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虹村那由多の奇妙な日常-第15編

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orisuta

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私は虹村那由多。M県S市杜王町のぶどうが丘高校に通う高校1年生だ。
現在私は地元のレストラン『トラサルディー』でウェイトレスのアルバイトをしている。
仕事は忙しいが、幼い頃からの顔見知りの店長や一緒にバイトをしている友人と、充実した日々を送っている。
……充実した日々を送っている、はずなんだけどなぁ……

**

「そんなのってひどすぎます! HWチームの方がバトルを楽に済ませられるからって、私たちをクビにするだなんて!
『宝石』に出演したおかげで、元々はさほど目立ってなかった私のスタンドが、いつの間にか『柱の女(藁』なんてイメージ持たれちゃったんですよ!?
その責任さえ取ってもらってないのに、いきなりお払い箱なんてあんまりです!」
「んな事情知ったこっちゃねーよ……。てか、そんなイメージなんてついてねーから」
 さっきから店の隅っこでなんか言い争ってるお客さんがいる。いや、周りに気を使って、小声でやってくれてるんだからいいんだけどさ。

「なんか、どこかの作品の主人公と執筆者さんみたいだね。作品に出るって、大変なんだねー」
「今この作品に出てる私たちが言えた話か、それ? だいたい、ついこの前『メタ発言止めろ』って言ったのはショコラじゃない」
『トラサルディー』の店内を忙しく駆けずり回りながら、私とショコラは暇を盗んでだべってる。
本来ならあまりいいことではないのだが、働きづめでは疲れきってしまうし、何よりダレるからトニオさんは見て見ぬふりしてくれてる。おかげで、こっちもやりやすい。

「そういえば、最近微妙に常連客が来なくなってるよね」
「あー、そういやそうだな。確か……、ウェイトレス萌えに飽きた、とかいう理由で来なくなったらしいぞ。
私としては、そんな奴ほうっとけばいいと思うけどな」
「そうもいかないんじゃない? お客さんが来ないのは、やっぱり良くないよ。ちょっとくらいのコスプレくらい、我慢してもいいんじゃない?」
「だが断る。私は、コスプレなんていやだぞ。このウェイトレスの格好さえ恥ずかしいっていうのに、もっと恥ずかしい思いはしたくないぞ。どうしてもやるならショコラ一人でやってよ」
私の断固とした反応に、ショコラは何も言えなくなったのか、がっかりした顔でそっぽを向く。ちょっと言い過ぎたかな……
とか思ってたら、いきなりショコラが顔をあげて、私の顔を見据えてくる。
「……ねぇ、那由多ちゃん」
「な、何?」
「那由多ちゃんって、緑の髪をツインテールにしてるよね?」
は? 何言ってるんだこいつは? 私の髪がどうなのかなんて、見りゃわかるだろうに。ともあれ、訊かれたからには返事をするしかない。
「この作品ではの話だけどな。けどなー、見ればわかることなのになんでそんなのを聞くんだ?」
「えーっとね、一応の確認。じゃあ、確認もとれたし、ちょっとネギ持ってもらっていい?」
ショコラが厨房からとってきた長ネギを手渡され、私は面食らうしかなかった。
??? なんでネギなんだ? それに、持つ理由がわからない。けど、断る理由もないんだよなー……
 
 
 




「ほれ、持ったぞー」
「うん、じゃあそれを上下に振りながらこの歌を歌ってもらっていい? お客さまー、今から那由多ちゃんが歌いまーす!」
制止さえ間に合わなかった。途端に揚がるお客さんの歓声の中、ショコラがよこしてきたのは、歌詞付きの楽譜。
知らない曲だけど、断れる雰囲気じゃない。どうすんだよ、これ……。
歌えと? 歌うしかないのか? ちくしょー、歌えばいいんだろ!

「『Dub-I Dub-I Dub-I Chu-ppa-ppa
…(中略)…
男性の皆さん那由多のココは空いてますよ
「暖めますか?」「お願いします。」
今すぐチンしてブッこんで!
あなたのバナナ わたしのマンゴー
皮を剥いて食べちゃって
まだまだ欲しいの? だけども それでも
乱暴にしちゃ らめぇぇぇぇぇぇぇ!!
…(中略)…
さぁさぁいつまで一人にするの?
あなたの"ネギ"はお飾り? No!No!
誘惑視線で見つめて そうそう!
どうにかこうにかなっちゃいそう!
とどのつまりは私を愛して
なりふり構わずギュッとして?
元気出して ○○○出して
今夜もあなたとショータイム!


