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カサブタ

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カサブタ 04/02/15

  パンの中でもメロンパンは割に好きであったが、何度目かの大怪我の時、メロンパンのざりざりが「カサブタとそっくり」であることに気付いてしまい、以降一歩引いた感がある。

  メロンパンのカサブタだけを全て先に食べてしまった頼りない姿の禿坊主パンはまた殊の外不味く、それは味気ないというよりも食物としての属性を拒否しているかに見える。かと言ってカサブタごと普通に食べたとしてもカサブタが歯の裏に粘り付き、それをこそげ落とそうと必死で舌先を使って攻撃している際に歪曲する無意識の伸縮顔は、いい年なんだからそんなもの喰うなよとの警告を具現しているから、つまりメロンパンは子供の味と判定される。

  ところがカサブタなしのふわふわした奴をメロンパンを名乗ることは許されない。メロンフレーバーな何かを混ぜ込んだクリームを使って「これが本当のメロンパンです」いや違う。カサブタなくしてメロンパンとは呼びたくないのだ。

  何故メロンパンにはカサブタの台としてふわふわした綿の部分があるのか。あれは本当に必要なのだろうか。必要ないと子供の頃に考えてそのまま大人になった奴がCalorieMateやPure-inなどの開発を命じたのだろう。

  カサブタは即ち痒いのであって、無条件に「痒い物」との認識が摺り込まれているから別段痒くなくとも弄り掻き毟り剥がしたくなる。そこにメロンパンがあれば全面引き剥がしたくなるのは当然の理であって、この衝動は「おこげ」に対して発動しないからメロンパンはやはりカサブタなのである。

  マスクメロンの網もまたカサブタであるが、用が済むと剥がれる類のカサブタではなく、割れた茶碗を接合する金漆のような存在であるから、いくらぺりぺりぺりぺり剥がして台紙に貼って飾りたくても不可能だ。

  カサブタの漢字を大辞林で確認してみた。「瘡蓋」の字が、カザフスタンとカサブランカに挟まれていた。

 
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