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ブライアン・W・オ-ルディス

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zgok0079

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子供の消えた惑星

117 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:05/01/25 23:12:17
オールディス「子供の消えた惑星」
物語性を徹底して否定し、ひたすらアンチエンターテインメントな
話だった。
終盤の対決と新人類のオチ以外、ほとんどストーリーが存在しない。
老人がひたすら旅をして、滅び行く世界の状況を眺めながら
昔を思い出す場面がえんえんと……。
バラードの「世界物」のオールディス版、ってな感じか。
渋いとは思うけど、お世辞にも面白くはない。
6点

十億年の宴・一兆年の宴

69 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/11/25(土) 23:01:23
「十億年の宴」 ブライアン・W・オールディス
「一兆年の宴」 ブライアン・W・オールディス,ディヴィッド・ウィングローヴ

最初のSF史とその続編。章ごとに中心となる作家やジャンルがあってそれを中心に沢山の作品や人が論じられている。
SFのイラストについて言及する際には真鍋博なんかも登場する。
考察を助ける独特の表現や豊富な引用が楽しい。お陰で読んだことがある作品もそうでない(未訳だったりとかの)作品も、全部が新鮮で面白そうに見えた。
特に、未訳のあらすじとか引用なんかが出てくるとwktkが止まらない。
「一兆年の宴」が書かれた時代には既にSFは暗黒時代に突入しかかっていたらしい。当時の状況もちょっと分かるようになっている。
読書がマイナーなカテゴリになったとき、近過去さえもが忘れられる。
他にも<<リバーワールド>>の結末とか編纂された時代の基準からしても結構安全だった「危険なヴィジョン」とか、興味深い話題が次から次に繰り出されて退屈しない。
ただオールディスはことあるごとに『フランケンシュタイン』がいかに重要な作品であるかを熱弁しようとする。
これがちょっと邪魔な点を除けば最高におもしろい。

10点

スーパートイズ

36 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/04/03(月) 16:03:47
ブライアン・w・オールディス「スーパートイズ」(文庫版)

スピルバーグの「AI」を今更見たので、原作を読んでみた。
映画に比べると非常にシンプル、というよりまったく別の話。
巻末のエッセイを読むと、いかにオールディスとキューブリックの
コンセプトが乖離して言ったかが良くわかる。
そりゃ「フランケンシュタイン」と「ピノキオ」じゃ全然違うものに
なるのは当たり前だ。
表題作以外の短編については判断しづらい。
わかりやすい風刺もあるが、風刺と寓話とファンタジーが渾然一体となって
どう呼んでいいのか戸惑う作品が多い。
いままで「唾の木」と「フランクでいこう」しかオールディスを読んだことが
なかったので、ここは「地球の長い午後」でも読んでおいたほうがいいかもしれない。

採点不可能

地球の長い午後

400 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/11/10 19:03
ブライアン・W・オールディス「地球の長い午後」
書名  地球の長い午後
著者  ブライアン・W・オールディス
訳者  伊藤典夫
出版社 ハヤカワ文庫

 読んでいて、これは何が言いたいの、何を表現したいのと思ってしまいまし
た。未来の地球なのでしょうが、地上はすべて植物におおいつくされた植物の
世界になっています。人間はじめ動物たちは、植物のかげで細々生きる小さな
存在になっています。
 そうした特異な空間と、それでもその中で力強く行きていく人間がいること
を書きたかったのでしょうか。まあ映像的に思い浮かべると、面白く感じる人
もいるのかもしれませんが、私は終始すこしも興味がわきませんでした。
 1961年ヒューゴー賞短編部門受賞作品です。    (1994.03.06)