魅惑のキャンディー 1万個舐めたら
大人になれるかな? ちょっとは胸も膨らむかな?
わたしはあなたに 溢れる愛を注いで欲しいんだよ
思いっきり今叫びたい


だから早くぶちまけてー!』
……おい、これって何の曲だ? なんか、すっごく卑猥な気がするんだけど」
(*歌詞は『くるみ☆ぽんちお』より一部改編して引用)
 
 
 




「え? 普通の歌だよ? ただの、果物とミルクと麺類とパンケーキを歌った歌にしか聞こえないけどな。おいしそうな曲なのに、那由多ちゃんったら変なの」
……いや、絶対普通の歌じゃない。だって、お客さんが口をあんぐりさせて私を見てるから。
さっきまで小声で言い争いをしてた隅っこのお客さんも口あんぐり……? なんか、男性の方はしてやったりといった顔で、女の子の方は「もう厭この筆者……」とか言って頭を抱えてるぞ。なんでだ?
「あー、ショコラ。これ、ここでやめていい?」
「ダメだよ~。歌いかけで止めるなんて、よくないと思うよ?」
いや……、どう考えてもこの場合は歌い続ける方が間違ってると思うんだけどな。ん? ネギ振って、歌を歌うのって、どっかで聞いたような……。って、ああっ!!!

「今やっと気づいたぞ! お前、私を初音○クに見立てたのか?!」
顔を真っ赤にしてわめく私に、ショコラのやつはにっこりと頷いた。
「そだよ? 那由多ちゃんも初○ミクも緑髪のツインテールだもん、キャラかぶってるじゃない」
「かぶってない! 私はアーケードゲームになんか進出してないぞ!」
「えー。だって、那由多ちゃんだっていろんな人をなっゆなゆにしてるじゃない」
「してねぇよ! なゆたんなゆたん言ってるやつらは向こうが自発的になっただけ! 私は何もしてない! そもそも、『なっゆなゆ』って何なんだ!」
「けど、那由多ちゃんも○音ミクも、胸はないのは一緒でしょ? ”『初音ミ○ -Project DIVA- 2nd』ではミクの胸が前作より小さくなっているようです”って研究もされてるのに……」

ドスッ
「…………それ以上言ったら、今度はこのネギをショコラの***にブッ刺して、奥歯ガタガタ言わせた挙句に、『ファンタスティック・プラスティック・マシーン』で綺麗にさせるぞ。
そして、向かいの中華料理店の店員に下げ渡して、チャーハンにして食わせてやるからな」
「ご……ごめんなさい……」
オデコにネギを突き立ててやって、ようやくショコラは沈黙した。OK、それでいい。黙る時に黙ってくれる奴は嫌いじゃないぞ。黙ってくれない奴は今みたいに流血沙汰で黙らせるけどな!
たまたま来てた向かいの店員とそのスタンドが、
「いや、俺の『チャーハンツ・クルヨー』はスカトロな料理を作るスタンドじゃないんですけど……」
と抗議しかけたのも、ギロリ、とにらんでやって黙らせる。


ところで、私があれこれ脅す様を隅っこの女の子は黙って見つめていたんだけど、いきなりポン、と手を叩いたようだ。で、
「なるほど……、あんな風に脅せばよかったんですね。ウフフフフ……、筆者さぁん? 私達現メンバーをどうしてもお払い箱にするのなら……、覚悟は出来てますよね?」
うわー……、なんか怖い笑顔してるよあの子。筆者、マジでやばいんじゃね? 勘弁してほしいなー、あいつが再起不能になったらこの作品にまで影響出るもんなー……

まあ、この後の出来事を簡単にまとめると、こういうことらしい。『宝石』メンバーは変更しないで最後まで続けるそうだ。
……私も、後で脅しとくか。執筆速度が最近遅れ気味だしな。
とか思っていたんだが、
「ナユタさん……。アナタ、食材をそまつにシマシタネ?」
いつの間にやら我らが雇い主が、ものすごく怒った顔で私とショコラの背後に近付いていたのだった。

給料10%カットだってよ、トホホ……




使用させていただいたスタンド


No.387
【スタンド名】 チャーハンツ・クルヨー
【本体】 中華飯店で見習いの青年
【能力】 作るチャーハンの味は天下一品




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