テスト中内検索 / 「がらくた」で検索した結果

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    ...料など? 麻雀 がらくた? 画像 リンク 掲示板 掲示板 不具合報告 検索 著作権について リンクについて メールを送る 閑雲野鶴(現本家) 管理部屋   LAST UPDATED 2005-12-26-02 58 24     (C) Copyright 2002-2006 鶴弥兼成TURUYA KENSEY. All rights reserved.
  • 着火
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>基本・心得>着火 着火 04/05/10   屋外で焚き火の為に火を熾す時、張り切る奴が居る。   そういう奴はマッチかライタを用意して、まず捻った新聞紙に火を付け、小枝に移し、ようやく薪に火を移す。薪に火が付くと今度は組み方に拘る。何処で習ったのか知らないがそれは資源の無駄というものだ。   手前のじいさんの田舎の風呂は薪を燃やして沸かす方式で、そこに従兄弟が集うと火を起こすのは子供の仕事と称する遊びであったが、確かに短時間で着火させるには最も合理的であるように見える。ただしそれは小枝や新聞紙などを無制限に使える場合に限る。   本当のサバイバル技術としては、小枝を拾い集めるのは薪のついでとして可能でも、毎回紙という貴重な資源を使うことはしない。枯葉があるなら、また枯れた苔があるならそれを利用すればよいが、実は燃え...
  • 開けてはいけない扉
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>聞いた話>開けてはいけない扉 開けてはいけない扉 03/02/16   聞いた話だ。   以前の「泣いている」に良く似た、開けてはいけない扉を開けてしまったもう一人の男の話をしよう。   状況にあっては付き合いはじめてほぼ一ヶ月。キスまでの仲。彼女の家に行くのは四回目。今回で本丸を陥落させようと考えていた。   彼女はややおっとりした性格で男に免疫がない感じで、一緒に居てどぎどきするより安心出来る人との評価が下されている。手料理をつつき、飲めないと言い張るお酒をやや強引に飲ませてさあ今こそ。   そこで彼女は拒否しなかったので、彼はいけると踏んでキスを重ねてシャツのボタンを外そうした瞬間突き飛ばされる。「ごめん・・・ちょっと待って・・・」そう言って彼女はトイレに駆け込んだ。この時彼は飲ませ過ぎたか、と思い部屋...
  • 下着
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>聞いた話>下着 下着 03/07/13   聞いた話だ。   あのですね、彼女と一緒に買物に行ったんですよ。それも下着。どうでもいい買物ならこっちも気が抜けてますけど下着となるとやっぱり目の色変わりますよね。ね?ね?それでまあ、高級な所でなくて安い所ですけど行きました。支払いは結局こっち持ちですけどね、こっち持ちだからこそ好みの下着選びたくなりますよね。   それでまあ、色々見ながらああだこうだとひとしきりやりあってさすがにお互い疲れて「そろそろ真面目に選ぼうか」と。幸い好みの一致したやつがあったんでそれを選んでですね、「これ」「うん」と頷き合っている所に絶妙のタイミングで店員さんが来ましたね。今までずっと待機してたんでしょうね。サイズ確認の話になったからこっちはぶらぶらレジの方に行って待ってたんですよ。   少し遅...
  • 防具
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>素描>防具 防具 05/03/13   剣道の防具を入れる袋は巨大な巾着の筈である。   防具は着用する順序が決まっており、その順序に合わせた積み重ね方があり、それは袋に入れる時も出す時も一塊として扱うことが出来る。むしろその為に巾着状なのだろうと思う。   竹刀を肩で天秤にして持ち歩くので、巾着であることに別段の不自由はない。しかも防具を一式誂えると自動的に巾着が付いてくるので疑問に思うほうがおかしい。   なのに見てしまったのだ。ごろごろごろと空港帰りと思しき荷物の人が電車に乗ってきた。そのままでは何の感想もないが、夜の車窓に映して眺めてみると何か棒状の物を入れた袋を持っている。釣りかスキーか。さりげなく体を廻して見るとそれは明らかに竹刀が二本入っている袋だ。となればごろごろの二個付いた旅行鞄に入っているのは防具...
  • 自鳴琴
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>提案>自鳴琴 自鳴琴 04/03/14   オルガニートというものがあって、これはオルガンではなくオルゴールである。オルゴールは自鳴琴と書く。   自鳴琴とは金属の薄板を弾くことで音を出し、また板の長さを調整することで音階を作れることから古くより自動演奏機として存在したわけだが、何しろ作るのが難しい。音楽の素養に加えて金属の加工技術も必要だ。   長らく専門家だけのものであった自鳴琴で素人が手軽に曲を作れるようになったのは、オルガニート生産が始まった1860年頃のことで、一時自鳴琴は廃れたものの、何故か近年突如復活し、今ではこちらが主流となる勢いだ。   オルガニートとは、パンチカードを利用した自鳴琴のことで、パンチカードには五線符が印刷されており、そこに穴を開けて装着すれば回転させると旋律が漂うという寸法だ。当然オ...
  • 九九
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>九九 九九 03/02/06   小学生で九九を習う。完全に暗記するまで繰り返し繰り返しあの退屈な呪文を唱えた筈だ。あれは何年生のことだったろうか。夏休み明けに暗唱テストがあったことを覚えているかい。   アメリカの九九は「12×12」まであるという。なるほど1ダースはよく使う単位であるし12を分解して計算し易くするよりは暗記してしまう方が手っ取り早い。度量単位もメートル法でないとなれば益々ますます基本的な計算能力が要求される。にもかかわらず「アメリカ人は計算が速くて正確」という噂をまるで聞かないので、計算する能力の必要ない社会なのか、合理的かつ原始的な方法で対処しているか、あるいはその両方なのだろうと思う。   考えてみると「九九」は小学校で習ったあらゆるくだらない事の中で唯一、役に立っているとは思わないか? ...
