広く浅くをモットーに意図的に同じ作者のものを避けてSF読んでるんだけど
なんとなくイーガンは現代風で読みやすいのでつい買ってしまう。

内容は同作者の短編集のしあわせの理由に比べて現代より(これは技術・年代的にといった意味だけでなく)
な話題に集中して、さらに後味がイマイチすっきりしない話ばかりで少し気分が重くなった。
イーガンは現代版クラークみたいなやや楽観主義かと思ってたら結構黒いんだな

宇宙消失

464 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/11/27 00:39
イーガン「宇宙消失」創元

期待にたがわずおもしれえ。
しかし「収縮阻害」「固有状態選択」がまったく説明なしなのはイタイ。
選択以前の拡散中の自己は収縮後の語り手にとってはただの非実在の可能性になってしまうから
ってんだけど、やっぱ読んでてちとしらけてしまう。
量子力学ってのは真面目な解説書読んでも十分狂ってるから、屋上屋を重ねた感じは拭えない。
ちょっとサービスして8点。

158 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2008/05/20(火) 00:06:14
"宇宙消失" グレッグ・イーガン

イーガンを読む。これは俺にとってドキドキ魔女裁判と同じくらいドキドキすることであった。
読む前はさぞかし読みにくいだろうと思っていたのだ。だってハードSFだし俺は頭が悪いんだぜ。
しかしイーガンは世評高く、避けては通れない道だと判断し心を決めて手を出すことにした。

メインのアイディアには「良く考えたなこういうの」と感心したけど、同時にもっと小説が上手い
作家が書けばとんでもない傑作になったんじゃないかとも思う。
例えばさぁ、主人公の妻との想い出とか、何かこう、もうちょっと切なさ出してもいいんじゃないの?
ちょっとの工夫で感情移入できるのに。とか。
何か見当違いなこと書いてますか私。

まぁ、ふんだんに投入されたガジェット、(尻つぼみ感は拭えないものの)ラストのぐちょぐちょの展開に
興奮したことは事実だし、「何かすごいものを読んだ」という、「何かすごい感」を感じたことも事実。
この「何かすごい感」は並みの作家には出せないので、やはりイーガンは並みの作家ではないのであろう。
それだけでも読んだ価値はあったかな。

8点。

しあわせの理由

名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/09/14 19:05
「しあわせの理由」グレッグ・イーガン
まだ表題作しか読んでないんだが、素晴らしすぎる。
宇宙消失、順列都市、祈りの海収録短編と、どれもよく考えてあるし面白いんだけど、どうも
突き抜け感が足りなくて「なんかイマイチだなあ」と思ってたんだが、これはいい。
小説読んで泣いたのはこれで3度目だ。

10点。

216 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/09/29 21:37
イーガン「しあわせの理由」(ハヤカワ文庫)

「祈りの海」にいいのを集め過ぎたせいか、前のよりはちょっと
落ちるかなあ。
SFの平均レベルは上回ってると思うけど。
まあ好みの問題もある。特に前半の方はいまいち。
後半はさすがに傑作が多い。
「チェルノブイリの聖母」は、イーガンの社会派方面のセンスが
出た傑作だと思う。
「ボーダーガード」も、ちょっと難しいけど、凄いと思う。
「血をわけた姉妹」「しあわせの理由」はもちろん
傑作なのだけれど、なぜこれを最後にもって来るのかなあ。
どっちもアンソロジーに既収録。
大抵の読者は両方読んでいるだろうから、「ボーダーガード」までで、
本書の印象は決まってしまうだろう。
あと、「しあわせの理由」も、確かに傑作だけど、90年代のベストの
一つとまでいわれると、それほどでもないかなあ、という感じ。
こんなこというと、お前は分かってないといわれそうだけど、
いかにもイーガン節な感じが、ちょっと鼻につく感じがする。

というわけで前半が今一なのと、作品の配列が不満。

個人的な採点は 7点 ぐらいです。

351 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2007/01/03(水) 23:01:23
「しあわせの理由」 グレッグ・イーガン

「ひとりっ子」未読なので、こっちを読み返してみた。
が…どうも駄目です。文系だからか?
「適切な愛」 素晴しい洞察力ですね。理性の勝利だ。おめでとう。
「闇の中へ」 これだけは普通に面白かった。異様な空間の感覚を味わえた。
「愛撫」 金持ちのやることはわからん!それが当たり前。
「道徳的ウイルス学者」 惜しい。オチが滑った。
「移相夢」 ラヴクラフトの方が怖いw。
「チェルノブイリの聖母」 イワシの頭も信心ですから。お好きなように。
「ボーダー・ガード」 量子サッカーと宝石、どっちかで一本書けばよかった。
「血をわけた姉妹」 かえって理系の人のほうがこういう変な考え(双子のことね)に取り憑かれてるような?
「しあわせの理由」 「スキズマトリックス」を読んだ後では…。何でも好きに調節すればいいじゃん、としか思えないorz

