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テリー・ビッスン

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zgok0079

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赤い惑星への航海

480 名前: ◆gacHaPIROo 02/12/01 21:12
赤い惑星への航海
/テリー・ビッスン/中村 融 訳

 ちょっと凝っちゃってるビッスン第二弾。

時は21世紀。
だいぶくたびれてきた世界っていうかアメリカ。
でも、人々はなんのこともなく頑張って生きてるそんな近未来。
発進直前で計画中止になってしまった米-ソ連共同開発の
火星探査計画のロケットの存在を知ったB級映画プロデューサー、
生きる機関車、某番組のTプロデューサーのような
マークスンによって有人火星飛行を映画化が計画された。

腕が立つのだが一言多い、元火星計画飛行士バース、
冷静、沈着、んで口の悪いロック好きのロシア女性、やはり元火星計画船長のキーロワ、
1㍍10㌢、ちいさな体に大きな野心でも小人、フリーのカメラマン、グラマー、
黒人だが嫌にヒッキー、んでもって猫好き。冬眠薬の権威で元医学士官のジェフリーズ、
たまたま宇宙ステーションで一行に遭遇、なんでか火星に行く(?)ことになった、
かわいい女の子、グリーティング・ブラザー・バッファロー・ジェントリー、
由緒正しきムービースター、でもイイ奴なフォンダ・フォックスに
同ムービースターで性格はやっぱイイ女性、BG、
転職を繰り返すケッコーつらい人生の合間にしっかりサポートしてくれるミッション・デザイン、スィーニィー、
「宇宙船乗り大会で会おう」ジョンスン、
そして、子猫のエイハブ、

魅力的、個性的なキャラを余すところなく用いて、最後の最後の感動のラストへ持っていく技量はさすが。
短編の積み重ねこそが小説なのであることをはっきり示してくれたいいお話なのでした。

10点満点。

ふたりジャネット

448 名前: ◆gacHaPIROo 02/11/25 00:36
熊が火を発見する /テリー・ビッスン
(SFマガジン92年1月号より)

優しいSF。

ちいさな、とてもちいさなエピソードを大事に、大事にしていく進め方は
まるで、”、”(コンマ)を発見したような気分を
なんども、なんども味あわせてくれる、そんな作品。
それは例えるなら、
冬山の吹雪のなかで登りつつ降りつつしつつ、
ふところにいれたホッカイロの温かみだけを頼りに
あんなにわずかなぬくもりでさえ、
風に当たれば消えてしまうようなちいさなぬくもりでさえ、
歩を進める励みになるように。

故ラファティが亡くなったのは彼の出現を待っていたのかもしれない・・・。10点。
てゆーか邦訳少なすぎ!!文庫化急げっつーの!!

515 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/03/26 22:49
テリービッスン「ふたりジャネット」
6点

後半のウィルソンウーものが苦手なもんで。
なんつーか、ラファティとかラッカーとかと似てるが、
漏れはどっちも苦手だし。

前半だけだと8点ぐらい。
「熊が火を」はやっぱり名作だし。

518 名前: でへ 04/03/28 17:09
ふたりジャネット テリービッスン 河出書房

巻頭の「熊が火を発見する」が秀逸 9点
「冥界飛行士」、「時間どおりに教会へ」が8点
それ以外の短遍の評価は、6-7点、
主人公が中年のおっさん、しかも世間から見ると
冴えない、でも、本人はきちんと人生哲学を持ち、
生きているっていう話が多いような気がする。
オレにはとても感情移入しやすい(藁

総合評価 「熊が火を発見する」が読めたので
8点

564 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/04/24 06:54
「ふたりジャネット」テリー・ビッスン 河出書房新社 奇想コレクション
ノスタルジックな短編集。
味わい深い文章が素敵。読んでいて嬉しくなってしまった。
とんでもない奇想を、ドタバタにすることなしにさりげな~く描いて、読後感最高。
最近あまり聞かない言葉だけれど、良質なマジックリアリズム短編集。
ラファティやヴォネガットと比較しても面白いような気はするけど、そこまで俺に読解力はないのであった。
9点。