  • 天麩羅飯
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>飲食物>天麩羅飯 天麩羅飯 2003/05/31   おそらく一人暮らしをはじめた当初は誰でも阿呆なことをするものと思う。殊に食生活に於いて各々の本能が剥き出しになる傾向があるようだ。   手前の場合、まずチキンラーメン一色に染まった。「簡単で安い」以外の理由はなかったと思う。それこそ朝晩朝晩規則正しく食べ続けていた。だが二ヶ月ほどすると、匂いを嗅いだだけでえづくようになった。その頃には美味いとも不味いとも思わず、ただ惰性で食べていただけであるから、急に別の物に切り替えるきっかけがなく、しかも一応昼には学生食堂で何かしら食べていたので倒れるようなこともなく、日々は流れていた。   ある時、何度も吐くまで飲まされた酒がまだ残っている状態で低く呻きながら丼に湯を注ぎ、蓋をした。水を飲みながら精神統一を図りつつ、食べようといざ蓋を...
  • アイドル
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>回顧>アイドル アイドル 03/03/29   1970年代後半に生まれた世代の色気づく頃は1985〜1995年位なのだが、この時期、「アイドル冬の時代」と呼ばれていた。実際のところこの世代に「アイドルとは誰」と聞いてもはっきりした答えが出せないはずだ。   おニャン子クラブが解散したのが昭和62年。1987年ですね。阪神ファンの性として「昭和60年=優勝=1985年」と刷り込まれております故、昭和後期と西暦の換算は得意なのです。それはそれとして、素人集団のおニャン子がアイドルのイメージとなり、やがて一種の熱狂が去り、解散して「アイドル冬の時代」にようやく色気づき始めた男子は中森明菜か工藤静香かいや森高千里のどうのと、アイドルではなく歌手に縋っている始末。何となく馬鹿馬鹿しいので古いところの洋楽などを聴いていたからこの頃の流れにはあ...
  • 自動階段
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>関西>自動階段 自動階段 03/07/31   関東のエスカレータ左止まり右空けの徹底具合には感心する。   そして関西では反対に右止まり左空け、は残念ながらただの噂であって、真実はこうだ。 「全員進む」   そう、誰一人止まらず全員エスカレータを進む。荷物が重いとか子供であるとかお年寄であるとか連れ合いがいて話をしながら等で堰止める場合もあるが、二車線が一車線になるだけで、やや渋滞しながらも止まらない。短いエスカレータでも、進んだところで短縮できる時間がわずか数秒であろうとも、進み続けるのは関西人の特質ではなく、関西文化の特質であろう。関西にやってくる人は何故か不思議に恐怖感があるらしく、必死で関西に溶け込もう少なくとも迷惑にならないようにしようとの努力により、エスカレータでは前後の人に挟まれて進んでゆくのは、ま...
  • 眠気
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>眠気 眠気 03/07/30   例えどんなに眠くても、何か理由があって強引に目を覚まさなければならない時は悲しい努力を繰り返す。   すとんと眠りに落ちるその直前とは実に気持ちがよいもので、全身が水羊羹に包まれたように気怠く、それはそれで至福なのだが「このまま寝てはいかん」という状況にある時、本能に反逆するべく抵抗勢力が次々と決起する。これが一斉に抵抗運動をすればよいのだが、遺憾ながら本能に挑む抵抗勢力を操るのは、普段なら本能に従属している理性であり、そして理性が起こす行動は、眠すぎる本能下では、多方面作戦の展開が苦手ときている。通常なら本能が理性に従属しているべきであるが、勘で車内検札をかわそうとして訳の判らない駅で降りてみたり、勘で図書館を探し当てたり、勘で真夜中に煙草を販売している自動販売機を見つけたりする生活で...
  • 制動
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>素描>制動 制動 04/11/06   ある路線の電車に乗っていて、空席はないが混んでいるとも言いきれない状態で、手前は連結部横の短い座席の隅に座っていた。   運転士としての研修期間がどのくらいかは知らないが、初舞台からしばらくはお目付け役と一緒に運転席に入っていることが多く、それを見る度に激励と不安が混合された情調が起動されるのだが、新人は通常緊張しているから大きな事故はない。   制動が妙に荒い列車に乗り合わせた場合は苛々するもので、対処としては下手糞めと念ずるしかないのだが、この度余りにも制動の下手な列車に乗り合わせて考えが変わった。何しろ駅に進入する毎に停止する直前必ず「がごん」と制動するから人々はその毎に煽られる。最初は下手糞めと念じていて、次第に学習せいやと怒りが生成され、最後には笑いが誕生した。   ...
  • さんど
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>飲食物>さんど さんど 2003/12/07   フルーツサンドな、本気で売り出したらかなりいけると思うねんけどな。   病人相手にサンドウィッチの差し入れで、ドライフルーツ適当に挟んだ物が豪く美味かったと思いねえ。それ喰うた奴がおっしゃてんで生果物缶詰果物買い込んで色々試してみたと思いねえ。何かが欠けていることに気付いてしばらく宙を睨んでいたと思いねえ。バターでもマーガリンでもマヨネーズでもろくな味になりゃしねえ。何だ何だと考え続けて思い出したるは「丸ごとバナナ」生クリームが要であったと。   「丸ごとバナナ」は菓子パンの中でもさらに際物、しかも持ちが悪い。しかしながらこれを展開すると金脈が見えてくる。フルーツサンドを主食の位置まで押し上げる為にすべき事は何だろかいね。とりあえず、林檎は駄目だ。水分がパンに吸われて林檎ぱさ...
