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小林泰三

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脳髄工場

909 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/03/12(日) 02:45:22
「脳髄工場」 小林泰三

表題作はテンポ悪すぎ。いちいちくどい。ネタに新味がない。落ちがたいしたことない。
未来予測モデルに説得力が無い。話がだらだらとしてうっとおしい。
いろいろと言ったけど、つまりは「どうしちゃったんだ小林泰三?」ということ。最近は駄目なのが多いなあ。
社内誌に載ったショートショートもちょっとね。やっつけ気味で呆れる。しょうがないか。
他の短編はどれもいい。日常からの転換がうまいのはさすが。
狂気と笑いのギリギリの線を突っ走る話はこびが爽快だ。
順位をつけるなら
1 影の国 2 C市 3 友達 

7点

目を擦る女

281 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/10/29 01:00
小林泰三「目を擦る女」ハヤカワ文庫JA

仮想現実ネタを集めた短編集。
面白かったのは、「予め決定されている明日」。ネタ自体はイーガンの例のアレですが(方程式
モノみたいに、作者も意図的にやってるネタ被り)、ディティールを変えることでここまで胡散臭
く(藁なるのが面白い。
「超限探偵Σ」は、清涼院流水一派が台頭している今となってはちょっと弱いかも。
「空からの風が止む時」は、「海を見る人」系列の短編(某長編ともちょっと繋がってるけど)。相
変わらず、段々と世界のディティールが分かっていく描写は素晴らしいものがある。でも船長の
告白シーンはいらねえと思いました。
バカSFとして一番面白いのは、ゲーム「蚊」のアンソロジーからの再収録作品「刻印」かな。

ものすごい傑作はあまりないけど、値段以上には楽しませてくれる佳作短編集でした。
7点。

721 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/01/14(土) 22:45:16
『眼を擦る女』 小林 泰三(こばやし やすみ)

短編集です。そして表紙が少し怖いです。
個人的な好みでは有りますが、やはり個人個人の世界の境目が曖昧になる恐怖を描いた物が面白い。
内容をあまりばらしてしまうと面白みが激減する性質の話なので内容は書きませんが、
一番好きなのは「超限探偵Σ」。
探偵Σの名推理を友人の視点で書いている。推理小説じゃないと思う。

もう一つ紹介
「未公開実験」
『家に清むもの』収録の「肉」で登場した生物学者丸鋸遁吉(まるのことんきち)が、
物理学者として再登場する。
タイムマシーンならぬ「ターイムマスィーン」(言うと同時に両手で奇妙なポーズ)を
製作したと言い張る丸鋸とその実験に呼ばれた友人たちの問答が面白い。

ホラーとしては話し自体も面白いが、気持ち悪いとこはちゃんと気持ち悪い。

九点

ΑΩ

651 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/02/17 14:42
「ΑΩ」小林泰三、角川書店

ウルトラマンなのかもしれないが、個人的には「寄生獣」っぽく
感じた。ラストで宇宙人が主人公に選択を迫る場面なんかも
含めて(質問自体は全然違うんだけどね)。敵が行おうとしてい
るのは……人類補完計画?(ひでえ読み方……)

グチャグチャのスプラッタ描写とギャグの融合、アクションシー
ンの格好良さ(最後の変身シーンが(・∀・)イイ!! )、気味悪く上滑
りする主人公達の会話、バクスターばりのオバカハードSF考証。
小林泰三の集大成という感じ。
個人的には、普通の海外ハードSFっぽい「海を見る人」よりも
ずっと面白かった。

455 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/06/25(日) 22:34:21
小林 泰三『A Ω』 

分類に困るこの本。一応出版上の分類は角川ホラー文庫なのだが、ちょっとそれは違う気がする。
「ジュワッ!」とか「ダッ!」とかやるあたり、個人的にはギャグものと理解した。
内容は銀色の巨人が怪獣と戦うというのを、そのヒーローモノの定型ともいえるリスクを伴う変身、
敵に攫われ、拷問されそうになる恋人、四天王との戦いといった物語の金型を通しつつ、やけにハードなSFでもって説得力を増した上で、
グロで煮込んだら、ギャグになっちゃったみたいな話。
結局のところ『影』の目的はなんだったのだろうか。色々と推測や妄想ができそうなだけに解き明かさなかったのはちょっと残念。

どうでもいいが自分は読んだことがないのでわからないのだが、同じ作者の『玩具修理者』とこの本は何らかの関連があるのだろうか?
それともアレは単なる遊びなのだろうか?

ちょっと『影』のあたりに物足りなさを感じたので8点
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