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虹村那由多の奇妙な日常-第16編

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私は虹村那由多。M県S市杜王町のぶどうが丘高校に通う高校1年生だ。
現在私は地元のレストラン『トラサルディー』でウェイトレスのアルバイトをしている。
仕事は忙しいが、幼い頃からの顔見知りの店長や一緒にバイトをしている友人と、充実した日々を送っている。
……充実した日々を送っている、はずなんだけどなぁ……


「はぁ……、どうも生徒会でのことがトラウマになっちまって、性欲がなくなっちまったぜ……。なんつーか、ここは新たな性癖に目覚めねーとダメだと思うんだわ」
「私はお前の頭がもうダメだと思うぞ」
 復帰早々に寝ぼけたことをぬかしてついてくる弟を、バイト先に向かいながらも私は一刀の下に斬って捨てる。むしろ、性欲のない弟の方がよっぽどありがたいから現状に不満なんてないのだ。
この点ばかしは、七不思議に感謝してる。……けど、こいつはこのままだとすぐ新たな危険な性癖に目覚めそうで怖いんだよなー。主に、違法ロリに萌えるとか。
バカ弟をどうやって制御するか、頭を悩ましていた私であったが、その時ふといい考えが思いついた。
「あー、垓。あんた、どうしても新たな性癖に目覚めたければ、せめて明日にしなさい。で、明日になったら、更にその明日まで待ちなさい。で、これをどこぞのボスの死ぬ回数と同じくらい繰り返しなさい。
それが済んだら、近親相姦萌えでも何でも生温かい目で見守ってあげるから。むしろ、協力してあげる」
 言うまでもなく、詭弁である。明日が今日になる時、新たな明日が存在するのだから、毎日後回しにしていれば永遠にその日は来ない。つまりは、ずっと変な性癖に目覚めるな、と言っているのと同じことだ。
が、生憎垓はバカだった。
「明日かー……。まあ、姉ちゃんのいうことだしな、そうするわ」

 この時ばかりは、弟の頭の単純さをありがたく思う私であったが、そうこうするうちに『トラサルディー』に到着する。さてと、バイトを頑張らないとな。
「おはようございます、こんにちはー!」
 明るく元気にドアを開けた私を待っていたモノは……


                              fイ} ト,
                          弋ヽ i l.lノフ
                            i }/ T!/
                        _,,..   f ) ノ { 
                     //  .`/   / _  
                       / .i    /    /  (rテ.¨Eョ‐─-- 、
           ┌└冂7^>┐/ヽ.人_ノ /¨´ /ヽ、/{_/  /¨´ ̄ヽヽ
          ,rく冂ーYト/´7  _..i_  T/   l  / / ! /:::::::::/⌒ヽノ
          )‐ニ=-=ニ二( /  \/     l"´    i ,'::::::/    ´ 
           | |,,_   _,{|    /゙丶、 _..!、    人i_il.. ---r‐、
          N| "゚'` {"゚`lリ`¨ ‐く     ¨''ー-==-─ ¨  ニニ二{ミ、
             ト.i   ,__''_  ! ..,,_  ヽ            -‐=ニ¨-、
          /i/ l\ ー .イ|、  l  ̄ ̄ ̄¨ T ー--─ ''"´ ̄¨ニ'‐'ヽ!      ヤ ラ な い か
    ,.、-  ̄/  | l   ̄ / | |` ┬-、 .. /  ̄ )__,,..__入..__ノ  )ノ
    /  ヽ. /    ト-` 、ノ- |  l  l  ヽ.て"⌒Y´    ヽ   `¨´ノ
  /    ∨     l   |!  |   `> |  i丶、_  ヽ_,,.. -干- ..,,_/
  /     |`二^>  l.  |  | <__,|  |::::::::: ̄¨::::::::::::::ミ
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……席に座るキモオタであったとさotz


「なんでッ、あんたがッ、来てるのよッ! このキモオタぁぁぁっ!!!」
「な、那由多ちゃんおちついて! キモオタさんが呼吸できなくなってるよ!」
「それでいいの! ショコラ、私はこいつの息の根を止めようとしてるんだから!」
 首根っこをつかんでブン回すおかげで、キモオタは既に酸欠で気が遠くなりかけてるって時に、先にやってきてたショコラが慌てて私を止めやがる。
ちぇっ、こんなやつは一辺あの世に行かせるくらいでいいと思うんだけどなぁ。……今度、『振り返ってはいけない小道』に騙して連れ込むのもアリだな、うん。

ともあれ、ショコラの顔を立ててキモオタを離してやる。で、店の外に追い出しといて、
「次に来たら、容赦無しに燃やす! あんたの『クレイジー・クラフト』で酷い目に遭ったのを私は忘れてないんだからな!」
と、怒鳴りつけた揚句にこれ見よがしに塩を捲いてやったら、泣きながらキモオタは帰っていく。願わくば、今後二度と現れないでほしい。さてと、店内に戻るか。