446 名前: ◆gacHaPIROo 02/11/23 22:39
地球の長い午後 /ブライアン・W・オールディス

211-213、400-403、407、415などなど、
この板でも人気の高い作品なんでよみますた。
椎名誠の『アドバード』、『水域』、『武装島田倉庫』なんかが好きな人には
なんか似てるし、おすすめ・・・なんて言うと思った?
違うと思うよ。
これは。
そこらこらにちらばめられてるエピソードの一つ一つに
その頃の世界そのものに対するキッツイ皮肉になってるように読めたっすよ。
戦争の描写そのものの海岸戦線。その狭間に落されて右往左往する『平和の子』らとか、
まさに60~80年代の科学者の本質そのもの、
『そこに核反応があるのが悪いのだ』といわんばかりに爆弾研究に勤しむかのような
レミング風知的欲求を力づくで叶えていくアミガサダケとか、
  • 群人→犬飼い→山吼え→荷引き→畑作り→人まねという征服種族の変遷そのものが
作者の母国イギリスの歴史そのものへの皮肉のようだったりと、
そこかしこに地雷が仕掛けてあってなかなか楽しい。
SF的世界創造の教科書として、甘みも辛味も苦味もあるだけに評価は広がるんでしょうな。
様々な評価がある作品こそが本物という意味で10点。

699 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/03/27 22:58
地球の長い午後 ブライアン・W・オールディス

虫とか嫌いな漏れは読んでて気持ち悪くなることこの上なかった。
でも恒星間を行き来する植物には萌えたけど。これがオールタイム
ベストに入ってるのを見ると何か別の読み方があるような気がしてならない。

3点

184 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 2005/08/26(金) 01:32:32
「地球の長い午後」 ブライアン・W・オールディス

いわずと知れた退廃した世界と退廃した人類を描いた小説。
カエアンの聖衣とかみたいに植物が物語に大きく関わるものと思っていたら
思ったよりかかわらず残念。いや、キノコ脳とかはあったけど
超未来の世界を探検する小説みたくなってたのが予想と外れて少し残念
ラスト主人公達マジやる気ない。翻訳がイカしてるなぁ

あと結局火口の歌とかはなんだったのだろうか 8点

275 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/05/06(土) 22:23:21
『地球の長い午後』 ブライアン・W・オールディス

とりあえず言えるのは、ハヤカワ文庫の紹介文は間違っているなw。
一部引用すると、(前略)だが滅びの運命に反逆した異端児がいた……、って。
そうかなぁ?
若くて威勢の良い兄ちゃんが、場当たり的に暴れ回る作品だと思うがw。
個人的には読後の疲労感が、『蝿の王』(ウィリアム・ゴールディング)に似ていた。
ちょっと途中で読むのが辛くなった作品でした。

評価 3点

ヘリコニアの夏

665 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/07/09 18:36
オールディス「ヘリコニアの夏」

ヒロイックファンタシイ色が強くて、SF的謎解きのほとんどなかった
春に比べると、SF度が200%アップでいろんな謎が解き明かされて、
面白かった。
舞台もヘリコニア星全土に広がり、いろんな動植物の生態が
描きこまれ、アヴァーナス号の正体もいちおう明らかにされ
(設定にやや無理がある気はするが)、飽きさせない。
ヒロイックファンタシイとしての面白さも、登場人物が多彩で
キャラの描き分け、欲望でどろどろした錯綜した人間関係、
政治&宗教絵巻など、春を上回る。
テナーとか、ヘリコニア語に、何で英語が語源らしき単語が
混じってんの? とか、
アヴァーナス号を通じて地球に映像やデータを送っているという
設定が、今のところほとんど意味を持ってないんじゃない?
といった点はあるのだが、その辺は、冬で解決されている
ことを期待したい。
とにかく、終盤の盛り上がりが最高に面白かったんで、素直に10点。

681 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/07/16 16:46
オールディス「ヘリコニアの冬」

面白かった。父と子の葛藤と、権力への抵抗が話の軸で、
前2作と違い、プロットが単純で、テーマも普遍的なものなので、
非常に読みやすかった。
また、地球上の人類の進化と、ヘリコニアとの関係、
アバナス号の行く末にも、ページ数がかなり割かれ、
前2作での謎は概ね解かれる。
ただし、地球人類の進化に関する扱いは、やや安易というか
陳腐かも知れない。
どうせこれを入れるならば、もっときちんと練って
書き込んでほしかった。
ともあれ、ヘリコニア上の話は抜群に面白く、
ラストでは、もうこの惑星を舞台にした話が
これ以上読めないのかと思うと悲しかった。

点数としては、地球人類の扱いにやや不満があるので
その分だけ減点し8点。
3部作全体としては9点で。
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