  • 腹筋
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>提案>腹筋 腹筋 04/02/08 (「万歩計」改題)   万歩計なんですけどね。   あの不恰好なデザインはひとまず措くとして、その機能に注文がある。振動数を計測するのは当然の話だが、時計がついていたりして、それならばと腕時計と合体させる馬鹿もいるようだが、脂肪燃焼量をグラムで表示したりしている機能もあったりするが、歩行ピッチを音で知らせる傍迷惑なものもあるらしいが、そんなものはどうでもよい。数だけをこなしても意味がない。   勢いと反動と固定した足の力を最大限に利用して三百回腹筋をするよりも、ジャックナイフを百回するよりも、足を左右四十五度に開き、高さ四十五度で浮かせ、右手の畳んだ肘が後頭部に当たるように頭の後ろに回し、そのまま右手で左肩を後ろから軽く掴み、同様に左手で頭の後ろから右肩を掴み、その姿勢で腹の筋肉を意識しつ...
  • 交差点
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>素描>交差点 交差点 03/09/09   歪んだ交差点というものがあって、交差する一点をoとし、そこへ進入する道をA・B・C・Dとする。道Aはoを通ってCに抜ける。Bはo を通ってDに抜ける。問題は歪んでいることであって、それぞれの角度が90°で正十字を為しているわけではなく、角AoBは約75°くらいだろうか、角 BoCは90°で、角CoDは105°そして角DoAは多分90°、これを線で図にすると撒菱にしか見えないが、これが真上から見た交差点の交差角度であって、当然このくらい歪んでいる交差点などよくあるのだが、ここは一味違う。歪み方が三次元なのだ。つまりAの道からoに進入する際、登り9°ぐらいか、Bからoに進入する道は下り微度、Cからoには登り微度、Dからoへは登り20°はないと思うが、それでも坂道発進は絶対したくないくらい急だ。 ...
  • 耳抜き
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>耳抜き 耳抜き 05/02/09   耳から聞こえる音が変に遠くから響いているなら耳抜きをすればよいが、耳抜きを知らない場合は必死で唾を溜めて飲み込み顎を体操させて切り抜けようとする。耳抜きなら鼓膜の不具合がすぐに解消することを知ると早速やろうとするが、「鼻を摘んで鼻からいきむ」という行為は子供ながらにも矛盾を感じるのであって、摘む指をつい緩めて鼻水が噴出する。仕方がないから思い切り鼻をかむと鼓膜が更に突っ張るのであって、余りにも嫌な感覚だから顎を必死で動かしているうちにふと直る。   耳抜きという行為を体得したのはなんと大学生になってからであって、それまでは鼻と耳が奥で繋がっていることは理科だか何かの授業に於いて頭の内部の図を書き写す課題を通して頭では理解しているが、実際に繋がっていることを体で確かめたのは不幸なことに...
  • べんつ
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>仮説・真理?>べんつ べんつ 03/11/03   「がばばばばば」と喧い車が通った。   ポルシェのような形をしている。車には疎いからそれぞれ特徴的な形や紋章でやっと区別がつくわけだが、このアマガエルのような形はおそらくポルシェ一族に違いあるまい、この音は名高い空冷式とやらであろうと考えていると、ちらりと見えたナンバープレートが「・911」であった。大変判り易くてよい。こういう馬鹿なら許せる気がする。   やはり物心ついて以降植え付けられている印象とは強烈に固定されているもので、久々に角目のベンツを見て「そうそうそうそうベンツはやっぱりこれやないと」と不思議な感動に貫かれた。   最近目にするベンツは悉く丸目であって、あれはどうにも見た瞬間照れる。ベンツとは、無骨な外観でありながら素晴らしい加速性能と安定感を内に秘...
  • 茹で蛙
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>仮説・真理?>茹で蛙 茹で蛙 04/05/01   「蛙を鍋に放り込んで煮立てると逃げるタイミングを掴めないまま茹だってしまう」という話がある。   微温湯に浸かっていたら次第に温度が上がっても気付かずそのまま一丁あがりとなるから「微温湯からは勇気を持って飛び出せ」という教訓を含んだお話であり、その志は良しとするが、蛙は本当にそのまま茹で上がるのか。誰か試してみたか?   「医学都市伝説」というサイトの中に「それは有り得ない」とする文章を見つけて、あの話の胡散臭さに辟易している人が他にもいることを知って嬉しい。そのサイトを運営している坂木俊公氏によれば、蛙は変温動物なので温度の変化に敏感だから無抵抗に茹で上がる筈はないとするものだ。納得するではないか。   さて、では何故蛙の茹で上がることが事実として一人歩きしてい...
  • 光点
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>仮説・真理?>光点 光点 04/10/08   曇った夕暮時にぼんやり空を眺めていたら、光が動いていた。   そして「ははあ。特殊な人々はあれを見てUFOであると断定するのだな」と理解した。この時に与えられた状況は、   一、曇天である   一、夕方である   一、光である   一、動いている   であった。曇天下に於いて一番星より遥かに強い光点が動いていたわけだ。これを忽ち「UFOだ」だと断定しないのは手前が全ての物事に懐疑主義的立場にあることも理由の一つだが、単にUFOなど信じていないからでもある。「目撃したことがないから信じない」という絶対的な信念を元に存在を否定してきたこれまでの立場から、それらしきものを不覚にも目撃してしまったことでその不信の理由を捨てなければならず、しかしながら相変わらず信じないこ...
