オリスタ @ wiki

虹村那由多の奇妙な日常-第8編

最終更新:

orisuta

- view
だれでも歓迎! 編集


 
俺は虹村垓。M県S市杜王町のぶどうが丘高校に通う高校1年生だ。
現在俺は、世界を手中に収めるために、高校のスタンド使いと交流を深めたり、世界を手に入れた後のことを考えてハーレム形成に力を尽くしたり、エロゲに血道をあげている。
まあ、充実した日々を送っている方なんだろうな。
……充実した日々を送っている、はずなんだがよぉ……

**

「フフフ……。この日の為に、俺はあらゆることに手を染めた。
姉ちゃんのパンティを『イースタン・ユース』で隠して、ネットオークションで売りさばいたり、『ゴールド・シーカーズ』の本体をパシリにして、ちまちま小銭を拾わせたり……
働かずに金を貯めるのには苦労したぜ。だが、その苦労も今日で終わりだ。今! 俺はエロゲーを買いに来ている!
待ってろ! Fate/st○y night、どん○ゃんがきゅー、WHITE A○BUM、○たわれるもの、つ○きす、装甲悪鬼○正ぁぁぁぁぁぁ!」
……なんか、色々と終わっている人がアダルトゲームショップの前に立って、無駄に大声で気合を入れていた。
「ママー、あの人、何を言ってるの?」
「しっ、見ちゃダメ!」
「クスクスっ」
「うわー、変態がいるよ」
「通報しますた」
当然、周囲の通行人の反応は芳しいものではない。痛い視線を背中に感じつつも、彼はエロゲを買いに大股で店へと入っていった。
 
 
 




**

「イラッシャイ! デモ、オキャクサン、アンタマダ18歳ジャナイハズダYO!」
「いらっしゃいませ! ……んん? おめぇ、姐さんの弟さんじゃねぇか?」
「……げ」
店員は、姉の友人によって改心した『きれいなクスリ売り』と、イタリア人のその従兄だった。
当然、垓にとっても顔見知りであり、姉と自分がまだ18歳以下であることを知っている。
「あんたら、富山の薬売りになったんじゃなかったのか?」
「それがな、全然売れねーでやんの。しょうがねぇから、副業としてアダルトショップの店員を務めて、どうにか飯を食ってるわけ。
クスリ売ってた頃は金に困りはしなかったんだがよォ。世知辛ぇ世の中だぜ」
クスリ売りがため息交じりに漏らす。
「まあ、いいや。てめーが18歳以下でも、金さえ払ってくれれば目をつぶるぜ。お勧めは『ひたすら女子高生の靴下を脱がせまくる』って内容のゲームなんだが……」
「Oh! 誰得デスカ、ソンナくそげー!」
「俺得だ!」
「……少なくとも、コンビ漫才の道だけは進むなよ?」
突っ込みを入れる垓であったが、その時、入口の鈴がカラン、と鳴り、一人の男が入ってくる。
そちらへと目を向けた垓は、首の後ろの毛が逆立つのを覚えた。その男が醸し出すオーラは、ラスボスならこんな感じだろうと言わんばかりのものであったのだ。
「ふむ、青少年の健全な育成に役に立たないもので溢れかえっているな……」
「お客さん、アダルトショップってのは最初からそんなもんですぜ?」
「私は、ここに買い物に来たわけではない。世界の変革の為に児ポ法改正を行おうとする私は、手始めにこの不潔なものを『反転』させるためにやってきたのだ!」
そう言った男の背後から、まがまがしい影が姿を現す。それにしても、つまらないことから世界を変えるなぁ。垓はこっそり突っ込みを入れた。
「! すたんど使イデスKA! ナラバ、私ガ相手デス! 『シンフォニー・オヴ・デストラクション』!」
「営業妨害だけはさせねぇ! 『スリーピング・フォレスト』!」
クスリ売り達が発現させたスタンドに、壁に背を預けながら男は嘲笑を向けた。
「無駄だ。我が『シング・ライク・トーキング』は『概念を反転させる』能力。そして、お前たち三人の能力は調べてある。
今、『スリーピング・フォレスト』の能力は、『眠らせない』ことになっている」
「○眠打破もびっくりだ! 受験生が泣いて喜ぶぜ!」
「そして、『シンフォニー・オヴ・デストラクション』の能力は、虫に命令と反対のことをさせることとなる。
お前は、ゴキブリでも集めようとしたようだが、逆にこの店からどんどん離れているぞ?」
「ごきぶりほいほいモ真ッ青DESU!」
能力を使う前に制圧されたクスリ売り達であったが、そこで男は全く動こうとしない垓に怪訝な目を向けた。
「どうした? なぜ、戦おうとしない? 敵わぬと知って怖気づいたか?」
「……いや、あんたがつくづく馬鹿だなぁと思えてよォ。その、背を持たせかけてる壁の反対側って、普通の本屋だぜ?」
「なん、だと? それでは、能力射程に入っているではないか! 『防音設備のある壁の先は見れず、聞こえず』という概念を反転させる!」
 
