今日読んだSF/FT/HRの感想@SF板まとめページ

ロバート・アトキンソンウェストール

最終更新:

zgok0079

- view
だれでも歓迎! 編集

ブラッカムの爆撃機

766 : ◆GacHaPR1Us :2007/03/11(日) 22:45:20
ブラッカムの爆撃機
ロバート・アトキンソン ウェストール (著)
宮崎 駿 (編集)
金原 瑞人 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/product-description/4000246321/

 嫌われもののブラッカム小隊が撃墜したのはなんの変哲もないドイツ夜間戦闘機だった。そのはずだった…。
軽妙な語り口と兵士独特のユーモアを交えて物語るのは、ちょっと不思議でちょっと恐ろしい事件だった。
本当に恐ろしいのは、なんなんだろう?ブラッカムの爆撃機に宿ったものか?それに怯える人間たちか?
はたまたこんなことを起こした戦争そのものなのか?…わからない。『敵』も『味方』もない。
最後に残ったのは友情だけだった。『敵』も『味方』もないただの友情。カックイー!!

他二作、とくに「チャスマッギルの幽霊」ってこれドラえもん時間パラドックス解決法じゃないか!?
ラストの転回が見事で、いやはやSFだわ!

…あの名作「スターメイカー」のオラフ・ステープルドンといい、イギリス人っていうのは心の奥底に
ファンタジーが宿っていて、それを極々自然に、哲学してみたり文学してみたりできるんだと思う。
アメリカ人はそれを見習って必死でファンタジーを魂にインストールしようと頑張って
その結果生まれたのがSF文学大系だったんだ。
本当になにげないファンタジー、児童書扱いはもったいない。

10点。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー