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マイクル・スワンウィック

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zgok0079

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大潮の道

756 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/08/12(土) 02:28:33
大潮の道/マイクル・スワンウィック

『グリュフォンの卵』が滅法面白かったので続けて読んでみた。
南米マジックリアリズム+サイバーパンク、あるいはコンラッドとカフカの奇怪な混合。
魅力的なSFガジェットてんこ盛りな割りに、その印象はスタンダードなSFとはかなり異質で、
ジャンルに収まらない酩酊感を味わった。
大枠は作中でただ「役人」とだけ呼ばれる男が違法テクノロジーを盗んだ男を植民地惑星に追うミステリー仕立てだが、
変身の神話でもあると同時に、自己再発見の物語でもあるし、オカルティズムに性や植民地の問題も含まれている。
そんな錯綜した構造の上に、異様な密度で書き込まれたガジェット、キャラクター、背景も相俟って、
とても一読しただけでは全貌が掴めない。
ゴーメンガーストとバベルの図書館を掛け合わせたような星間政府の本拠〈謎迷宮〉の描写だけで十分長編5本分くらいのアイディアが詰まっているのに、
それをほんの1章の挿話に留めているストイシズム(あるいは贅沢)ときたら!
10点

グリュフォンの卵

180 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/04/26(水) 00:59:53
グリュフォンの卵/スワンウィック
ヒューゴー賞の5編は普通に面白かったが
そのほかのは難しいのが多かった……
特に最初のやつと表題作、わけわからん
質はすごく高いと思うけど、作風が幅広すぎて
とらえどころがない感じ
ストレートな宇宙SFやエンタテインメントも
書ける人だということは分かった。
「死者の声」がいちばんよかった。
8点

283 名前:でへ 投稿日:2006/05/07(日) 17:33:08
グリュフォンの卵 マイクル・スワンウィック ハヤカワSF

同じ作者の作品で、前に読んだ「大潮の道」は、ラストに
激しく違和感があっていまいち面白くなかった。

今回の短遍集はなかなか面白い、
新しいテクノロジーによって、人間は人間でなくなって
しまうのか?
という重い問いがあってなかなか良い。
「大潮の道」同様、少し、「文学してる」って感じの
話があるのが、気になるヒトは気になるでしょう

8点

708 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/08/04(金) 00:22:05
グリュフォンの卵/マイクル・スワンウィック

ニール・スティーヴンソン風テクノゴシックを思わせる盗賊譚やイーガンばりのアイデンティティ問題を扱って見せたかと思えば、、
オーソドクスなタイムトラベルものや惑星=生物ネタなんかも描いてみせる。
ダンセイニやゼラズニィへのオマージュ溢れる小品なんかもあって、とても一人の作家の短・中編集とは思えないお得感一杯の一冊。
粒揃いの十篇ではあるが、特に印象に残ったのは、「犬はワンワンと言った」「世界の縁にて」「ウォールデン・スリー」の三作。
時に「世界の縁にて」は短編として完璧な出来で、鮮やかなオチに唸らされた。
9点
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