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ジャック・ウォマック

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テラプレーン

927 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/03/15(水) 00:00:48
「テラプレーン」ジャック・ウォマック

平行世界ものだが、どっちの世界も大概なディストピアでした、
という珍しくも気の滅入る小説。
一応ヒロイン的なロシア人天才女性科学者なんかも出てくるが、中心にいるのは
サイボーグめいた話し方をするコチコチの(元)軍人二人なので、ますます灰色の世界、という印象を強める。
スターリンがあらゆる広告に顔を出す資本主義化されたソ連、
テスラコイルによるタイムトラベルに神経を加速する疫病、と
いった数々の奇想と、圧倒的な現実感を持つ過酷な世界の描写がもろともに詰め込まれ、構成としては破綻しながらも
異様な読後感を残す作品。
9点
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