今日読んだSF/FT/HRの感想@SF板まとめページ

バリントン・J・ベイリー

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zgok0079

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永劫回帰

438 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/11/03(木) 20:44:23
バリントン・J・ベイリー/永劫回帰

主人公迂闊過ぎとか、凄い能力を主に覗きにしか使ってないとか
色々細かい文句はあるが、それらを吹き飛ばすような無茶な理屈が痛快な、
、デタラメを半光年ほど飛び越えた奇想小説。
「究極の苦痛に対抗できるのは究極の快楽だけだ!」
と開眼してヒロインとの房事に励む主人公や、
「もう一回究極の苦痛に耐えれば、お前は全宇宙の神になれる」と簡単に言ってのける異星人だの。
こんな「永遠」だの「宇宙」だのと真っ向勝負してる主人公じゃあ、
ちょっとくらい足元がお留守になっても仕方ない。
珪素骨やタイム・ジェム、放浪惑星、哲学者のカードといった数々のガジェットも、
印象が薄くなってしまってるのもご同様。

8点

584 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/12/18(日) 18:07:43
バリントン・J・ベイリー『永劫回帰』 3点
未来永劫苦痛が痛い主人公が未来を変えるために時間の秘密が眠る「タイム・ジュエル」を探す話。
主人公は自殺願望少女や加害者にされそうになった被害者とチームを組んで、それがあるという放浪惑星を目指す。
なんとかタイムジェルを手に入れるが、それを製造した鳥頭の超越種族から自分達でも未来を変えることはできないと聞かされる。
あきらめ切れない主人公は、反逆罪で帝国から追われながら未来を変える方法を探る。
主人公の「苦痛が痛い」シーンが想像し辛いせいか、途中から主人公について行けなかった。

カエアンの聖衣

75 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/07/12 04:14
バリントン・J・ベイリー「カエアンの聖衣」

なんかどうも最近読む速度がゆっくりになってきて中学生の頃は一日
に10冊くらい普通に読めたんだけど、どうも年のせいか1日1冊くらいの
ペースになってしまった。今21歳だけど。このまま漸近的に読む速度が
ゆっくりになっていくと勉強とか睡眠の時間が無くなって困るなあ、等と
考えてしまった。ちなみにここまでの文は感想とはなんの関係もない。
さて、感想であるが、読む速度が落ちたためになにやら怪しい想像に
耽る時間が多くなり、5着のスーツには「ゴレンジャーだ!青とかピンク
とかあるんだ!リーダーは赤だ!」等と自分が生まれたころには既に
放送が終わっていた番組に思いを馳せたりして非常に楽しく読むことが
出来た。ラストのスーツが生えてくるシーンは圧巻。

9点

581 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/12/17(土) 01:56:30
『カエアンの聖衣』ベイリー
のっけからグングン引き込まれて一日で読了。
可聴下音世界や、スペースマン、ヤクザサイボーグの生態系とか社会体系は
一つずつまた別の小説が作れそうなくらい面白いし、オチも良かった。

ただ、はじめから終わりまで、アマラとかいう女社会学者にまじむかついて
こいつ早く死なねーかなとかずっと思いながら読んでたのに
結局最後まで何事もなく生き残ったのが本当に残念でならない。

584 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/12/18(日) 18:07:43
バリントン・J・ベイリー『カエアンの聖衣』 9点
ペデルがフラショナール・スーツを着てみるシーンあたりから無茶苦茶面白くなった。
鏡に映ったアレクセイのシーンなんかはここだけ切り取っても短編にできそうなくらい良くできてる。

144 名前:空気を読まずに感想投下 投稿日:2006/04/17(月) 17:22:28
「カエアンの聖衣」バリントン・ベイリー 7点

これでもかとSF的ガジェットをつぎ込みつつ
それらはすべてアクセントでしかないわけで
もったいないお化けがわんさか出てきそうw

これこそがワイドスクリーンバロックの醍醐味かと

最後の一文のためだけにすべての物語が存在するかのような佳作でありました

67 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2008/05/02(金) 18:31:22
『カエアンの聖衣』  バリントン・J・ベイリー

