今日読んだSF/FT/HRの感想@SF板まとめページ

キース・ロバーツ

最終更新:

匿名ユーザー

- view
管理者のみ編集可

パヴァーヌ

548 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/04/14 01:48
キイス・ロバーツ「パヴァーヌ」

教会がテクノロジーを抑圧し世界の半分を支配するという「もうひとつの
歴史」における人間模様と、圧制との戦いを濃密に描写。
細かいディテールの書き込みがリアリティを高めている。
英国田園地帯の雰囲気が全編を覆っており、「古き人々」の存在など
テーマといい描写といい、ホールドストックの「ミサゴの森」などとも通ずる。

文学作品としての練度は非常に高いと思うが、SFらしいアイデアのすごさや
驚きには欠けるので、個人的な好みからやや外れる、よって7点ぐらい。

849 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/06/18(土) 21:49:58
「パヴァーヌ」キース・ロバーツ
設定は実に魅力的だー!
連作短編集なんであんまり人物的な深みまでいかないかも。
その分、歴史の大きなうねりが感じられるのは改変モノとしてよし!
あまりに正統的なリアリズム調は正直今の日本人読者には耐えがたいかもしれんが、
ハヤカワ青背で鍛えたやつなら大丈夫だろ。
ただひたすらイングランドの荒れ地の風にさまよえ!
「腕木通信」(中野明)「蒸気機関車メカニズム図鑑」(細川武志)
などをあわせて読むのもよし。

Grainne

642 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 04/06/18 01:09
キイス・ロバーツのGrainne。

ケルト神話の女神でグラーニアとか読むらしい。
女神の具現化したらしき娘がマスコミを使って世界を
手玉に取り、ケルト神話や仏教などをベースにした
思想で潮流を巻き起こす・・・というような話だった。
語り手の男のカウンセリングで語る話、という形式で
進行し、男の生い立ちなども書き込まれ、結構読みにくく
独特の雰囲気。
どこまで事実で、どこまで男の幻覚ないし作り話なのかも
判然としない。怪作だった。
適当な感想だが、荒巻義雄の初期作とかと結構近い感じかも。
ちょっと難しかったので、今度は翻訳で読んでみたい。

初読7・5点ぐらいだが再読したら上がるかも
記事メニュー
目安箱バナー