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ジャック・マクデヴィット

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zgok0079

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Seeker

160 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2008/05/20(火) 00:12:59
"Seeker" ジャック・マクデヴィット(Jack McDevitt)

古美術商アレックスシリーズで06年のネビュラ賞受賞作。もちろん未訳だよ。
シリーズ第1作のA Talent for War (1989) が"ハリダンの紋章"という邦題で91年に出版されている。
長い間を置いた2作目Polaris(04)に続く3作目。独立してるので前作読んでなくも(多分)オーケー。

アレックスはひょんなことからカップを手に入れるが、それは2600何年だか(具体的な年忘れた)に
アメリカの圧制から逃れるために地球を飛び出し、以後全くの消息不明になった宇宙船The Seeker号で使われていたものだった。
ぐえへへへ俺が見つけてやるぜとアレックスは捜索を開始するのだった……。
というのが筋。

今年の11月に出るという4作目に"A new Alex Benedict mystery"のコピーが冠せられていることからも
分かるように、SFミステリーとでも言うべきスタイルでストーリーは展開する。こういうのは珍しいんじゃないの。
結論をいえば第一級の娯楽系SF小説であり、よほどのすれっからしのマニアを除けばだいたいの人を満足させるデキであろうと思う。
最後は、まぁ展開としては読めるものの、感動する。いやホントこのラストは単純に良いと思いますよ。

これといった短所は見あたらないが、まぁ敢えて言えばとんがった所もないというのが短所かも知れず、
そういう意味では日本のSF作家でいえば小川一水か。
ネビュラ賞ということだがプロが投票するという同賞の性格を考えると、ちとどうかなと思うところもある。
プロが選ぶなら短所があってもぶっ飛んだ作品に与えたほうがいいのでは、と。
まぁ、功労賞的な意味合いがあるのかも。

しかし著者を検索して驚いたのは1935年生まれということ。もうジジイじゃねーかオイ。
にもかかわらず、ものっそい精力的に執筆している模様で、やはり肉食ってるやつらは違う。

8.5点。

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