今日読んだSF/FT/HRの感想@SF板まとめページ

チャールズ・ストロス

最終更新:

zgok0079

- view
管理者のみ編集可

アイアン・サンライズ

641 :でへ:2007/03/01(木) 23:22:14
アイアン・サンライズ チャールズ・ストロス ハヤカワSF文庫

緊迫感のある展開と、やたらとコワイ悪役のおかげで
結構面白かった。
ガジェットが一杯で理解しがたい前作を読んだせいか、
続きとなるこの話にも違和感無く溶け込めた。

後半になってくると悪役がだんだんコワク無くなった
のが、ちょっと×
まあ、次回作につながるオチが、ちゃんと付いたので
よしとする。

7点

残虐行為記録保管所

235 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2008/05/27(火) 17:11:52
チャールズ・ストロス「残虐行為記録保管所」

クトゥルー+スパイ+SF、という惹句に惹かれて読んでみたが、
想像したのとちょっと違って面食らった。
オカルトがらみの事件を担当するイギリスの諜報機関にスカウトされた
主人公の冒険を描いているんだけど、重点が置かれているのは活劇的要素
よりも、現場レベルとはまったく異質の力学で動いている官僚組織の奇奇怪怪
ぶりのほう。
それがいかにもイギリスらしい自虐的ユーモアと比喩満載で
語られるのだけれど、あちらの事情に疎い日本人としては隔靴掻痒の表現も
多いうえに、これでもかというくらいコンピュータとオカルトと疑似科学の
専門用語がマシンガンのように繰り出されるので、別に全部を理解しなくても
物語を理解する妨げにはならないとわかってはいても読み進むのに大変苦労した。

押井守作品とか「攻殻機動隊」とかで、アクションよりも裏側の政治的駆け引きの
ほうに面白さを感じる人なら楽しめるんじゃなかろうか、と思う。

5点。

シンギュラリティ・スカイ

485 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/07/02(日) 08:04:27
シンギュラリティ・スカイ C・ストロス 8点
とても読みやすかった。ラノベは全く読んだことないですが、多分殆んどのラノベより
読みやすいんじゃないかな。キャラは立ってるし、ノリは脳天気だし。
あの有名なナレーションがあそこで引用されるくすぐりには笑った。
マンスール大佐を何となく草薙少佐に見立てていました。(原作1巻限定ね)
作者はスキズマトリックスが好きだそうだけど、へび使い座ホットラインにも通じる気がする。
さて、我が日本の明日はどうなるんでしょうね。新共和国の様にならなきゃいいが…
なんて思わせるちょっと意地悪なお話でした。SF者はヒッピー好きだね。
エシャ㌧とロヒャルツの革命についてもっと書き込んでほしかった個人的願望から8点。

541 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/07/17(月) 01:07:57
シンギュラリティ・スカイ/チャールズ・ストロス
早川の新訳ものでは久々の当たり。
ドストエフスキーかトルストイの小説の舞台になりそうな封建的ロシア系植民星に、
突如、雨のように降り注ぐ携帯電話…という冒頭から、引き込まれる。
主人公である二人のスパイのロマンスがメインプロットだが、むしろ
「相手を楽しませる」ことを条件にどんな願いも叶える「フェスティヴァル」と呼ばれる異星人(?)
が引き起こすとんでもない事態と、それに翻弄される人々の群像劇的描写が面白い。
「敵役」であるところの停滞した封建社会の軍人や秘密警察たちも、決して無能一遍に描かれるわけではなく、
かえって彼らが最善を尽くすからこそ、そのテクノロジー的、認識論的限界が露呈される結末が悲哀さえ感じさせる。
有能な指揮官と充実した装備を擁しながらも、圧倒的に異質な存在を相手に、何が起きているのかも分からないまま敗北していく
宇宙艦隊戦の描写は、迫力十分なだけに悲劇的。
人知と隔絶した超AIなど「ハイペリオン」を思わせる設定も多いが、本作はキリスト教的「愛」や人間の進化・進歩、
といったものにまったく回収されることなく、それらの価値観に恐ろしく冷笑的なところがイギリスSFらしい。
状況をひたすら混乱させるだけ混乱させて去っていくだけの「フェスティヴァル」の冷たい異質さは、
禍々しくも魅力的で、自由と啓蒙を説く主人公たちの苦闘が、その暴威の前に水泡と帰すさまは、いっそ爽快でさえある。

9点

224 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2007/05/26(土) 00:27:21
「シンギュラリティ・スカイ」
数ヶ月ちびちびと読んでやっと読了。
旧弊な世界に突如四次元ポケットが降り注いで…というドタバタを予感させるプロローグから、
皮肉をちりばめた序盤はそれなりに楽しめた。
ペースががっくり落ちたのはどうでもいい宇宙戦艦に乗り込んでからで、それこそどうでもいい
描写がひたすら冗長に続いたのにはウンザリさせられた。
どうしても長さをかせぐ必要があるんだったら、フェスティバルまわりや改変された惑星につい
ていろいろいじってくれたほうが良かった。

3点。残念ながら読む前の予想通り。
記事メニュー
目安箱バナー