  • 苦悶
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>苦悶 苦悶 04/11/30   超ひも理論について調べながら足を組み替えた時に金玉をごりっと挟んで苦悶した。   そうか。これで説明出来る。男にしか判らないとされているあの痛みが説明出来る。男たるもの普通に生きておれば何度かは打撃を受けるもので、手前も当然酷い事例がある。小学校六年時分に放課後近所の友人と遊んでいる最中、その年頃の子供の思考回路など想像出来ないが、想像出来ない割に大して成長した覚えもないが、とにかく当然のように意味不明な行動をするわけだ。   きっかけなど忘れたが「ガードレールの上を歩く」という容易く惨状が予想出来る遊びが始まり、当然それは序々に規則が整えられてゆくわけで、最終的には「十秒でどこまで走れるか」という恐ろしい取り決めが為された。ガードレールの上とはつまり鉄板の端であり、綱渡りの綱よ...

  • 閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>虹 虹 04/12/06   虹とは光線と霧の角度を調整すれぱ見えるものだ。   両端は必ず地面に突き刺さっているか途切れて消えているのであって、しかし完全なる虹とは円形になっているらしいことは何かの写真で見た覚えがある。あれは確か尼亜加拉瀑布だったろうか、七色の輪が落水を背景として宙に浮かんでい構図は神秘的と呼べるものであった。   「四角い太陽」と「真円の虹」は死ぬまでに是非一度見てみたい現象なのだが、見ることの可能な場所が限られているならば、その場所へ行くしか方法はない。しかしながら見えるかどうか判らないのに遥々太平洋を横断するほどの余裕もないのでおそらく一生適うことのない夢だろう。   通常の虹が極めて近く見えたならばつい手を伸ばして触れたくなるのは本能であろうが、それは視線の角度を上手く保ったま...
  • ゴキブリ
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>ゴキブリ ゴキブリ 03/06/28   飲食店でゴキブリが出た時、店によっていろいろ符丁があるそうだが、今までそれを見破ったことがない。今回たまたま判ったのは、ゴキブリの第一発見者が手前であるからで、壁に沿ってさりげなく歩くゴキブリをなんとなく眺めていたら何か気配を感じたので振り向くと、立ち止まって同じくゴキブリを眺めていた給仕の女性と目が合った。一瞬彼女の口が「あ」の形に開き、息を急に吸い込んで上体を反らしてから素早く一礼して小走りに去った。すぐに調理場のほうから   「五木さんがお見えです」    イツキさん・・・。   彼がそう呼ばれていることは、しばらくして上役らしき男性が長い柄のコロコロを持って出て来たことで判った。こちらを向いて一礼してからあたりを見回し、適当にその辺を転がしながら鋭い視線を八方に飛ば...
  • いぼいぼ
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>いぼいぼ いぼいぼ 03/11/16   健康サンダルというものがある。   サンダルの、足の裏と直に接する部分にいぼいぼが付いていて、それで足裏のつぼを刺激し、「歩くだけで健康になる」という胡散臭さ極まりないながらもかなり売れている代物だ。あれはどういうわけか一度履くと病み付きになるわけだが、最初に履くときはとても痛い。しかしすぐに慣れて心地良くなる。   しかしながら健康サンダルというものは、その機能性を前面に押し出すことにのみ意を尽くしていて、見た目は実に格好悪く悲惨な姿である。日常散歩範囲ならば問題はなくとも、少しの散歩で健康になれると考える程こちらも初心なわけではないから、ひとつ根性を入れてみようとした時の話だ。   御存知のように健康サンダルは大抵ワゴンの中に480円なり380円なりで纏めて売...
  • 自販機
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>素描>自販機 自販機 04/11/24   とある港町の商店街には釣具屋があり、その横には自動販売機らしきものがある。   最初に見た時はやけに古びていて、選択釦も歩きながら横目で見たら四つだけであったから突撃一番かと思ったのだが、何か違和感があったので少し戻って確認してみると果たして直感は当たっていた。それは釣り餌の自動販売機であった。   仮に販売しているのが疑似餌や練り餌ならばそのまま通り過ぎるべきであるが、選択釦には「砂イソメ」「故障中」「青イソメ」「青イソメ(太)」とある。「故障中」は忘れるとして、生きている餌が自動販売機の中に待機しているのか!   改めて観察すると、販売機製造元の連絡先を発見出来ず元より活餌販売用だったものか別物販売機を活餌に流用したものかは判別不能であり、仕方がないから外観の印象を残す...
  • 泣いている
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>聞いた話>泣いている 泣いている 03/02/12 (「聞いた話」改題)   聞いた話だ。   あのね、聞いた話なんだけどね、聞いた話聞いた話。聞いた話よ?彼女の部屋の鍵を貰って喜んでいた男がいたわけ。いつもは行く前に電話して行くわけよ。でその日もあらかじめ電話しておいたのね。でもたまたま用事が早く済んでワインを買って行こうって思ったんだってさ。でいろいろワインを選んでみたけどどうしても約束の時間まで余るのよ。そこで一度電話入れてさ、「早く行けるから」って言わないと駄目よね。女の子の部屋行く時に突然訪ねて行くのはルール違反だと思うのよ。違う?   でね、彼は突然行って驚かせてみようと考えちゃったらしいのね。馬鹿よね。でもそれが面白いのよ。買ったワイン持ってね、突然行ったらどんな顔するのかいろいろ想像してたんだってさ。まあその...
  • 小ネタ集
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>聞いた話>小ネタ集 小ネタ集 03/08/28   聞いた話、小ネタ集だ。 ○「可愛いカップ集めるの趣味なんです」何気なくそう言ったのを聞き逃さずに、必死で探して贈ったのは、実に可愛い河童のぬいぐるみ。それがきっかけで河童に目覚めた彼女。 ○軟派法 「突然ですが問題です。僕は今何をしてるでしょうか」 「ナンパ」 「ピンポーン。正解です。では次の問題。このナンパは成功するでしょうか」 「失敗です」 「ブー、不正解。ば」 「失敗です」 「罰ゲームとしてお茶奢ってよ」 「嫌です」 「じゃ俺が奢るから」 「嫌です」 ※この直後後ろ歩きの男は放置自転車の海に後頭部から突っ込む。女は平然と歩き去る。 ○身に覚えがないわけではないが、突然喧嘩吹っ掛けられて訳...
