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沼正三

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匿名ユーザー

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家畜人ヤプー

804 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/02/14(火) 09:07:07
沼 正三『家畜人ヤプー』

登場アイテムや背景の解説がやたら多いねーw
小説全体の半分以上が解説じゃないか?

これは噂どおりの仮想文化論ですな。
変態文化を強引かつ傲慢な論理で正当化する流れはたしかに面白い。
OSHICKの用語解説に10ページも使っていたのには笑った。
他動詞としての変形「オシッコ/立て」というのは、世界の背景を踏まえると妙な説得力あるね。
後半はアイテム化された各ヤプーの解説に飽きてきたので飛ばし読み。
いかに白人(神)信仰に喜びを与えるか、慈蓄論なるものが展開されるが基本的には都合の良い洗脳w
全体的な感想としては、論文調残酷おとぎ話とも言える体裁だけど、評判の気色悪さとかは
それほどでもなかった。むしろヤプーその他獣人が可愛らしく描写されているように思った。
情け容赦ないが、登場人物たちがあまりにもあっけらかんとしていて笑える。
主人公もかなり酷い仕打ちうけるんだけど、なぜか重く深刻にはならないんだよね。
この軽いのりと書かれている内容のアンバランスさが絶妙。
著者も文を駆使して各ヤプーの機能を説明するんだけど、いまひとつ造形が理解できないところが惜しまれる。
できれば各ヤプーの解説イラストを併記してくれると嬉しい。
角川版のイラストは評判いいみたいたが、抽象的に描かれているので説明としては不十分。
そこはやはり漫画の力が多いに貢献するだろうと思った。
余談だが石の森正太郎がこの話を描いていたとは驚き。江川達也版は漫画のわりに文字が多くてあまりいい評判聞かないね。

6点(-4はしつこい解説で萎えたぶん)
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