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ヴィクトル・ペレーヴィン

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zgok0079

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チャパーエフと空虚

82 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2007/09/29(土) 12:17:36
「チャパーエフと空虚」ヴィクトル・ペレーヴィン 群像社

この作者のを読むのは初めてだが、予想以上に凄かった。
精神病患者が治療のため精神病院で互いの幻覚を共有体験する、
というのが中核アイデアなのだが、主人公プストタ(空虚)
が体験する軍人チャパーエフをめぐる幻覚(?)体験の中で
展開される自我・意識の本質に関する哲学的議論が面白い。
ロシア社会やロシア人、諸外国(日本もあり)の文化に対する
風刺的ギャグも満載で、ロシアネタに関しては
素材自体になじみが薄いこともあり一部ピンと来ないものもあるものの、
終始ニヤニヤしてしまうような面白さに満ちている。
特に日本人の会社に面接に言って腹切りをさせられるくだりは
抜群に面白かった。
そして、次第に何が幻覚で何が現実だかわかんなくなる・・・
というディックとかプリースト、あるいはドグラマグラ的な
流れになり、ラストでどんでん返しの連発でした。
プリーストの「双生児」が良かったという人にはお勧めできる本。
9・5点

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