 
 




概念反転のおかげで、壁の先が透視できるようになる。その先にあった光景は……
『浦島太郎は、亀に乗って竜宮城へと訪れました。……ふぅ。乙姫様に受け答えする亀の頭のグロいことグロいこと』
『十八史略って、こんなにエロかったのか……』
『”ク○リンのことかぁー!”、”カカロットォォォ!”。これは、カップリングの妄想をふくらませてくれるわ。BLの極致、それはドラ○ンボールに潜んでいたのよ!』
「ああ! なんということだ! 人類の至宝たるドラゴン○ールが、腐女子の魔の手に陥るとは!」
……いや、少なくともそれだけはお前の所為じゃないから。
度重なる突っ込みに、垓は「もう僕は疲れたよ、○トラッシュ」とでも言いたげな気分であった。
「ともかく、このままではまずい! 『シング・ライク・トーキング』、今すぐ能力を解除しろォ!」
壁の向こうの景色が見えなくなる、同時にゴキブリたちが押し寄せてくる。敵が、能力を解除したのは確かだ!
垓は、『処分品コーナー』という張り紙のある棚をブロークン・ユースでつかみ、
「うぉぉぉぉ! 男子高校生の、性への欲求を思い知れぇ!」
「ごばぁっ!」
全力での拳を叩きこみ、そして、
「エロゲに埋もれて、溺死しろ!」
ひっくり返った男の上で、手を開いた。そこからあふれるは大量のエロゲの山、山、山!
「ぎゃあああああああ!」
エロゲの山に埋もれた男を見下ろし、垓はニヒルに呟いた。
「また世界を救ってしまった……。あまりにも簡単すぎてむなしいぜ」

本体名―不明
スタンド名―シング・ライク・トーキング(大量のエロゲに埋もれて再起不能)

「お客さん、それらのケースに傷がついちゃって、売りモノになんなくなったんだけど。買い取ってくれんだよな?」
「……へ?」
結果、垓は折角貯めたお金で、元々買うつもりだった人気作どころか、戦○姫を筆頭とするクソゲーの数々を押し付けられることになり……
「そんな、こんなの、ありえねぇ……「ちょっと! あんた、まだ16でしょうが! なんでエロゲーなんて買ってんのよ!」
更にまずいことに、エロゲーのつまった袋を抱えて店を出たところで生徒会長にとっ捕まり、
「そんなに、エロゲーをやりたいんなら、やらせてあげようじゃないの! 『ジプシー・キングス』!」

「返事がない、ただの屍のようね。ふっ、これで悪は滅んだわ」
一分後、そこには名だたるクソゲーの全てを攻略し尽くすまでの膨大な時間を一分に凝縮させられた垓が、全身の体毛を真っ白にした燃え尽き状態で倒れていた。
精神攻撃もいいところであった。死して屍を拾うものすらない、かわいそうな男の末路がここにいた。

本体名―虹村垓
スタンド名―イースタン・ユース(大量のクソゲーを1分で攻略し尽くすという拷問級の攻撃を『ジプシー・キングス』にやられ、精神的に再起不能)
 
 
 



< 前へ       一覧へ戻る       次へ >





当wiki内に掲載されているすべての文章、画像等の無断転載、転用、AI学習の使用を禁止します。




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

記事メニュー
目安箱バナー