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ゼナ・ヘンダースン

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果てしなき旅路

176 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/08/23(火) 01:27:06
「果てしなき旅路」ゼナ・ヘンダースン、ハヤカワ文庫SF

ホントーに素朴なSF。
微妙な選民意識とかキリスト教的な説教部分は気にせず、優しい気分で読むと
楽しめると思います。
小説は上手いんで。
あと、なんか微妙にレズ系SFの香りが……。

アメリカの田舎な雰囲気が気に入ったんで、
7点。

ページをめくれば

972 名前:でへ 投稿日:2006/03/26(日) 21:55:20
ページをめくれば ゼナ・ヘンダースン 奇想コレクション

ゼナ・ヘンダースンと言えば、ピープルシリーズ
なんですが、この本はそれ以外の短遍を集めた本、

ほとんどの短遍が、主人公はアメリカの田舎の
小学校に勤める女性教師で、ちょっと変わった
教え子に出会う話になっています。

この人はこういう話しかかけない人なんだ、
と思いました。(良い意味で)

でも、独特の味のある この人の話は好きです。

総合点は7点

最後の短遍だけは8点
ちょっとゼナ・ヘンダースンらしからぬ
味わいですが、密度の濃い話、これはオススメ

96 名前: ◆GacHAPiUUE 本日のレス 投稿日:2006/04/11(火) 00:38:49
ページをめくれば
ゼナ・ヘンダースン (著), 安野 玲 (翻訳), 山田 順子 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309621880/
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/4309621880
20世紀SFの「なんでも箱」を除けばほとんど初めてのゼナ経験となる、
短編11篇。それは珠玉と呼ぶにふさわしく、さらに言えばこれらはまだ
彼女の作品のダイジェスト版でしかないという・・・。

  • 忘れられないこと
 『ピープル』シリーズ第13作とのこと。
別スレでもちょっと触れたが、とにかく女史は子供を描く。細かく繊細に。
そこには男女の違いがあり、性格の違いがあり、生活環境の違いがあり、と多種多様。
しかも、その対象が異星人ともなれば・・・。
多感で、才能豊かでありながら、でもやはりそこは子供らしい失敗や勘違いを含む、そんな
子供らしさとそれらを抱擁するように優しく見守る教師の姿には安心させられる。

  • 光るもの
 この短編集ではハッピーエンドはない。ベターエンドかバットエンドくらいだろうか?
どちらにしても必ず守られる原則がある。
 子供たちが残酷な目にはあまりならない、というものだ。
そういう意味では最初、若干ホラー調のこの一篇も安心して読んでいただけると思う。

  • いちばん近い学校
 ファーストコンタクト。
異常事態に対する普通の人たちの普通な対応にはテリービッスンを想起させる。
もちっと慌てろよ、ベントにクライン女史。そんなわけでストリングラーじーちゃんは
あんまり悪役な感じを受けなかった。

  • しーっ!
 打って変わって後半からホラーになるタイプ。最初に受けるゼナ節ともいえるアットホームな
印象が後半様変わりするのは、なぜか病的なものを感じることを禁じえない。なにかあったのかな?

  • 先生、知ってる?
 悲劇モノ。ダンシモンズ「ケンタウルスの死」のような読後感を持つ。教師には限界があるものだが・・・。

  • 小委員会
 ファーストコンタクト第二版。
ここで出現する宇宙人には「いちばん近い学校」の彼らに通じるものがある、同種族ではないようだけど。
どこかル=グィン女史にも通じる、女性ならではの「叡智」とも呼ぶべき発見が問題を解決することになる。

  • 信じる子
 巻末の紹介記事では「ホラータッチ」と呼んでいたが、自分的にはアン・ファンと捉えてもいいのでは?
とも感じた。ここまで読んだ時点で、ゼナ女史は全般的に物語の構成の面で通り一遍な欠点があるようなんだけど
本作品ではちょっと工夫している。

  • おいで、ワゴン!
 ヘンダースン女史のデビュー作。すげー話でデビューしたんだな・・・。
この主人公が「子供が嫌い」なのは子供の持ってるはずの可能性を知らず知らずのうちに打ち消してしまう
自分たち大人への嫌悪なのかな?と勘ぐってしまった。アフタヌーンで連載されていた「仮面天使」にも
同じような主題の話があったような。

  • グランダー
 嫉妬深い夫の焦燥がちょっと安っぽいところを除けば、まあまあの話。でもちびっとグランダーのイメージが
つかみにくい。自分の中では11篇中最下位の話だった。

  • ページをめくれば
 「おいで~」にも通じる子供の可能性と不可能性への感傷を題材にした作品。
でもさ、ミス・エボーの教え方がすばらしいとも思えないんだよな。そりゃ、みんながみんな
完璧な知性と情緒を兼ね備えてればいいよ、でもそりゃ無理だろう。
生徒全員に精神性の上で「完璧」を求めるのは…。
でもヒロインのミス・エボーに対する感傷には胸を打たれるものがあった。

  • 鏡にて見るごとく―おぼろげに
 日本でこの現象を捉えるとすれば、自縛霊だとか呪いだとかになるんだと思うんだが、
ゼナ節ではまったくじぇんじぇん科学的に冷静に応じている。眼科の先生も夫もヒロインの訴える
「とんでも話」をきちんと真正面で受け止める。ある意味紳士なんだが、そんな奴はさすがにいないんじゃないかな?

全11篇。彼女への批判の一つに世界の描き方が一様である、というものが生前にはあったらしい。
そりゃそうだろう、彼女の創作姿勢であると伝えられているところの「知っていることを描く」などは
まさに一様にならざる得ないのだから。嘘つきのほうが評価が高いとでもいうのだろうか?

もう最高。あとは『ピープル』シリーズ完全版を翻訳して欲しいところです。10点
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