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萩原麻里

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そらのこども

596 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/05/01(日) 15:34:33
萩原麻里「そらのこども」(ヒヨコ舎)

作者は講談社系の少女小説レーベルで書いてる人。
こりゃいいわ。魔術学校ものに分類できるんだろうけど、
キャラ萌えやドタバタに頼らない堅実な作りが好感高し。
 ム ネ リ
「霧練り」という局地的気象操作、水蒸気凝結/硬化/成形技術が
この世界のキーテクノロジーなんだが、それの学科がまたなんつーか
飽和水蒸気量がどうとか「気象と気候の違いを述べよ」とかSF心をくすぐる。
学校の位置が万年雪をいただく山岳地帯という設定も
谷甲州ばりの山岳小説とまでは言わないが、ちょっとした雰囲気を生んでる。

主人公の同室者はガキ大将、秀才メガネ、守ってあげたい劣等生と
寄宿舎小説の基本をふまえており、後半それぞれの過去が語られて深みが出てくる。
まあその結果、主人公がちょい薄くなってしまっているのは確か。
最後のほう四人の体験と伝説(作中の大仕掛け)との関わりが若干スムーズでなかったかな。
そのへん割り引いて7点。

判型はハヤカワJコレに近い。一応ラノベなんだろうが、目立つイラストは表紙だけ。
こういうイラストなら好きだ。ていうか電撃とか富士見とか、なんであんなんばっかなのw 
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