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集中

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集中 05/01/16

  集中力にさほどの自信はないが、それでも時折集中していたことを後から知る機会がある。

  何かを書いている場合、仮にキーボードに向かっているならば両手が塞がっているから問題はない。手書きである場合や本を片手で読んでいる場合、そして空いている手に煙草や禁煙パイポを持っていない際に途方に暮れた手が大人しくしていればよいのだが、例えば親指の爪で額の同じ部分を繰り返し擦り続けていたりするのであって、気が緩んで便所にでも行きふと鏡を見ると額が青丹で出血を起こしていたりする。

  頬の場合は直ぐに皮膚が破れるから気付くが、額は何故か伸縮性に富んでいるから内出血を起こしていても全く気付かず、看板に激突したような跡が残ってしまう。どうかすると擦れ違う人の尋常ではない驚き方に当惑してやっと知ることもある。

  また足も割に感覚が鈍いので気付かない。ひたすら掻き続けていて本を捲る手を変えた際にページが血塗れになってから足を見ると気が遠くなる。そういえば途中で掻く力を弱めたような覚えもあったりする。

  そのような傷は集中力の証であるが、同時に精神の狭窄を示してもいる。煙草を喫うことも忘れるほどの集中は稀であるから、そのような傷が稀にしか発生しないことは喜ぶべきなのだが、それはつまり集中する機会が少ないことを意味しているから複雑だ。

  手遊びの道具として剣の柄によく似た木製つぼ圧しを一時期使っていたこともあるが、単純に痛いので集中出来ず、玩んでいたら取り落とした効果音で更に精神は引き裂かれ、最終的に落ち着くのはやはり禁煙パイポとなる。

  禁煙パイポも最近では紙巻煙草サイズばかりではなくてホームズの使うようなパイプとそっくりのものがあり、これはこれで重宝するのだが、口に銜えてぴこぴこ動かしていると集中力など高まろう筈もなく、結局は落ち着く為に一服しようかと煙草に手が伸びるのだ。

 
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LAST UPDATED 2024-04-28 19:04:38 (Sun)
 
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