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ジャスパー・フォード

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匿名ユーザー

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文学刑事サーズデイ・ネクスト1―ジェイン・エアを探せ!

150 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 本日のレス 投稿日:2006/04/19(水) 03:28:26
文学刑事サースデイ・ネクスト1―ジェイン・エアを探せ!/ジャスパー・フォード
英文学なんてハイブロウなネタを使って、ここまでしっちゃかめっちゃか
馬鹿楽しい作品が出来るとは・・・とまず絶句。メタフィクション的しかつめらしさは皆無な快作。
文学が老若男女に持て囃されている、という本好きにとっては夢のような平行世界が、
そのネタに留まらず細部までみっちりと設定されているのがSF的にも楽しめる。
130年以上を経ていまだに続くクリミア戦争、分離独立したウェールズ人民共和国、
非合法化されたシュールリアリズム運動、文学者崇拝が嵩じてジョン・ミルトンやウィリアム・ブレークに改名するものが
後を絶たないため、そうした名前は番号制を義務づけられている・・・などなど。
中でも主人公もその一員であるところの特別捜査機関SO(スペックオプス)は極めつけ。
ご近所揉め事担当のSO-30から、文学刑事局SO-27、対吸血鬼・人狼課SO-17、タイムパトロールなSO-12
など曲者ぞろい。ちなみに「8より上は法より上」らしく、SO内でもそれぞれが何をしてるかは機密事項とか。

ストーリーの方も、定番のタフでいき遅れなヒロインの恋愛に、
超常の力を持つ怪盗と暗躍する巨大企業の謀略が交錯し、これに
マッド・サイエンティストな伯父さんの新発明やら、タイム・パトロールに追われ続ける時間旅行者な父親
(登場するときは時間が止まります)が絡んで、現実と虚構の入り乱れる大波乱。
これがちゃんと大団円に着地するさまは、まさに文学の奇跡。
最後にはシェイクスピアの正体(?)まで判明するサービスっぷり。
色々文学作品の引用はあるけど、「ジェイン・エア」の結末だけ抑えておけば支障はない、かと。
10点

301 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/05/10(水) 22:14:28
文学刑事サーズデイ・ネクスト〈1〉ジェイン・エアを探せ!

ちょっとテムポ悪いかなと思ったが読み進むに連れて
奇妙な世界にはまった。イギリス系のクスクスギャグも
好みに合う。悪役の絵に描いたような安倉つぶりも笑える。
これはかなり良い

350点
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