と言うわけで3点。

順列都市

422 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/11/17 00:12
「順列都市」イーガン
なんだか難しくって、普通の本読むのの時間が倍かかった。
「こんな本読んでるなんて自分っておりこうさん」っていう気分になれた。

でも、読んでいるとなんだか悲しい気分になるのは、登場人物たちが、
みんな自分の目的を達成してるのにそれでも幸せになれてないからなのか。
それとも、本能的に順列都市が怖いからなのか。

もっとこういうの読みたいなー。
イーガン以外で何かお勧めないっすかね?

8.5点

889 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/05/20 23:06
「順列都市」イーガン ハヤカワ文庫
酔っ払いながら、電車の中で読了。
面白かったよ。「幸せの理由」「祈りの海」「宇宙消失」と読んできて一番いい。最初はコピーとかまた得意のアイデンティティものかと思ったが後半は人間原理のせめぎ合いだな。
「宇宙消失」でもそんな感じを受けたけど順列都市の方がはっきりしている。
コンピューターの中の生命はレムなんかでもアイデアはあったと思うが、イーガンはやはり只者ではないな。最後は自己の存在をより強く信じられるものが残る。
そこにはイーガンの当初?の自分が自分であることのこだわりよりも進んだ姿勢が見られる。
これなら次回作に期待がもてる。万物理論だっけ、より人間原理を追求するのか、もっと違った世界を見せてくれるのか期待が大。
とりあえず順列都市に9点

87 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/07/17 00:37
『順列都市』グレッグ・イーガン
面白い。凄いネタだ。
……だけどさあ、なんかさあ、毎度毎度、議論が細かすぎるんだよなあ。で、いざその理論を
実践する段階になると結構さっさと終わってしまうという。
個人的には、読者に妄想の余地を多く残すくらい議論は簡潔にして、そこから世界がどうぐちゃ
ぐちゃになっていくのかを多めに描いて欲しいんだけど。
9点

666 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/07/11 04:03
グレッグ・イーガン『順列都市』
後半あっさり流された気がする。登場人物の処理のしかたにも不満が。
広がったそれぞれのストーリーが最後にぐわっと収束していくもんだと思っていたんだがなあ。
まとまった一つの話って感じがしない。めくるめく世界観は圧巻なんだが。
7・5点

ディアスポラ

283 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/09/25(日) 11:39:05
イーガン「ディアスポラ」
相変わらずハードなネタてんこ盛りで、それだけで945円の元はとれた気分になる
んだけども、メインになるコズチ理論が、難解なわりに衝撃度が小さい(
今までの長編にくらべて)のが難点か。触媒とかイカとかは良かったのだが。
 アイデンティティー関係はいつもより控えめだったけど、冒頭の自意識の発生までの
描写はまさしくイーガン。思考モデル自体は借用とはいえ、それをここまで突き
詰めて描けるのはこの作家だけでしょう。

331 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/10/12(水) 01:00:25
「ディアスポラ」 グレッグ・イーガン
とりあえず読み終えた、という感じ。
しあわせの理由、宇宙消失、祈りの海とイーガンを読んできたけど
その中でも一番吹っ飛んでて、もっともハードであり、スペースオペラ的な壮大な世界観を
理論物理的な視点で描いた(あとがきにもハードSF版スタートレックとあったし)作品だった。
長編より短編のパッチワークといったその体制も、そのタイトルに合致している…のだろうか

自分の数学の対する理解力のおよばぬゆえに
8点 

441 名前:でへ 投稿日:2005/11/04(金) 00:38:08
ディアスポラ ハヤカワSF G・イーガン

今までのイーガンの作品の中では、一番ストレートなSFでした。

SFという文学(?)の定義を、SFファン及びSFに関して興味を
持っている人たちが、どう捉えているかだろうけど、
私はそう思いました。

一流のハードSFであり、しかも思弁性も強い。
(私の求めるSFの真髄はここです。)