306 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 本日のレス 投稿日:2005/10/05(水) 00:06:55
テリービッスン 「ふたりジャネット」
初めての奇想コレクションだ! ベスター、シモンズとどれにしようと迷ってたけど、
帯のラファティ、ヴォネガットの名前に惹かれて購入

  • 熊が火を発見する
熊かわいいねぇ 不思議な読後感だ もうちょっと人類大騒ぎしろよ
  • アンを押してください
これは舞台で見てみたい 電車の中で読んで、吹き出しちまった
  • ふたりジャネット
ちょっとわからなかったな 多くの作家の名前をよく知らなかったからだろう
  • 冥界飛行士
これだけ異端な感じの短編 一番出来がいいんじゃないのか
  • 万能中国人ウー
これは素晴らしい素晴らしい ウーの問いを適当に返答する主人公がいちいち笑える
手書きの数式、ハッタリ理論、トンでも展開が合わさって ありえない速度で話は進むのだ
銀河ヒッチハイク・ガイドが好きな人はあうんじゃない?

いい短編集でした 河出GJ!
8点

458 :名無しは無慈悲な夜の女王 :2007/01/28(日) 14:18:29
「ふたりジャネット」テリービッスン短編集

これはシュールで一筋縄ではいかない代物だったw全部の感想書くのもアレなので気になったの2つだけ。

●著者の代表作「熊が火を発見した」
アメリカ全土で熊が火を扱うようになるという現象が起こり、主人公もそれを間近で目撃することになる。
熊がたいまつを抱えてボケーっと突っ立っているシーンなど、妙なとぼけた味わいがあって面白い。
登場人物の日常は養老院にいる母親への面会と甥っ子の面倒見る日々であり、熊現象など実はあまり関心がない。
ところがあることがきっかけで熊現象の中に飛び込むことに。
まるでコントに出てきそうな設定だが、根底にある家族関係(老いていく母、そして甥)の描写が
ごく自然でリアルであり、ラスト、主人公の日常関係と非日常の熊たちの生活が接点を持った瞬間に湧き出す
静かな叙情感が深く余韻となって広がっていく…
なんかもの悲しいんだけど、悲しみの中に「これでいいんだ」というような安心感が得られるような、なんともいえない読後感。

●「ふたりジャネット」
都会でバリバリやり手の編集者のジャネットと、田舎でのんびり暮らすジャネット。二人は幼馴染。
どうやら田舎のジャネットの住む町に有名作家が続々と引越ししてきてるらしい。
これはやばいです、かなりやばいです。
私は、これは出版界に憧れる田舎に住む二重人格の女が妄想の世界に住み、やがて分裂病を引き起こすというものと解釈しました。
めっさ怖い話です。
怖いけどやたら郷愁感に満ち溢れた、「いつか田舎に置き忘れてきた自分」みたいなものをにおわせます。

他、英国がアメリカに向けて移動するという話もあり、それも基本的には「家族」を根底とした、それはかとない「絆」を匂わす情緒が隠された味わいある作品。
この3作は連作だと思う。

これら情感に訴えるものとは対照的にトンデモ博士が出てくる正統派ギャグSF3部作も入っていたが、こちらも面白かった。
不思議現象の説明のために、やたら手書きの数式がでてくるのだけど、中に漢字が入っていたりして、なぜ漢字が数式に入っているのか説明云々w

絶賛とまでは言わないけど、とても楽しめた。

JM

798 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/10/13 18:17:28
ウィリアム・ギブスン原案 テリー・ビッスン著「JM」
映画「JM」のノヴェライズ版
個人的にギブスンの独特な文体があまりなじめないが
ビッスンが書くと造語も少なく理解しやすい。
話もサクサク進むし、ネット内の世界の描写も刺激的。
でもギブスンの世界のヤクザはなんで怪物じみた人が多いんだろう。
サイバーパンク初心者にもオススメ。

8点
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