2-1 設定「狂戦士」
背景:
鋼の剣が、槍が、斧が雪原を埋め尽くした。
突撃槍を掲げる騎士団。
巨大楯を構える重装歩兵隊。
後方には嚇翼陣に展開した弓兵隊に混じりバリスタもその巨大な鏃をこちらに向けていた。
‘八千を超える敵軍を、十分の一以下の兵で迎え撃つ’
それが、君が請け負った仕事だ。
『‘得る’ことが出来る人間は、‘捨てる’ことの出来る人間だ』
ある人物が、君にそう言った。
君はたった一つのものを得るために、大切なものを捨てた。
親兄弟、友人、恋人、家柄、名誉、平穏な生活とささやかな幸せ・・・。
捨てたものが何であったのか、今の君は思い出すことはない。
なぜなら君は、焦がれるほどに望んだ‘強さ’を手に入れたのだから。
「うれしそうな顔じゃの。血路すら見えない戦じゃというのに」
君の隣にいた老兵が声を掛けた。
「だからこそ、俺の‘強さ’が試せる」
「フォっ、‘狂戦士’らしい答えじゃな」
君が返した言葉に、老兵は皺と傷で生まれた顔に笑みが浮かべた。
かつて、君自身も‘ある人物’に対して浮かべた笑み。
‘純粋な強さ’に対する憧憬の笑みだ。
直後、‘開戦’を告げる空砲が響く。
八千を越える敵軍の進軍する足音が、地鳴りのように戦場に響く。
「おおおお!!」
その地鳴りが掻き消える程の‘雄叫び’。
君が発した‘咆哮’に呼応し、体に埋め込まれた66のクリスタルが君の体を異形へと変貌させる。
手にした戦斧を振りかぶり、君は敵陣の中心に切れ込んだ。
君の望む‘強さ’は、まだ先にある。
設定:
北天版サムライです。
自らの体に埋め込んだクリスタルを起動させると、異形に変貌する肉体と引き換えに、常人ばなれした膂力、敏捷力、防御力を手に入れることが出来ます。
圧倒的な戦闘力を持つ‘狂戦士’ですが、クリスタルを埋め込む手術は、大変な苦痛と体力の消耗を伴うため、成功率は50%以下、と言われています。。
嬉々として戦場に向かう彼らを、人々は神話の登場人物になぞり‘狂戦士’と呼んでいます。
設定次第で多方面での活躍が望めますが、逆に設定が決まらないとロールプレイが難しいかもしれません。
主役も脇役もこなすことのできる万能アーキです。