  • 賽銭
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>回顧>賽銭 賽銭 03/07/03・04   基本的に田舎育ちなので遊んでいたのは野山である。蝉を取り、甲虫を取り、鍬形虫を取る。もちろんそれだけではないが、彼らを相手にする夏はどうしても行動範囲が絞られる。すなわち椚、椈などのある森や林であって、しかし通常は森の奥深くまで踏み込むことはない。林の一角が主戦場であるが、その林は自然にあるものではなく、人の手で管理されている。当然民家などではなく、神社・寺なのであって、神社・寺である以上、賽銭箱が存在する。賽銭箱が存在する一方で小遣いを使い果たした小学生も存在する。そしてこの方程式は誰でも簡単に解くことが出来る。   さて、いろいろやり方はあるが、試した順に紹介してみよう。いろいろな方法を試してみたということは、つまり全て失敗したということだから、犯罪教唆には相当しない筈である。 ...
  • 銭湯プロフェッショナル
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>回顧>銭湯プロフェッショナル 銭湯プロフェッショナル 03/05/12   かつて風呂のない文化住宅に住んでいた時、銭湯に通っていた。   最初は洗面器にごちゃごちゃ入れていたが、次第に面倒になってくる。洗面器に入っていたのはケースに入れた石鹸、シャンプー、リンス、力を九十度変えて伝える円筒形の歯車のような櫛。そこからまず櫛を捨て、リンスは禿げるのを恐れて使わなくなり、やがて髪より頭皮を重要視し始めた頃シャンプーも使わなくなる。そうなると洗面器などいらず、銭湯へはタオルと液体石鹸のみの軽量化が完了。これ以上減らせるものはないと信じていたが、あるとき、凄い人を見た。   その銭湯が閉まるのが夜十二時で、大抵十一時半から通っていた。そこに来たのが五十代の小柄なおじさんで、作業着姿。何かの工事を抜けてふらりとやってきたふうに見える...
  • 乗物酔い
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>乗物酔い 乗物酔い 03/06/27   乗物酔い、これは体質なのであって仕方がないと諦めている。三半規管が弱いわけだからキリキリ舞をした後は当然しばらく立ち直れず、轍に嵌った自転車のように望んでいない方向へよろよろ進んでへたり込むことになる。へたり込むと体はもう止まっているが感覚はまだ止まっていないので、視界が時計回りか半時計回りに回転している。この回転する方向は最初のキリキリ舞の回転の方向と関連があるように思うのだが、最初どちらに回転すれば右に斜行するのか左に斜行するのか、その後へたり込んで後に視界が時計回りになるのか半時計回りになるのか、具体的に知るべく実験するも、うねる視界に結局どうでもよくなる。   乗り物に酔った時の気分の悪さは格段の趣があって、お酒の酔いとはかけ離れた感覚であるから、車に酔う前に酒に酔ってしま...
  • 余裕
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>基本・心得>余裕 余裕 04/07/02   「余裕」なる概念について。   余裕とはつまり精神的乃至物理的緊張のないゆったりとした態度や状態のことであり、この「余裕」を身に付けることで危機を回避可能である。具体的な例として以下を想定されたい。   まず便所に行きたいとする信号が下半身から漂っている。どうも練りウニが脱出を企てているらしい。しかし危急とまでは言えないようだ。少し集中すれば忘れたつもりが可能だから今しばらく様子を見てみようか。   そしてやや焦り気味の信号が恐れながらと上申して来た場合、先程折角集中した何かをこの時点で投げ出すには惜しいと考え、限界まで粘ることを選択する。悪いが今よいところなのだ。あと少し待機していたまえ。   ついに退引ならない事態である旨の信号が駆け登って来るに及び、渋々腰を...
  • 鬘作戦
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>禿>鬘作戦 鬘作戦 03/12/05   さて、彼はある会社で管理職の地位にある。出世の速度は早くもなく遅くもなく、とりたてて目立つ存在ではない。結婚して小学生の子供が二人いる。   彼は禿げている。若くして禿げていたことによる貫禄は出世の足しにも何にもならなかったと思うが、恰幅がよいので歳より老けて見られる分、交渉事で有利に立てる場合もたまにある。取引先のお偉いさんの葬式に行かされる事もある。   しかし彼は三十八歳、鬘を付けてみたい。周囲は別に気にしていないように思える。妻は諦めている気がする。鬘を考えたきっかけは上の女の子の「パパ禿げてるよね」の一言だった。今までずっと禿で悪いかと腹の底で叫んでいたのに我が子から言われてみると、少し弱気になって「禿はいや?」と聞いてみると、学校の嫌な先生が禿げていて男子は皆禿げに関する...

  • 閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>選 選 04/12/17   独断と偏見で個人的な十選などを作ろうとするのは難しい。   たったひとつを選ぶ場合、それはそれであれかこれかで迷うのであり、しかしひとつならば間違いなく独断と偏見であるから問題はない。個人的な選では独断と偏見に左右されるのは当然の話であり、むしろ個人として選択が独断と偏見を排除するほうが難しい。だから好きなところだけを選べばよいのだ。   それが五選程度であれば全て独断と偏見でどうにかなる。しかし十選となれば状況は変わる。前半は順調に選択を重ねても、後半で迷い始めるのだ。「あの分野からひとつ入れよう」「この分野からもひとつ入れた方が」「そうなると全体の順番を入れ替える必要が」「あ、これは番外だ。番外も同時に作ろう」「もう一度最初からやろう」「やっぱり飽きたからやめよう」   ...
