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ロレンス・ダレル

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匿名ユーザー

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ジュスティーヌ

304 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/10/04(火) 10:14:05
ロレンス・ダレル「ジュスティーヌ」ほか

ジョン・コートネイ・グリムウッドのアラベスク三部作*が訳される気配が微塵もないので、
その元ネタと言われるダレルのアレキサンドリア四部作読むことにした。
ていうか筑摩全集のダレル、第一部と第三部しか載せてないつーのはどういうことですか。
感想:
ロマン主義コテコテの昔風の筆致。ジュリアン・グラック「シルトの岸辺」とかと同じ感じ。
第一部だけ読んだら「東洋のファムファタルにつかまったモヤシ西洋人の嘆き」という感じで
フーン大変だねー、オリエンタリズム全開だねーとしか思わなかったのだが、
第三部で同じエピソードがいきなりエスピオナージュとして語りなおされてるのに舌巻いた。
もうこの頃にはコテコテな美文も気にならず、夏のアレキサンドリアの湿気と海風のなかに没入状態。
これは四部全部読まないといけない……のだが、
たぶんJ・P・グリムウッドの原書のほうに挑戦してしまいそうだ。
これを元ネタにしたSFならきっと面白く、雰囲気があるだろう。

 *「パシャザード」「エフェンディ」「ファッラーヒーン」からなる、
改変オスマン帝国の国際都市アレキサンドリアを舞台にしたサイバーパンク三部作。
つーか早く訳せ。
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