“服は人なり”。
このアイデアだけで最後まで突っ走るSF小説。

カエアン製の衣裳は、着た人間に向精神薬のような影響を与え、
さらにその影響を周囲にも及ぼす独創的なスタイル。
その服装の隠された秘密を追い求めるのがメインテーマ。

話としては、『指輪物語』の一つの指輪を巡る展開に似ていました。
ちなみにゴクリみたいな人も出てきますw。

それにしてもこの小説は奇想天外なアイデアを扱っているよう見えますが、
この“服は人なり”は、なかなか含蓄のあるテーマだと思いました。

今から10年前くらいに読んだ『豊かさの精神病理 (岩波新書)』という本の中で、
「ブランド物で個性に自信」などのファッション雑誌の決まり文句が紹介されてました。

当時は、自分が高度消費社会を生きているという自覚が無かったので、
ブランド物や雑誌のマニュアルで強化される“個性”って何だよ(笑)、
と無責任に嘲笑っていました。

でも世間で普通に「勝負服」、「勝負パンツ」という言葉が流布されているように、
カエアン的な発想が、普通に我々を蝕んでいる現実も無視できないんだよなぁ……。

小ネタで言えば、日本人の末裔も出てきます。
宇宙空間に適応化したサイボーグや、“ヤクーサ・ボンズ”としてw。
70年~80年代のSF小説に有りがちな変な日本人ですねw。

あとは、小説冒頭の可聴下音(インフラサウンド)に支配された惑星のネタも面白かった。

評価:8点

時間衝突

443 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/11/23 02:44

「時間衝突」バリントン・J・ベイリー
まあ面白かった。けど、これで終わり?って感じがした。
何もかもあっさり解決(?)されちゃって。
なんか前半はすごいことが起きそうだったのに。
時間が衝突するっていうアイデアは、ツッコミどころ満載で逆に楽しかった。
中国人達も好き。
でもな~。
というわけで、6点

737 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/06/02(木) 00:19:04
時間衝突/バリントン・ベイリー

二つの時間の衝突、という強烈な奇想に圧倒されたが、
波として進む特権的な「現在」という、というイメージ自体は把握しやすかった。
寧ろ、本作を元ネタにした『ハイペリオン』の方が、理解し難かった記憶がある。
あと、オリエンタリズムだと判っていても、本書の「非人間的なほど理性的で、温和で、美と調和を愛し、
無敵の格闘術を操るw中国人たち」には惹かれずには居られない。
地球の悲惨な運命と対象的な、彼らの静謐なユートピア(とそれへの異文化接触、及びその死産に終わった革命の試み)は
この割と救いのない物語に一抹のユーモアを付加していると思えた。

禅<ゼン・ガン>銃

260 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/08/13 21:29
「禅銃」byベイリー
銃を巡るお猿さんのセコイ冒険話かと思いきや、宇宙艦隊戦が始まるわ
銀河帝国が崩壊するわ、異世界から侵略者が来るわ・・・大変。
ブリンとかシモンズだったら上下巻(しかも各500P)×3部作確定ところを
250Pで纏めてしまうのがベイリーの弱点かね。8.5点

The Grand Wheel

61 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/11/01(水) 01:08:16
バリントン・J・ベイリー/ The Grand Wheel
宇宙の運命を賭けてギャンブル!という要約がほぼ字義通りなのが
ベイリーの恐ろしいところ。
ギャンブルの話だが、いわゆる賭博小説的な勝負描写は少なく、
むしろ確率論や「幸運」論が話の主軸となっている。
『永劫回帰』や『時間衝突』に比べればキテレツな奇想は控えめで、
ベイリー作品にしてはやや薄味なのかもしれないが、
一定確率で新星爆発が起こる呪われた銀河系とか意識を変革するゲームとか
勝てば不老不死になれる賭け(勝率は1/1000!)とかが容赦なく繰り出されるのは
あいも変わらずスゴい。
7点
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