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ボブ・ショウ

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去りにし日々、今ひとたびの幻

316 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/09/19 19:31
ボブ・ショウ「去りにし日々、今ひとたびの幻」

本作は、70年代イギリスを代表する器用なSF作家ショウの傑作短編
「去りにし日々の光」に大幅加筆した、代表作とされる。
本作はまずスローガラス発明の発端と、普及の状況をリアルに描きながら、
メインストーリーの間にスローグラスを巡るサイドストーリーを差し挟む
という構成になっている。
「去りにし日々の光」は見事に美しいストーリーで、ショウが長編に
書き直すことを決意したのも十分にうなずける。

しかし、肝心の長編部分のストーリー展開があまりにも陳腐で、
ちまちましている。しょうもない三角関係や、何の意外性もない
暗殺事件の捜査など、エンタテインメントとしての最低水準を
大幅に下回っており、誉めるのが難しい。
辛うじて、ラストのスローガラスの塵で、若干名誉回復するものの、
ジェーンと結ばれるラストはあまりにもありふれていて、
怒りすら覚える。
結論。ショウはやはり短編のほうがうまいのではないか。
本作はアイデアが秀逸であるにもかかわらず、長編としては
明白な愚作。
収録された短編「去りにし日々の光」一編を読めば十分。

1点

襤褸を着た宇宙飛行士

628 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/05/30 09:29
ボブ・ショウ「襤褸を着た宇宙飛行士」

面白かった。二重惑星を気球で渡る話。
人物が多彩でアクション満載、恋あり復讐あり親子の絆あり、
権力抗争あり決闘あり。
異世界の奇妙な動植物の生態とその謎解き、破滅に向かう世界と
そこからの脱出イベント、謎が解かれて得られるSF的カタルシス
とそこから提起される新たな謎。
よくできたエンタテインメントだと思った。
惑星の間に空気があるのは解せないが・・・(笑)
続編の「木でできた宇宙船」も読みたい。

9点

The Palace Of Eternity

571 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/04/26(火) 06:10:03
Bob Shaw "The Palace Of Eternity"
第一部は普通の宇宙冒険SFなのだが、主人公が死んでしまい、
あれっと思った第二部から、唖然とする展開が待っていた。
ボブ・ショウ版の「幼年期の終り」という感じの
進化テーマSF。
展開がやや性急な感はあるものの、熟練した人間ドラマと
壮大なSFアイデアがよく結びついており、たいへん面白かった。
9点
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