  • 階段
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>階段 階段 03/12/15   こう、階段を昇っていて踏み外してこける時に、上手く手が出たならば冷汗一筋で平然を装って登り続けることが出来るね。これが何か荷物を持っていたりポケットに手を入れていたりすると悲惨です。手が出ない時は反射的に顔を庇うべくまず膝がその皿を呈して段の角に向かいます。これを受身と考えるには痛すぎます。それでも階段の角に膝ならば皿が割れなくても痛みは多少じっとすれば我慢出来ます。悲しいのは膝が出るより先に階段の角に脛を当てた時です。何しろ踏み外した瞬間全体重を乗せて角を脛で蹴るに等しい荒業であります故に、これは涙の出すことも忘れるくらい痛い。   しかもそれが登りのエスカレイタであってごらんなさい。御存知のようにエスカレイタは一段一段が観覧車のように回転している。その回転がずれないように外れないよう...
  • ダイアル
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>電話>ダイアル ダイアル 04/01/21   古い電話に対する郷愁は尽きないようだ。   「じーころころ」と数字円盤を回す型の古い電話は今となっては珍しい。あの円盤を「ダイヤル」と呼び、電話を掛ける事を「ダイヤルを回す」「ダイヤルする」と表現した時代がかつてあり、その時代を反映した幾多の名曲が生まれそして今、それらの曲は内容がいつの時代にも通ずる普遍性を持っていながらも「ダイヤル」の一語があるせいで懐古の対象となってしまう。   0を回す時に感じる遠回りの歯痒さ、1を回す時の短さからくる焦りに似た喜び、ダイヤルを回して戻る時のどこか緊張を秘めたふうに思えるもどかしい速度、いつか見た映画の真似をして鉛筆の尻で回してみた時の気恥ずかしさ、あれらはもう過去の物となってしまったのだろうか。   ところで「ダイヤル」とは何...
  • とんぼり
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>関西>とんぼり とんぼり 03/09/16   戎橋から飛び込む気分はどうだい?破傷風の予防接種はしたかい?大腸菌が元で何か怪しい病気になって隔離される覚悟はあるかい?   あの川は、あれは名目上は確かに川であるが、実質単なるドブであるが、あれでも結構水面から欄干まで高い。特別阪神の優勝がなくてもその場の勢いで飛び込んでしまった知合いは今、忙しく働いているらしいが、おそらく今ごろは飛び込んだ経験談を大いに自慢していることだろう。手前もあの時飛び込んでおけばよかった。   あの川は、欄干から水面まで結構な距離があり、上から酸っぱいシチュー状のものを吐いて、全て一気に吐き終わり、最後に唾を「ぅぺっ」と飛ばした頃にやっと、下の方から「だぱぱぱぱぱっ」と泡っぽいもんじゃの着水する音が聞こえる。この結構な時間差が飛び込む気持ちを萎えさ...
  • 浮気の罰
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>聞いた話>浮気の罰 浮気の罰 03/04/19・20   聞いた話だ。   浮気防止と言えば一度彼女にやられたことがあるんですよ。というか浮気がばれた罰という感じで。彼女の友達が携帯で写真撮ってそれを彼女に送ったらしいんですね。でも何も言ってこなかったからこっちはばれてないと思っているわけですよ。そんな写真まさか撮られてたなんて知らないですからね。   それでですよ、まあ、彼女とホテルでやってこっちは眠ったときのことですよ。やられましたね。眠っている間に毛を勝手に処理されてました。   起きてですよ、彼女がいなくてどこいったかなと捜しながらトイレに行ったら毛がないんですよ。あせりますよ。「ぬわ」という感じ。オシッコしに来たのにするの忘れてしばらく眺めてましたね。小学生のように爽やかに見えますが、でもよく見ると先っちょ...
  • 時計
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>身嗜み>時計 時計 03/06/19   腕時計には個性が出る。一点豪華主義と言って貧乏を丸出しにしている奴もいれば、真冬にダイバーズウォッチをしている奴もいる。風呂に入る時にダイバーズウォッチを外す奴もいる。つけたまま入ればそんなに見せびらかしたいかと笑われ、外せば防水の意味がないとやはり笑われる。だからダイバーズウォッチを普段の生活で装着しているのはとても勇気がある人であり、ただの馬鹿とも言う。   タイの土曜日チャイナタウンで買った邦貨およそ三百円程のネックレス型の時計をしていた。ネックレスとはいえ、ただのステンレスの長い鎖であるから姿勢を変えるとちゃらちゃら鳴ってうるさい。ことに猫背であるからそれが浮いていると「今姿勢が悪いのだ」と自然に気が付くのだが、何しろ三百円、実に十分元を取るまで使ったと思う。およそ三センチの天道虫の...
  • 勧誘電話
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>電話>勧誘電話 勧誘電話 03/02/27   伝説の徒花、「ポケットベル」が全盛期の頃の話だ。   時は携帯前夜、手前は一人暮らしで自分の電話回線を持っていたからポケットベルは必要なかったが、自宅から通っている友人は皆所持していた。ごく初期、まだ「8451」で「はよ来い」などと半ば暗号状態でやり取りしていたらしい頃、自分の名前の打ち方だけを教えて貰い、それを打ち込んで向こうから掛けて貰うようにしていた。当然、名前でなくて電話番号をそのまま打ち込めばそれを見てその番号に掛けることになる。    あるとき、名前を仮に沢口としておくが、沢口が妙に焦った顔で部室に入って来た。彼のポケットベルに着信があり、見覚えのある番号ではなかったものの、市外局番から考えて友人の自宅だろうと気楽に思い、その番号に掛けてみたところ、   ...
