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トーマス・M・ディッシュ

最終更新:

zgok0079

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アジアの岸辺

59 名前:でへ 投稿日:05/01/03 14:58:27
アジアの岸辺 トマス・M・ディッシュ 国書刊行会

「ちびのトースター」を除くと、久しぶりのディッシュ、
短遍集。

「アジアの岸辺」「リスの檻」「本を読んだ男」
「第1回パフォーマンス・・・」等、自分の経験や、自分が
作家であることを題材にした自虐的な要素の強い私小説が
印象に残った。

「犯ルの惑星」は反フェミニズム小説だろうか?
こう書いたら「読みが浅い」とお叱りを受けそうだが。

お気に入りのディッシュだから、7点

ディッシュは「歌の翼に」と、「キャンプ・コンセントレーション」
がお気に入りです。
どちらもSFという分野からは、少し外れているけど。

560 名前: ◆GacHaPR1Us [sage] 投稿日:2005/04/24(日) 21:42:59
アジアの岸辺 未来の文学
トマス・M.ディッシュ (著), 若島 正, 浅倉 久志
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4336045690

陽が「ジェラルド カーシュ」なら陰の「トマス・M.ディッシュ」か、
奇想短編の陽陰両者を比べる、この面白さよ。

とにかく、暗い、重い。「最高に意地悪」の名は伊達じゃない。
ところで、「リスの檻」ってどっかで読んだな?と思ったら
あれだった。読む前に気づけよ俺…。


8点。カーシュのほうが好きだったんで。

いさましいちびのトースター

391 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/12/29 21:34
ディッシュ「いさましいちびのトースター」

SFじゃないんだけど、SFを感じさせるんだよなあ。
ある種のロボットものにも通ずるほのぼの感がいい。
大人向け小説と全然違う内容に、作者の多才さを感じた。8点。

キャンプ・コンセントレーション

62 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:05/01/08 06:34:54
ディッシュ「キャンプ・コンセントレーション」
とにかく、発狂したバタイユのような強烈な手記の文体に
圧倒されるが、実は結構しっかりした伏線の張られた
物語だったということが最後に分る。
後半の細菌漏洩のくだりで震え上がり、最後の
どんでん返しにびっくり仰天。
もう一度読み返して、巧妙なミスリーディングに関心。
地下監獄という設定が脳髄=地獄の暗喩として
絶妙にハマっているし、知性の鋭敏化が梅毒菌で
もたらされるという皮肉もたまらないし、
その行き着く先が結局、絶対の孤独、死でしかない
というペシミスティックな結論も最高。
何度も読み返したい。
10点

人類皆殺し

657 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2007/08/16(木) 19:22:00
「人類皆殺し」 トマス・M・ディッシュ

世界中が強靭な生命力を持った謎の植物に覆われ、ある片田舎の生活圏を奪われた人々
がどこかから襲ってくる謎の球体状殺戮マシーンに怯えながら暮らしている話。
ラストまで特に山場となる場面もなく果てには侵略植物に潜り込み地虫さながらに地下にまで
追いやられていく人間達の無様ながら生き続ける様子や狂気が暗く描かれている。
外に出れば殺され、地下は地熱で50度を越す暗闇世界での数ヶ月に渡る生活。
自分には無理です。

7点

ビジネスマン

700 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/01/10(火) 23:09:53
「ビジネスマン」トマス・M・ディッシュ
途中まで副題「恐怖の物語」を「恐怖についての物語」と
とらえて読んでいたが、そんな単純な解釈では読み解ける話ではなかった。
生者による死者の呪縛、個人によって異なる天国、幽霊の妊娠・・・
あまりにオリジナルなアイデアは初読では消化できそうもない。
一方でとっちらかってる印象も。
だが私はいかれた創造力に素直にノックアウトされた。
文体にも注目。
クローネンバーグ調の幽霊とのファックシーンは設定、筆運びなど
特に冴えており、個人的には非常に感銘を受けた部分。8.5~9点。

プリズナー

21 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/10/23(月) 16:01:20
「プリズナー」トマス・M・ディッシュ ハヤカワ文庫
2回目読了しました。2号のことはよくわかりましたw
SF仕立てのスパイ小説、6号はジェームズ・ボンドみたくて
強くてモテモテでうらやますいと思いますた
7点ぐらい

334

61 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:05/01/06 08:09:34
トマス・M・ディッシュ「334」
凄過ぎ。特に終盤の、謎だらけだったハンソン家の家族の肖像が
急速に明瞭に焦点を結びながらラストの悲劇へと雪崩のように
突っ走って行く様は鬼気迫るものがある。
連作短編5作とそのミッシングリンクをコラージュ方式で
つないで行く終盤部分という凝ったスタイルが完璧に効果を上げている。
ジャンルSFといえるかは微妙だがもはやそんなジャンル分けなど
どうでもよく思えるぐらい、凄い凄い凄い凄い。
単独短編としてみても、例えば第4話「解放」などは
性差を扱った短編SFとして、オールタイムベスト級の名作だろう。
SFに限らずこれまで読んだあらゆるジャンルの本を含めても
10指には入る。とにかく、ディテールまで完璧だ。
ディッシュ凄すぎる。
100点
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