futaba-faust@Wiki

文章置き場

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集

葉を食べにやってくる牛らと戦う大根、ファウスト人の姿を持つ彼はみんなのために戦うのだ。
それは大根としては普通じゃない自分が大根社会に受け入れられる唯一の方法だった。
ファウストの存在に手を焼く牛たち、でも大根の葉は食べたい。
D・Mはファウストの親友である人参を人質に取りファウストに降伏を迫る。
仕方なく降伏するファウスト牛たちはファウストを捕えた後、約束を破り他の大根をみんな食べてしまった
怒りに震えるファウストの元に何者かの声が聞こえる
「貴方の魂と引き換えに力を与えよう」
悪魔の囁きに身を任せファウストは復讐に燃え牛たちを撃退逃げ帰ったD・Mを牧場帝国の主は許さず、
再改造を施す力を得て再びファウストを襲うD・M、
しかし悪魔の力には勝てず放置され死にかけた所を暖かい光に助けられる。
生き残った仲間と共に牧場帝国に殴り込みを書けるファウスト
次々を牛たちを殺すも、その度に彼の魂は闇に染まっていく最後に残った《牧場の主》は彼を未来永劫呪われる穢れた大根だと罵る。
光の加護を受けたD・Mと最後の戦い 相討ちに。ふたりの魂は融合し牛大根のゴマ味噌あんかけとなった。



大根の葉と同じ身の丈ほどもある雑草を踏み分けてくる音が聞こえた。
奴が来たのだと悟ると同時に、大根のファウストは覚悟を決めた。
「もぉ~」
 土壌公国全域を震わせる雄叫びとともに奴――D・M(ルビでデブルマッソー)がやって来た。
「ファウスト、下がれ! お前が喰われちまったら」
「無理を言うな人参。俺達が根を下ろしている場所から動いていいのは、死ぬ時だけだ」
「けどそこに居たらどの道……!」
 じゃがいもの悲痛な叫びが、土壌公国の最前線に根を下ろすファウストに届いた。
と同時に、ファウストの頭上を制空権まで達そうかという巨体が覆い尽くした。
「ファウストよ。独りで心細くなかったか?」
 くっちゃくっちゃと反芻を繰り返すD・Mがファウストの前に立ちはだかった。
今、彼の周囲には他の大根達の無残な喰いカスが無情にも転がっていた。
以前の襲撃の際、何故かファウストだけを残して他の大根は彼の目の前で、
D・Mの四乗に拡がる宇宙(ルビでカオス)な胃袋へと成す術なく消化吸収されていった。
「喰う(ルビでやる)なら喰え! 我が根はすでに覚悟完了だ!!」
 人参やじゃがいも、キャベツといった他の野菜達が息を呑んだ。
ファウストの覚悟は本物だと感じたのだ。無論ファウストもただ喰われるつもりはない。
まだ未成熟の青さを残すその根で、D・Mに最後の苦汁を味わわせてやるつもりであった。
だが、D・Mからは予想に反した言葉が返ってきた。
「ふふふ。まあそう急くな。この前は貴様だけわざわざ残してやったのだからな」
「何ィ!?」
 どういうつもりなのだ。ファウストはその葉をしきりに逆立ててD・Mを威嚇した。
「貴様に教えておいてやろうと思ってな。確か貴様、海鮮帝国に意中の魚がいたな?」
「ブリリーナのことかぁーーーーッッッ!!!」
 彼のシックスセンスがそう囁いた。D・Mは鼻息荒く高笑いした。
「もはや土壌公国に用はない。次は海鮮帝国に攻め込むことにしよう。ふははははっ!」
「草食動物の分際で、貴様はぁァァ!!!」
 彼はその葉を大きく振るわせた。しかしそこに数多の野菜をすり潰してきたD・Mの臼歯が迫ってきた。
他の野菜達が大きく叫ぶが、それはなんの意味も成さず――
 ――ぶちぃィッっ
「ぬふぅぅ!!」
「はぁーっはっはっは!! 光合成もできぬその身を呪い枯れ果てていくがよい!!」
 D・Mは大根の葉を根こそぎ喰らい切った。切れ口からカロチンが抜け出すかのように、
ファウストは急激に根から力が失われていくのを感じた。
「鰤が腸を抉り出され辱められる様を前に己の無力を悔いる貴様の姿……拝めぬのが心残りだ」
 D・Mの声が遠くに聞こえる。いや、遠くなっているのはファウスト自身の意識なのだろう。
「ぬふぅ……ちくしょう……こんな最後…………ブリリーナ……――」

そう
                            

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

目安箱バナー