  • 写真
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>淑女>写真 写真 03/09/15   写真の写り映えについての遣り取りの間抜けさ加減の次第はかなりのものだ。   写真と実際の違いに愕然とする程の格差がある場合、実際の方が素晴らしいならば素直に「写真とは違って綺麗ですね」とも言えるが、「写真の方が綺麗ですね」と言い張る勇気はなかなかない。写真が極端に綺麗で実際が極端に汚いならば、それはおそらく汚いことを自覚した上で精一杯「それなりに」写るような角度と光線を日々絶え間なく研究しているだろうことが予想されるわけであって、その際はもう、「いい写真ですね」と逃げるしかない。しかしそういう場合に限って自ら「写真写りが悪くて」などと非常なる努力を要したであろう極上の写真を誉めてもらおうと、写りに納得していない素振りを繰り返すから、行きがかり上誉め続けることになるが、誉め過ぎると実際の汚さが次...
  • 貴族
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>仮説・真理?>貴族 貴族 03/06/25   貴族に美男美女が多いのは何故か。   貴族として、またそれに類する立場の者として相手をじっくり選べるぐらい配偶者候補が殺到してくるならば、外見でもなるべく優れた人を選ぶだろうし、そういうことを幾世代も繰り返せば遺伝子の作用で美男美女が多く産出するのは至極当然の結果と言える。   もとより貴族でない場合、しかし何かの後ろめたい事情を駆使したり権力闘争に打ち勝って貴族的立場への仲間入りを果たしたと自分達だけで思っている一家の場合、どうしても素養が足りず、立居振舞いもぎこちないことだろう。そして残念ながら彼らはまだ平民の顔をしているわけだが、落魄せず、しぶとく生存競争に勝ち残りつつ世代を重ねていくうちに、家柄や財産目当てに見目麗しき者がその容貌に似合わぬ下心を持って近付き、取り入り、...
  • イヤホン
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>パソコン イヤホン 03/08/08   インターネットの接続環境が整うとまず靄なしエロサイトに行きたくなるのは当然の話であって、しかしダイヤルアップで海外に繋がれてしまったと騒いでいたその昔に比べ、定額制の契約を交わせばどこまでも強気になり、ウィルスなど気にせず、あっちへこっちへ飛び跳ねるわけだ。やたら立ち上がる別ウィドウにも負けず、まるで意味のない年齢認証にも負けず、どれが本物の「Enter」なのか迷いながら眼と下の眼を血走らせて夜も昼もなくなる。   あるとき辿り着いてみて、音声が音声なのでイヤホンを使って鑑賞していると突然インターホンが鳴った。誰かが来たらしい。その日その時そこへ来る予定の者など誰もいない筈であったから驚いたのだが、そこで動揺せず落ち着いて座っておればよかった。自分にしか聞こえていない筈のイヤホン...
  • 複数術
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>淑女>複数術 複数術 03/08/06   祝い事のある日に、複数の男からまったく同じ贈物を貰って一つを残してすべて売り払い、「男なんて甘いもんよ」と嘯く女と、それを聞いて「カッコいい」「頭いい」と追従する女は何も判っていない。少なくとも経験値とお脳の血が大分足りない。残念だが、女が複数の男から同じ贈物を貰う裏には、複数の女に全く同じ贈物をする男が存在するのだ。   当然このことをよく知っているのは「今の流行はこれ。限定品ですよ」と同じ品を大量に揃えておいて売る側と、「今の流行はこれなのか」と同じ品を大量に持ち込まれて買い取る側である。売る側と買い取る側が裏で繋がっている場合もある。その他「複数術」が露見した場合も詳しくなる。   なお「限定品」とは、枕詞が省略されているのであって、正確には「売れなくなるまでの限定品」である...
  • 天中殺
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>天中殺 天中殺 03/05/09   天中殺とは一発当てようとした占い師が仕掛けた言葉であって、その目論見どおり流行したが聡い人はすぐにからくりを見抜き、やがて廃れた。しかし不幸が折り重なる状態、所謂「弱り目に祟り目」をずばり「天中殺」と表現するのはなかなかに楽しい。というわけで天中殺に入ったある男の話をしよう。   それは吸っていた煙草が苦く不味くなったことで体の調子がおかしいと感じたことから始まる。妙に痰が絡むので覚悟を決めて薬局に突入し、ネオ・シーダーを入手する。それでも喉のいがらっぽさは治らず右側頭部がきりきり痛み出す。耐え難い痛みだ。図書館で頭を抱えて眠ってしまう。   目が覚める。駄目だ。風邪かもしれない。ビールを飲んでみよう。最も気に入っている銘柄のレギュラーサイズの缶ビールを買ってみる。一缶飲むのに...
  • 変態
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>変態 変態 03/09/24   ある時ある国のある通りのある屋台である料理を食べて数時間後、猛烈な便意に襲われた。おそらく生揚げの魚のせいだと思う。   幸いその通りの周辺は散々歩き廻って一応の地図は頭の中に出来ていたから、迷わずスーパーへの近道を、上下動のない摺足で亡霊の如く進んだ。亡霊らしく青褪めてもいたが、それは空だけを切ろうとしたらウニが噴出しそうになり、焦ったからである。かなりの液状化が進んでいるらしく、少しでも油断すればすぐさま爆撃が始まりそうだ。額の汗を垂れるに任せてスーパーに辿り着いたが、そのスーパーは不必要に改築を重ねており、先見性のなさを誇示するかのように、まず入口から半地下へ降りねばならない。臀部の穴周辺の筋肉が、通常歩行による左右対称の前後運動の際はまだ楽だが、ここへ階段を下りる為に加えられる上...
