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2 「罪人」(ガリアン)

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2 「罪人」(ガリアン)

 

 

TUMI



■背景:
『神』など存在しない。
吐息が真昼でも白く染まる最下層の地下牢で、子供の手首ほどもある重鎖に繋がれながら、君は思った。

生まれてこれまで、幸運には恵まれた事など無なかった。
「親」などいないも同然だった。
「仲間」は足手まといか、裏切りの代名詞だ。
アスガルドで少しは名を知られた地下組織の斬込隊長に登りつめたのも、全て自分ひとりの力だ。
今まで殺した人数は、「黄昏の時代」であれば、ミッドガルドの「千旗長」に推挙されていただろう。
自分ほど努力をした人間はどれだけ存在するのか。
現実は努力は報われず、組織の誰かの裏切りで、自分はこんな場所で鎖に繋がれている。
理不尽なことだ。

裁判の結果は死刑だろうが、死は怖くない。
死を覚悟する瞬間は飽きるほど越えてきた。
死は、遥か過去に恐怖の対象ではなくなっていた。
ただ自分を裏切った本人に、千倍の後悔と絶望をあたえてやれないまま死ぬのは悔しかった。
-努力は報われず、幸運に見放され、裏切りに対する復讐の機会すら与えられずに処刑される、間抜けな人生。
要するに「神」など存在しないという事だ。

「顔を上げろ。」

いつのまにか、牢の前に立っていた神父服の人影が、鉄格子を挟んで立っていた。
威圧的かつ高圧的な口調だが、声はまだ若い。
「『パナケアの矢』が、第三教区で活動を再開したとの報告が入った。
既に前回の事件と類似した被害が出ている。
今後、私と行動を共にし、事件の解決に協力するならば、貴公には恩赦として二十年の減刑が与えられるが、これは強制ではない。
貴公には選択の権利が与えられている。」

若者が纏った黒い外套の隙間から、鈍い銀光を放つ'異端審問印'が見えた。
'法王庁は捕らえた「罪人」に利用価値があると判断した際、その罪の内容に関わらず『有効利用』することがある'そんな噂を思い出した。
どうやら絶望とも思えていた「復讐のチャンス」が、神の僕(しもべ)ともいえる異端審問官から与えられたようだ。
礼として、協力する振りをして、この青二才に世間の厳しさ、というやつを教えてやるのも面白いかもしれない。
君は、笑いを堪えながら答えた。

「分かった。引き受けよう」

ジャラリ、と君を拘束する鎖が音を立てる。
君は生まれて初めて、「神」に「幸運」を感謝した。



■解説:
異端審問官がその使命が困難だと思われる場合、'協力者'を任命する事ができます(「異端狩り」を伝達する司祭やが、「適任」と思われる'協力者'をリストアップしてくる場合が多いようです)。
たとえ牢に繋がれている在任であても、'協力者'となった人間は、その特殊な知識や技術で異端審問官をサポートする義務があります。
アーキタイプの「罪人」はその特殊な能力(戦闘能力、専門知識等)を買われて、懲役の削減と引き換えに「法王庁の犬」として異端審問官と行動を供にします。
その際の「罪人の拘束程度」は「異端審問官のPC」とGMの三人で話し合って決めてください。

また、法王庁にとって罪人は「使い潰しの効く捨て駒」と捉えている場合が多く、深入りしすぎた場合に、は任務終了後「処理」が待っているかも知れません。

罪人をプレイする場合は、「いかなる理由で罪人となったのか?」を考えるだけでプレイパターンが広がります。
恩人を助けるために無実の罪を被り、身代わりになったのでしょうか?
「異端者」が君に関わり合いがある人物であったため捕らえられたのでしょうか?
元ミッドハルド・ヨルツヘルムの王族の血を引いているとの嫌疑がかかり、巨神・竜の封印されている場所を知っていると思われているのでしょうか?
これらの点を意識しながら、最終的にいかなる形であれ「罪を償う」のが、罪人の進む道なのかも知れません。


注)罪人を選択した場合は、「戦士系」「盗賊系」「錬金術師」「アーティファクト使い」の4タイプから選択してください。

 

 

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