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虹村那由多の奇妙な日常-第2編

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orisuta

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私は虹村那由多。M県S市杜王町のぶどうが丘高校に通う高校1年生だ。
現在私は地元のレストラン『トラサルディー』でウェイトレスのアルバイトをしている。
仕事は忙しいが、幼い頃からの顔見知りの店長や一緒にバイトをしている友人と、充実した日々を送っている。
……充実した日々を送っている、はずなんだけどなぁ……

**

「ドラァッ!」
私は一歩踏み込んで、ミス・リトル・サンシャインの掌で前方を薙ぎ払った。本来なら、高熱の軌跡が相手を襲うはずだった。
なのに、なのに、

ドドドドドドドドドドドドド……

       ・・   ・・
「な、なんで後退して、後ろを薙ぎ払ってんの?!」
動揺する私に、正面に立ちはだかる男はにやりと笑った。
「フフフ……。我が『シング・ライク・トーキング』は、『概念』を『反転』させる能力。
このスタンドの前では、逆説こそ真をなすのだ!」
……なんか、格好いい事を言ってるけど、必死に後ずさることで前進しながら言うのはやめような、うん。
「そして、なゆたん!」
「誰がなゆたんだ、おい。大体、私は見ず知らずの『世界の変革』を目指していそうな男に親しげに呼びかけられる理由なんてないぞ」
「うむ、そのことだが、私はうっかり自分の目標にも能力を適応させてしまってな。今ではボスキャラタイプであった自分をオタクキャラに『変革』したのだ」
うわー……、すっげーかっこわりー。自慢げに言うことじゃないなー。
「コホン、話を戻すが、我が能力を君に適応すればどうなると思う?」
男の言葉に、私の顔が引きつった。こいつ、まさか!
「そうだ、この作品では『誰にもデレないツンツン系美少女』の君が、『誰にもツンツンしないデレデレ美少女』になるのだッ!!!」
な、なんて恐ろしい事を考えるやつなんだ……。吐き気がするほどの羞恥プレイじゃない!
「これで、全国に散らばる数億人のなゆたんファンが歓喜のあまりショック死するッ!」
……いや、そんなにいないし、死にはしないから。お前、なんだかんだ理屈つけて私に羞恥プレイをしたいだけだろう。
そんな私の突っ込みなんぞ大いに無視して、こいつはノリノリで動き出した。
「Let's start!」
男がパチンと指を鳴らすと同時に、舞台がいきなり『トラサルディー』の店内へと切り替わった。
同時に、私の体が勝手に動き出す。入ってきたばかりのお客様に、
「いらっしゃいませぇ♪ 今日は何をお召し上がりですか? いつも通り、トニオさんにお任せですか? それとも、食べたいのはこのわ・た・し?」
(うぎゃああああああああああああああああああああああああああああ! 恥ずかしすぎて死ぬゥ! むしろ、死んだ方がよっぽどマシなんだけど!)
顔は真っ赤なのに、体は厚かましくも扇情的に動き回る。ちょっ、何でそこでチラリズム! お客さんが鼻血吹いて倒れちゃったじゃないの!
ふと気がつくと、店の端っこで父さんが口をあんぐりさせて立っている。ああもう、この際父さんでもいいや。助けてー!
「ふむ、君は『父親になかなか素直になれないお年頃』で、父親は『名うての親バカ』だったな。その『概念』を『反転』させるッ!」
ちょっ、いらんことするなー!
「パパぁ……、いつもツンツンしてごめんなさい。私、本当はパパのことが大好きよ」
うぎゃぁぁぁぁぁ、なんという羞恥プレイ! もうわかった、私の負けでいいから早く能力を解除してぇ!
そう思ってると、父さんは、
「俺頭いいからよォ~……、最近たまに考えるんだけどよォ、娘の為には時にはあえて距離をとることって重要なんじゃねーかなァ。
まあ、どうでもいいんだけど……、ところで、あんたらウチの娘に用があるんでしょ? どうぞどうぞ」
な、何だってェェェェ! ちょっ! お客さんたちが目を爛々と輝かせて近づいて来てるんですけど!

**

ガバッ!
私は汗だくになって身を起こした。花柄のパジャマはもうベトベトだ。
「ゆ、夢か……。にしても、なんっつう悪夢を見てるんだ、私は」
げんなりした顔で私は呟いた。

**

数日後、数百キロ離れたとある都心のこと。
「ええ?! 旅行中にまたエターナル・ナイトメアが暴走した?!」
「はい……。その日は、風邪引いてホテルでずっと寝てたんですけど、うつらうつらしているうちに、ごく短時間だけ暴走してたみたいなんです」
「でもよー、特別酷い目に遭った人っていねぇんだろ?」
「えっと、そうですね。コントロールできるようになっていたんで、前みたいなことは起きなかったと思います。……たぶん」




使用させていただいたスタンド


No.1013
【スタンド名】 シング・ライク・トーキング
【本体】 「世界の変革」を目指し、スタンド使いを率いて暗躍をしている男
【能力】 「概念」を「反転」させる

No.698
【スタンド名】 エターナル・ナイトメア
【本体】 眼鏡をかけた女子高生。プッツンすると怖い
【能力】 相手に悪夢、この場合の悪夢は相手が嫌がる物や人、またはその状況などを見せる事が出来る




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