  • 味噌汁
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>飲食物>味噌汁 味噌汁 04/04/19   まあその、味噌汁の具というものは田舎に行くほど増えるわけでね。   味噌汁に色々具を追加すると段々豚汁に近付いたり単なる味噌鍋になってしまうだけでね。いくら取り分けて御椀に入れて「味噌汁です」と言い張ってもそれは取り分けられた味噌鍋でね。田舎に行くほど一度に作る量が増える上手間を省くためにとにかく何でも残り物を放り込んで味噌汁然とさせているわけでね。煮干で出汁を取ってもそのまま煮干を具として使うのはやっぱり味気ないよ。   卵を落として固まるまで火に掛けるのはいいけどさ、固まった卵に煮干が突き刺さっているのは悲しいよね。あと笹掻牛蒡もよく刺さってるよね。とにかく何でも放り込んでしまうというのは水炊きどころか闇鍋の世界だから、田舎風具沢山味噌汁の極意とは冷蔵庫在庫処分と手抜きの極意...
  • 小股の切れ上がった女
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>淑女>小股の切れ上がった女 小股の切れ上がった女 03/05/27・29   「小股の切れ上がった女」という表現がある。   これがまた如何ともし難い迷路となっている。この言葉の意味としては「勝気でさっぱりしたいい女」といったところであって、その形容は誰もが受け入れているわけだが、語源がはっきりしないのだ。諸説どころか一人一説とさえ言える状況で、しかもこの言葉が盛んに言い交わされていたであろう時代と比べて今は着物を殆ど着ないから、どういういきさつで誕生した言葉なのかがわからない。だからこそ様々な説が出て、完全に否定する理由もなく「こういう考え方もあるのでは」とますます混乱が深まる。ただ、これについて何かを言う者は半分以上諦めているわけであって、まあ大抵の場合、座興として楽しんでいる。そして手前もまた、座興として何か解釈をひねり出そう...
  • mi
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>提案>mi mi 03/04/03   このメールマガジンを発行するにあたってMAC用テキストエディタ「みみかき」を使用している。   「アプリケーションmiは予期しない理由で突然終了しました。その他のアプリケーションには影響ありません」と表示されて折角書き上げた筈の文書が保存する暇なく消えてしまうことが実に困る。   状況を説明しよう。まず、新規のテキスト文書を開く。そしてそこに何か書く。一回当たりのおよその目安は一行当たり47文字の30〜40行だ。それを書いているうちに派生した芽を別に一回分に出来ると見当を付けてコピーする。更に新規テキストファイルを開く。最初に開いたものはタイトルが「新規」途中で開いたものは「新規1」となっている。「新規1」に芽をペーストしておく。ここまでは良い。しかしこの後、「新規」の方をざっと眺めて...
  • コネ
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>脱力>コネ コネ 04/11/17   「人付き合いを大切にせよ」   この言葉に類する表現は人生訓として数限りなく存在するが、幾ら遠回しに飾り立てようともその意味するところはただひとつ、究極の真理たる伝説の名言「コネも実力の内」に他ならない。   コネクションを作る手腕を磨くことが奨励されているわけで、人的資源と言い換えたところで所詮は縁故人脈義理手蔓、「コネ作りも実力の内」というべきか、元々の意味は何もせず縁故を持っているのは実力の内であるという銀匙主義を示した言葉であるが、縁故のあることが実力であるならば、縁故を作ることも同様に実力と評価される。だから「日々コネ作りに邁進せよ」と言えば済むのだが、残念ながらそこには権威が存在しないので角度を変えて修飾した「人付き合い云々」を講釈として垂れるのである。   一心に...
  • 強敵
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>どたばた>強敵 強敵 04/06/01   まずエキスパンダexpanderとは、太目の鉄線を螺旋状に隙間なく巻き固めたもので発条と考えてよい。これをそれぞれの端に付いている把手から引っ張ると元の形に戻ろうとする形が働き、その力に抵抗することで腕や胸の筋肉を鍛える目的の器具と了解されている。   その昔、不燃物の中に奴がさりげなく置かれていた。捨てると表現するほど乱れておらず、持主の「何方か拾って活用してくれたなら本望なり」とする意思が感じられたので持ち帰った。本来の目的である自販機のお茶をごぼごぼと飲み、一息ついて早速遊ぶことにする。かつては鮮やかな濃青であったろう把手は力のない空色であり、それは陽に晒された洗濯バサミを想像されると理解頂けると確信する。三本ある発条は金属の輝きを失っている。   少し固めのアコーディオン...
  • バス
    閑雲野鶴>メルマガ>バックナンバ>素描>バス バス 04/05/14   バス停というのは不思議に楽しいもので、停留所名の中には既に行政上葬られた地名が眠っていたりするから見逃せない。   いつか小田原市のどこかに「一里塚」という停留所を見たことがあり、正月の名所として晴着姿の記念写真を撮りたくなるわけだが、生憎なことにそこは幹線国道沿いであり、しかも歩道は申し訳程度の幅しかなく、記念写真を撮るためバス停に群がると歩行者は滞留し、歩行者の便を考えてバス停から一列に並んで歩行スペースを空けると今度は撮影者が轢かれる運命にあり、随分勿体無いと考えたものだ。あのあたりは道路を拡げるか、いっそ停留所の位置を変更して記念写真撮り放題の名所として開き直ればよいのだ。近くに神社があるならば強引に停留所を移植すれば相乗効果も見込める。   鯰峠だか岡山あたりの県境で見たバス...
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