8点 再読すれば10点もありえる

1997年に原書は出ているので、もう少し早く読みたかった。

577 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/12/16(金) 00:46:22
イーガン「ディアスポラ」
連作短編的な構成のせいか、
物語としてはそつなくまとまっているが、
普通の宇宙ハードSFになってしまい、
イーガンらしさは希薄になった気がする。
わずかに数学への執拗なこだわりにかいま見えるぐらい。
バクスターの作品だと言われて読んでも
あまり違和感がないかも知れない。
ま、とりあえず水準作。
7点

7 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/03/23(木) 03:26:52
しばらく前に書いた文章で当時貼るのをやめたのだが
最近二度目を読んだのでやはり書き込む。
さすがに作家本スレで投下する気にはなれない。

『ディアスポラ』グレッグ・イーガン ハヤカワSF文庫

あらすじは省略する。なかなかにエキゾチックな世界観である。
知的好奇心を持たない者、前進する意志を持たない者は
放っておかれるのではなく抹殺されてしまうのが基本。
主人公にではなく作者に。数学ファシズムの極北。

次に裁かれるのは飽くなき前進についていけない者。
そのような転向者、裏切り者は、死よりも悲惨な目に遭う。
具体的にはイノシロウ。
アイデンティティの喪失、自分が自分でなくなること。
これこそがイーガン宇宙においては最も重い刑罰なのだ。

トランスミューターには何故会えないのか?
最初から作者にその気がなかったのではないだろうか。
それぞれの宇宙に残された彼らのポリスを調査しないのは何故か?
墓荒らしになりたくないというのは本音だろうか? 
ホントはどうでもいいだけなのではないか?

私は一読者として期待した。五次元ヤドカリを見せられたら
当然それ以上のものをわくわくしながら待つしかないではないか。
でも出てこない。
私は限定宇宙1個のフィギュアなんぞでごまかされはしない。

最後にはやはり唖然とするほかなかった。今までの騒動が、思う存分引きこもれる
ための環境整備だったのかと疑いたくなるほどだった。もっともこれは、
前進することしか考えてない人がいきなり目的を喪失するとこうなっちゃいますよ、という
イーガン先生からのありがたい教えなのかもしれない。たぶん違うけど。

枝葉はたいへんに面白かった。ワンの絨毯は最高だった。
ヤドカリになっちゃう頑固なおやっさんや、主人公の空気の読めなさ加減には大いに
笑わせてもらった。
だが、根っこの部分で違和感を覚えざるをえない。

グレッグ・イーガンは他者に興味がないのだろうか。
同じ引きこもりなら私はタートルを選びたい。
自分の好きな物ばかりを周囲にならべたところで破綻するのが落ちだろう。

というわけで、悪いけど、五点。

万物理論

885 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/11/27 01:06:20
『万物理論』グレッグ・イーガン 創元SF文庫

統一場理論を超える、すべての物理法則を包み込む、単一の理論。
それを発表しようとする物理学者が、謎の組織に狙われる。
それに巻き込まれた科学専門の映像ジャーナリストは、やがて・・、
というハードSF。
壮大なホラ話の好きな人にはお勧め。
消化不良になるぐらいたくさんのアイデアが、ぎっしり入っている。
冒頭の殺害された死者がよみがえるシーンのアイデアだけで、
長編SFが、ひとつ書けそう。
性を超えた汎性という概念を持ち出し、ジェンダーSFとしても
読める。
ステートレスという生物工学によって作り出された人工島に
集まった無政府主義者による秩序ある社会を描いたユートピア小説
の側面もある。
とにかく、性、政治、宗教、生物学、物理学などの未来形が、めいっぱい
詰め込まれており、読みすすむうちに、近未来の地球世界がじんわりと
頭の中に浮かび上がってくる。
所々に出てくる主要な登場人物以外のキャラクターが、魅力的。
人工島に住む漁農家の女性とか、なぜかシンプルに描かれている
人間の方が印象に残っている。
詰め込みすぎで、散漫な部分もあるけれど、力作。

918 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/12/02 23:18:57
イーガン「万物理論」。
メインアイデアに関しては凄いと思うし、その論理的突き詰めや
様々な議論のディテールをここまで徹底してやるのも
イーガン以外にはいないと思うのだが、雑多なこまごました
未消化のアイデアが、必ずしもメインアイデアと無関係に
多数投入されたまま放置されてノイズになっており、
特に前半は、視点が右往左往して読みにくいことこの上ない。
どうせ未消化に終わるのなら、完全にカットして話の焦点を絞ったほうが
テーマがストレートに伝わりやすいと思うのだが。
未来社会にリアリティを与えようとせんがための意図的な
ものなのかもしれないが、空回りしていると思う。
またストーリーも一本調子で工夫がないし、キャラクターも
金太郎飴。何より語り手に魅力がない。
かなり凝った未来社会の奇抜なディテール描写をしていながら、
主人公の倫理観や生活観が我々と大差ないのはいかがなものか。
恋人と別れるくだりなど、陳腐すぎてあきれた。
またオチもちょっと安易な感じがする。
個人的にはぶっ壊れる宇宙を見たかったが、これはまあ好みの問題か。
力作だと思うが、物語作家としての技量がついていっていない感じ。
最近の長編では、もっと進歩しているかもしれないので、
次作に期待したい。
7点(アイデアだけなら9点)

