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虹村那由多の奇妙な日常-第12編-前編

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orisuta

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私は虹村那由多。M県S市杜王町のぶどうが丘高校に通う高校1年生だ。
現在私は地元のレストラン『トラサルディー』でウェイトレスのアルバイトをしている。
仕事は忙しいが、幼い頃からの顔見知りの店長や一緒にバイトをしている友人と、充実した日々を送っている。
……充実した日々を送っている、はずなんだけどなぁ……

**

「姉ちゃん、ゲームやんねーか?」
トニオさんが里帰りしてるからバイトはお休みだ。花のGWを、テレビの前でごろ寝して過ごしていた私に、垓がそんな誘いをかけてきた。
もちろん私には異存はない。
「いいぞー。で、何のゲームだ? つまんないゲームだったら、私の『リトル・ミス・サンシャイン』の正義の鉄拳がうなるぞ」
「大丈夫だって。オリスタがゲーム化した、とかで色んなジャンルのがあるから、一つくらいは気に入るだろ」
と、垓はゲームがたくさん入った袋をこれ見よがしに振ってみせる。あんだけあれば、まあ一つや二つは面白いのがあるだろう。
「よし。じゃ、ジャンルの選択は任せた」
「OK、なら姉ちゃんを攻略して股を開かせたり、クララベラちゃんを監禁して凌辱したりするエロゲーから……」
ガオン! 『リトル・ミス・サンシャイン』の掌が、熱気を残して垓の目の前を通り過ぎた。
「さーてと、次寝ぼけたことをぬかしたら去勢な。具体的には、手刀でアレちょん切った後、傷口と斬り落としたのを燃やして、治療不可能にするってことだけど」
「い、イエッサー……」
ええい、涙目でこっちを見るな。ショタなら少しは胸キュンするかも知れんが、自分より背の高い変態の弟に涙目で上目遣いされたところでキモいだけだ。
 
 
 




「えーと、じゃあ『ディ○ボロの大冒険』風のローグライクは?」
「最初からそれを出せ。この馬鹿犬」
弟が出したCDをゲーム機に入れる。画面に現れたダンジョンは、結構本格的だった。
「どれどれ……。ふーん、このセーブデーターだと、攻撃用ディスクがレジーナ・チェリ、防御用がエイフォックス・ツイン、能力用はマグダレーナ様か。
見た感じ結構いい状況だな。お、ワン・ショット・アット・グローリーの射撃ディスクだ。装備しとこ」
「だろ? 結構やりこんだんだぜ?」
垓がニヤニヤ笑うのを横目に、私はどんどんゲームを続けてく。ヤバい、これ面白いわ。しかし、
「ギャー! 開幕モンハウ来たー! げ、しかもハムバグのキャンディー飛ばしでエイフォックス・ツイン+99のディスクが呪いつきのロンに!」
「姉ちゃん、おちつけ! まず、レジチェの能力を発動させろ!」
あ、こいつやりこんでる。開幕モンハウくらい平気で進められるようには用意できてんのか。
「レジチェの能力発動、っと……。えーと、『時間の外の世界』ってことで、攻撃できなくなる代わりに透明化・壁すり抜け可能になる訳か。助かったー……」
ほっとした私は、壁をすり抜けて隣の部屋へと逃亡にかかる。けど、
「姉ちゃん、寄り道とかせずまっすぐに……って、アーッ!」
10ターンで能力の効果が切れて、キャラが壁の中で立ち往生した。当然、
「『死因:壁の中で時間の流れの中に出てしまい、生き埋め』……。えーと、本家ディアボロって、オートセーブだったような……」
「……お、俺のデータが。せっかく育ててきたディスクが……」
やばい、ものすごくいたたまれない。垓が、ものすごく落ち込んでる。こんなに落ち込んだのは、クリア目前だったエロゲの入ってたパソコンにお茶をぶちまけてぶっ壊してしまった時以来だ。
「わ、私は悪くないからな! 10ターンで効果が切れることを言わなかったあんたにも問題はあるから! つ、次は格ゲーやろう!」
強引に話をそらし、私は次のゲームを引っ張り出した。キャラ選択画面には、女医時やらバッジョやら見覚えのあるキャラが沢山だ。
「オリスタSSの格ゲーねぇ……。とりあえず、クスリ売りでも使うかな」
「……姉ちゃんがそれを使うってんなら、俺はルーチェwith鬼畜ちゅみを選ぶぜ!」
二人揃って使用キャラを選んで、いよいよ対戦がはじまる。クスリ売りは、相手を眠らせて無防備にさせる能力と、クスリ投与によるスーパーアーマー化、そしてスタンド使いの癖に拳銃なんて飛び道具を使う癖の強いキャラらしい。
けど、パワー・スピード共に最弱クラスの電ちゅみ相手なら大丈夫だろう。そんな風に思った自分がバカだった。
開幕早々、クレーンによる投げをくらってダウンした揚句、起き上りに鬼畜ちゅみが尻尾で拘束した揚句突進してくる技でハメられて、挙句の果てには、
「おっしゃ、超必くらえ!」
ヤケに燃えた垓の入力を受けて、画面の無邪気鬼畜少女が「きゃーっ、たっのしーーーーーーーーっ!」とか言って、ミニガン乱射しながらトラックで特攻をかけてくる。
ピヨってたおかげで直撃をくらった私のクスリ売りは、体力がまだ半分くらい残ってたのに一撃でKOされてしまう。
 
 
 




え、ちょっ、一撃必殺技なんて、ありなの?!
「あー、これ原作再現ね? ディープ・フォレストさんのトラック投げとか、ルーチェのトラック突撃とか、トラックが関わる必殺技は、クスリ売りに対してのみ一撃必殺になるんだわ。
ヤム○ャが栽○マンの自爆くらうと一撃死になんのと同じよ」
「知ってんなら、予め教えろ……」
「俺のセーブデータをふいにした姉ちゃんが言える言葉じゃねーよ」
とかいいつつ、垓は次のゲームを取り出した。
「なになに? 『スーパータクマワールド』? なんだ、あのぼっちはとうとうマ○オのお株まで奪ったか?」
内心呆れつつ、私はゲームを開始した。本家と違ってタクマは、ジャンプ力がなく、基本は床に沿って歩くゾンビを飛ばして攻撃するらしい。
つまりは、チビ○リオとファイアマリ○を足して二で割ったみたいなのが初期状態な訳だ。
「ブロックを下から叩いてっと……、何だこれ? 『グラットニーのディスク』?」
ブロックから出てきたディスクに触れると、タクマが大きくなった。なるほど、スーパーキノコみたいなもんなのか。
「って、あれ? ゾンビが出てこない」
「あー、そりゃそうだろ。今のタクマのスタンドはグラットニーなんだから。パンチで攻撃したモノを大きくしたり小さくしたりできるぜ」
「んー、つまり飛べないマントマ○オみたいな感じ?」
「そうそう、結構使う機会は多いぜ?」
そんなこんなで、私が操作するタクマはステージを順調に進んでく。で、
「なんだこれ? 『丈二印の下剤入り便所カレー』?」
「あ、それはスターみたいなもんね。取ると、催してきて、トイレを探してタクマが一定時間全ての敵をふっ飛ばしながら猛ダッシュしていく訳よ。
ただ、制限時間が来ちまった際に敵に触れちまうと、モザイクのかかったモノをひり出しながら1ミスになっちまうけど」
「悲惨だなー……」
私は、ちょっぴり琢磨に同情した。
 
 
 



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