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虹村那由多の奇妙な日常-第3編

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orisuta

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私は虹村那由多。M県S市杜王町のぶどうが丘高校に通う高校1年生だ。
現在私は地元のレストラン『トラサルディー』でウェイトレスのアルバイトをしている。
仕事は忙しいが、幼い頃からの顔見知りの店長や一緒にバイトをしている友人と、充実した日々を送っている。
……充実した日々を送っている、はずなんだけどなぁ……

**

「すっかり遅くなっちゃったな、今日はバイトがないからいいんだけど。……それにしても、弓張部長といい、碧陽会長といい、人使いが荒いんだよなぁ」
私は、心底疲れ切った表情で夜の街を歩いていた。父さんが心配していそうだが、私だって好き好んで遅くなったわけじゃない。
今日は弓道部の練習があったのだが、片づけの際にバケツに躓いて転んで、雑巾を絞った水をぶちまけてしまったのがそもそもの始まりだ。
おかげで弓張部長に掃除をやらされて、終わってさあ帰ろうという時に、今度は我が高校の生徒会長こと碧陽葵先輩に捕まった(垓が生徒会の書記なんてやっているおかげで、知り合いなのだ)。
書類整理に人が足りないとかで、無理やり働かされて私はもうヘトヘトだ。会長の『ジプシー・キングス』で、三日はかかる作業を一時間で終わらせたのはいいけど、疲労は残るからなぁ……

げんなりした顔で私が歩いていると、
「えっと……、どうしよう」
「どうしようも何も、出てくるのを待つしかないんじゃないかな……」
姉と作家さんが心底弱りきって顔を見合わせていた。どうしたんだろう?
「お姉ちゃんと作家さん、何かあったの?」
「あ、那由多ちゃんか。今日は学校から帰るのが遅かったのか。実はね……」
どうも、話を聞くとこういうことらしい。
出版社の社員の名刺を、キャバ嬢か何かの名刺と勘違いした姉が、泣きながら作家さんを追いまわしているうちに、偶然無関係の人を『オープン・ユア・アイズ』でブン殴ってしまったらしい。
うわ、ドジだ……。まあ、放ってもおけないから、何かしらアドバイスしてみよう。
「とりあえず、ニューシネマパラダイスで、殴っちゃった人の過去を見てみたらどう? どこの誰か分かれば、手の打ちようもあるし」
そう言ったのが間違いの元だった。私たちが見た、被害者の過去は想像を絶するものだったのだ……

**

「母・静香、姉・芽依子、妹・泉、従姉妹・譲華、幼なじみ・遥、友達・亜希、ご近所の外人さん・イザベラ、恋人・なゆたん、嫁・クスリさん、
セフレ・ジョルナータ、こういう家庭を俺は持ちたい」
茂木卓男はオリスタSS板を見ながらこう呟いた。そして、不味い事に彼にはそれを成し遂げるだけの「力」があった。
SEX-メン・ファイナル・ディシジョン、「触れた人間に一度だけ、自分が心の底から望む相手との性交をさせる能力」、それが彼のスタンドだ。
ただし、その後で相手は必ず死んでしまうが、それでも今の彼は構わなかった。
「俺は、必ず彼女たちの上で腹上死してみせるッ!」
……変態が、妙なことを力説していた。
そして、彼は自分自身をSEX-メンで触れ……、待ち受ける出会いを求めて路上へと飛び出し、『オープン・ユア・アイズ』に顔がひしゃげるほどに殴られたわけである。
 
 
 




**

「「「…………」」」
私たちは口をあんぐり開けて、被害者もとい変態の過去を眺めていた。正直、こいつには情けはいらないと思う。
「私のスタンドの中が18禁になってるって考えたら、凄く死にたくなっちゃうよぉ……」
頭を抱える姉だったが、ぶっちゃけ私も頭を抱えたい。『オープン・ユア・アイズ』の中は姉自身でも管理不能だから、実際そうなっててもおかしくない。
「しかし、最悪だな。たぶん、異世界で女の子になったクスリ売りちゃんが『あなたのその大きなトラックを私につっこんでぇ!』とか言ったり、
『宝石』主人公の気弱なジョルナータ嬢が『うふふ、みんなを満足させられるように、タコの足を全身につけてあげますね』と言ってたり、
那由多ちゃんがスカートのすそを咥えて、『お客様、私の貝料理をお召し上がりください』とか言ってると考えたら……」
「うん、そんなことを考える義兄候補も最悪だ」
あ、私の言葉に作家さんまで目に見えて落ち込みだした。……まあ、他の作家さんのSSキャラのエロパートを思い浮かべないだけマシか。
そんなことやってたら、それこそシャレにならないし。
「で、どうするの? この変態を、どうやって処理するの?」
私の言葉に、現実世界へと引き戻された作家さんと姉は顔を見合わせ、
「「ふ、ふ……、腐ハハハハアアアハッハアアアアアアアアアアアアアアアアッ!」」
と突如高笑いを始めた。ごめん、現実世界に引き戻して悪かった。頼むから、元に戻ってくれ。でないと、割とマジで逃げたくなる。
「「決まっているじゃないか(の)。こういう場合はね……」」
二人の説明に、私は自分の顔が見る見るうちに引きつっていくのを覚えた。

**

「うがあああああ~! だが、ヤッたぞ、俺はついにヤッてヤッたぞ!」
『オープン・ユア・アイズ』から、直接川へと放り出された茂木卓男は、それでも大いに勝ち誇っていた。
しかし、その顔が不意に引きつる。彼の腕に、いつの間にか黒い触手が巻きついていたのだ。
その先には
「……ウホッ、いい男」
青いツナギを着た男が、紫色の口にするのもおぞましい姿のスタンドを身にまとっていた。
「見てくれ、俺の『マーラ・ザ・ビックボス』をどう思う?」
「凄く……大きいです。……って、違う! く、来るなァッ……アッーーー!」

**

「『河原で全裸の男性遺体発見。死因は直腸破裂。警察は現在、事件と事故の両面から捜査している』ねぇ……。
なんか、妙な事件もあるもんだな。……それはそれとしてよォ~、母さん、コーヒーもう一杯! 砂糖は2本で頼むぜ」
「はーい!」
今日も我が家は平和なようだ。なんか妙な事件が聞こえたような気がするが、気にするつもりはない。
変態なんぞには関わりたくないし。




使用させていただいたスタンド


No.1056
【スタンド名】 ジプシー・キングス
【本体】 スタンド使いが多く存在する高校の生徒会長
【能力】 時間を凝縮する

No.1126
【スタンド名】 SEX-メン・ファイナル・ディシジョン
【本体】 キモオタ童貞
【能力】 触れた人間に一度だけ、自分が心の底から望む相手との性交をさせる

No.131
【スタンド名】 マーラ・ザ・ビックボス
【本体】 青いツナギをきた男
【能力】 白い液体を射出し付着した相手の生気を奪い取る




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