427 名前: ◆GacHaPR1Us [sage] 投稿日:2005/04/03(日) 18:06:10
万物理論 創元SF文庫
グレッグ・イーガン (著), 山岸 真 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4488711022

のっけから圧倒的な科学力でぼくらを責めるSF質量のでかさはまったく健在。
でも、どっちかってーと脳の構造や生物学、医学関係の知識が多い。

最初の頃、エピソードの一つとして描かれた、「自発的自閉症者協会」のくだりで
読んでいくうちに、いったいロークがなにを主張しているのか?がわかって来るに従って、
この事実に対してどう感じるのか?で、その人物の愛の定義が見えてくるように思えた。
あのアイディアは秀逸だよ。エピソードの一端で終わらせるには勿体ないくらいだ。

ACが絡んでくる後半のパートがちょっと苦しくなってくるのは、物語を終わらせるための
方便だと思って、我慢するしかないであろう。

8点

181 名前:でへ 投稿日:2005/08/24(水) 00:07:11
万物理論 グレッグ・イーガン 創元SF
すでに星雲賞に選ばれているので、いまさらの感があるのだが
面白かったので書評をあげる

読み応えのある本でした。

ハードSFであり、スペキュレィティブ(思弁的)な面もあり、非常に面白かった。

厚さもあり読むのに2週間くらいかかった、時間がかかったのは、夜を徹して
読み通すような、わくわくするような面白さがなかったせいもある。
(私にとっては、難しかったという意である)

9点 以前、9点をつけた、山田正紀の「神狩り2」よりは面白いと思う。

でも正紀様のほうが私は好みでした。

まさきさま 下から読んでも まさきさま ですから(わら
(C)田中啓文

945 :名無しは無慈悲な夜の女王:2007/03/20(火) 00:04:53
万物理論 グレッグ・イーガン

読書することにとにかく集中力を要する。
あらゆる物事を難解、複雑、曖昧に表現し、分かりにくくすることが目的であるかのような内容に頭がくらくら。
最低でも、量子力学とひも理論の概略を知らないと理解することは不可能。
ガジェットは大ネタ小ネタのオンパレードでとても賑やか。ただし前述のとおり難解。特に最後の大ネタは
ものすごくイメージがつかみづらい・・・
宇宙消失はもう少しイメージしやすかったけど、この本は私にはチョット難解すぎました。
まさにハードSF。

6点。

ひとりっ子

190 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/12/24(日) 00:25:50
Gイーガン ひとりっ子

「行動原理」「真心」
持ち味の疑似科学的論理展開は無く、SF的ガジェットを用いた習作って感じ。
導入に1作置くだけならまだしも、二つ並べられると鬱陶しい。
序盤で落とし方が見えてしまうのも難点。それぞれ2点、4点

「ルミナス」
再読になるが、やはり面白い。
チャンの「ゼロで割る」と似た題材だが、数学を現実のメタファーとして扱ったチャンと比べ、
数学をそのまま現実世界に叩き付けた力技がいかにもイーガンらしい。8点

「決断者」
これはどう捉えればいいのか、正直よく分からない。
最後のページを読んだ感じだと、「自己を客体化する」事への畏怖が語られているようにも思えるが…
「ルミナス」ともども95年発表だが、この2作にはサイバーパンク的、もっと言えばスプロールシリーズの雰囲気が濃いのは何故だろう。
5点

「ふたりの距離」
まず訳題が微妙だが、まあ仕方ない。
これも最初の2編と同様の掌編。イーガンにしては題材の扱いがあっさりし過ぎてる。4点

「オラクル」
これは失敗作と言わざるを得ないのではないかと。
特に多世界解釈がらみのSFネタは消化不良もいいところ。
連作未来史や複数のプロットが同時進行する長編から1つのエピソードを抜いてきたような感じ。
3点

「ひとりっ子」
イーガンにしてはネタの突き詰め方が甘い気がする。
量子コンピュータの「遮蔽」云々あたり特に。
導入のエピソードも必要性が分からない。
ストーリーテラーとしての微妙さは相変わらずだし。
5点

総評 5点
イーガンだと思わなければそこそこ楽しめる…かもね
正直言って期待はずれだった

289 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/12/25(月) 21:55:38
ひとりっ子 グレッグイーガン

自分は数学や物理の一般向け解説書をよく読むのだが、イーガンはSF小説よりも
SFを使った数学解説書を書いた方がいいんじゃないいかと思った
題材は面白いと思うがストーリーや人物に入り込めない
どうも自分にはイーガンは向いてないようだ

5点

342 名前: ◆usodeOn2Q2 投稿日:2007/01/03(水) 13:08:21
『ふたりっ子』 グレッグ・イーガン


うーん、率直に言って期待外れ。
まぁ事前の期待値が大きすぎたから、肩透かしを食った感じというか。

収録作品のうち、既に読んでいた『ルミナス』に匹敵する作品が、
唯一『ふたりっ子』だけだったのは意外だった。
それにしても、『ルミナス』は久しぶりに読んだが、面白い。

しかし、かつてSFがそれほど得意でない知人に、
『ルミナス』を勧めて読んでもらったことが有るが(無理強いに近い)、
割と酷いことをやったのかなw、と少し反省した。
ちょっと難易度が高過ぎたかもしれないw。

以下に各作品について簡単に感想。

『行動原理』、『真心』は凡作に感じた。

『決断者』は今回読んだ作品群の中で、最も理解できなかった作品w。
小説の最後に参考文献が載ってたが、あれを読んだら理解できるようになるのか?

『ふたりの距離』は、ジョン・ヴァーリィーの<八世界>シリーズを彷彿とさせる。
もちろん、イーガンの方がテーマを深く掘り下げているが、
個人的には男女の関係(?)に興味が薄いので、まぁそれなりに……。

『オラクル』は、過去を舞台にした改変世界ものだが、
元ネタの過去の事例に精通してないので、小説世界に馴染むのに時間が掛かった。
でも『ルミナス』、『ふたりっ子』に続く評価を点けてもよい作品だと思う。

『ふたりっ子』は、今回の短編集がハードSF寄りの作品が多い中(編・訳者の言葉より)、
既刊の『祈りの海』、『しあわせの理由』に入っていても違和感がない作品だと感じた。
個人的にあまり得意でない量子論ネタだったので、途中理解が至らない場所もあったが、
それでも“イーガンらしさ”を満喫できる作品。

評価 7点

444 :名無しは無慈悲な夜の女王 :sage :2007/01/25(木) 10:13:45
ひとりっ子/イーガン/ハヤカワ文庫
多世界解釈の憂鬱ってイーガンはマジで心配してるのか・・・
このテーマでは読者の共感は得られないと思うのだけど。
ただ小説としてはオラクルはオチも決まっていて面白い。
ルミナス、一人っ子、オラクル以外はオマケか?という感じの
ちょっと微妙な・・・ 8点

プランクダイヴ/SFM記念号
ついでに積み残してたプランクダイヴも読んでみた。
科学パートも人物パートも良くわからん・・・
本当に傑作なのかこれは。。。

529 :でへ :sage :2007/02/11(日) 15:28:59
ひとりっ子 グレッグ・イーガン ハヤカワSF文庫

表紙が気に食わなかったので、読むのが遅れた

悪い言い方をすれば、相変わらずのイーガン節

ルミナスは既読だったので除くと、
オラクル、ひとりっ子が面白かった
各作品ごとに評価すると、6-8点くらいか


総合点は、イーガンなので+1点して8点
(w

ひとりっ子の題名はもう少し訳を考えて欲しかった

Axiomatic

578 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/12/16(金) 01:02:48
Greg Egan "Axiomatic"
第1短編集 未訳の4編を読んだ。
"Closer"がずば抜けた名作。<宝石>もの。
相互理解と愛とは相容れないという話。
これ何で訳されてないんですかね。
あとは「行動原理」と同じ<インプラント>ものの
"The Walk"もまあまあ。
ナンシー・クレスの無眠人同様の
遺伝子操作による天才児育成もの"Eugene"も、
ありがちなオチだが水準作。
"The Moat"も遺伝子ものだが、
普通のアイデアストーリーで底が浅く今一。
"The Seeing"は幽体離脱を扱った
アイデアストーリーで平凡。

既訳分含めると総合8点
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