「ふぅ、やっと変態がいなくなった……って……」
どうやら、私の考えが甘かったようだ。何時の間にやら阿部さんと相席になっていた垓であったが、
「うわああああ じゅっ 準にゃんかわいすぎるうよぉ~~~っ! 見れば見るほどもっと萌えたくなるぞッ! こりゃあよお―――ッ!!
か わ い ー ー い っ !! 『男の娘』に目醒めたァーっ!
阿部さんッ! 俺、『男の娘たちのハーレム』を築くことに決めました!」
……なんか、雑誌を見ながら変なことを口走ってた。しかも、阿部さんは、
「判ってくれるか、垓。ようこそ……『おホモの世界』へ…………」
なんて煽ってるよotz

「ちょっ、あんたねぇ! さっき言ったことはどうしたのよ!」
 暴走する弟に、柄にもなく大慌てする私であったが、垓のやつはこともあろうにケロリと、
「姉ちゃん! 明日って今さッ!」
と返して来やがった。しかも、阿部さんに至っては、
「おいおい、那由多……。男と男のコミュニュケーションに口をはさんじゃいけないな……。
と、いうことで、早速だがその制服を今すぐ脱いで、垓のやつに着せてやってくれ。男の娘を通して、めくるめく『漢の世界』へと引きずり込みたいんでな」
「………………か」
「か?」
「帰れぇぇぇぇぇぇぇっ!」
どうなったかは言うまでもない。変態どもに、『リトル・ミス・サンシャイン』の鉄拳をお見舞いしただけだ。


「はぁ……、まったくあのバカたれは」
「あはは、お疲れ様那由多ちゃん。今日も平常運転でよかったね」
 仕事を始めてから1分、どっと押し寄せてきた疲れに肩を落とす私に、ショコラがニコニコしながら声をかける。
……これがマジでいつもの光景だから始末に負えないんだよなぁ。私、何気に恵まれてないと思うんだがどうだろう?
げんなりする私であったが、この日は更についてなかった。最凶のお客が来ていたのである。


バイトに取り掛かってから一時間。私の太ももがモジモジし始めてきた。
「どうしたの? 那由多ちゃん」
「あー……、その、何というか……。うん、ショコラ、ちょっとここ任せた。私、ちょっと用を足してくるわ」

も よ お し た 。大慌てでトイレへと向かった私であったが、
「『アクセンスター』、この世からトイレを消しされ……」
という呟きを聞いた直後、なぜか私はどこへ行くつもりだったか判らなくなってしまったのだ。
尿意は刻一刻と高まってくるのに、何処へ行けばいいのか判らない。まさか、女の子が野外で済ませる訳にもいかないけど、店の中に尿意を解消できる場所もない。
どうすればいいのか判らず、私は戸惑いながら股に力を入れた。せめて、出すのをこらえて、後でトニオさんから適当な瓶でも貰って済ませよう。
そう思った私であったのだが……
「『アクセンスター』、今度はパンティだ……」
何処からかまた呟きが聞こえてくるとともに、今度は下腹部が急にスースーするようになる。
どうも、スカート越しの感触からすると、スカートの中は何も履いてないみたい。(ちなみに、ショコラはブルマーを履いてたから問題はなかったらしい)
(な、なんでなんでなんで??? 私、下着を履かないなんて羞恥プレイする訳ないのに!)
どうしてこんな風になったのかが判らない。驚いた拍子に、下腹部に込めていた力が抜ける。

チョロ、チョロチョロチョロ……。何かが脚を伝わって床へとこぼれ落ちていく。その感覚に、私はヘタヘタとへたり込んで茫然とした。
やってしまった、私は、やってしまった……。放心状態になってしまった私は、うつろな目で濡れる床を見ていた。
その光景に、ショコラとお客さんたちはいたたまれない表情であったが、なぜか一人だけ舐め回すような視線でこちらを見ていることに、だから私は気付けなかった。
……私は気付けなかった。けれど、気づいた人がいた。


その時、全ての動きが凝固した。そして、空間がおかしくなってから一分ほどの後、彼女は突然現れた。

ゴゴゴゴゴゴゴ……。擬音の出そうな雰囲気をまとって、何かをかき分けるようにしてその少女はやってきた。店の隅に座っていた男が、今にも飛び出しそうなほどに見開いた眼で彼女を見つめていた。
そして、
「『ザ・ファイナルレクイエム――アクセンスター』……。……父が、迷惑をかけてごめんなさい。今すぐ連れて帰るから」
「か、カズハ……。そうか、貴様は何処までも私の邪魔をするか……」
言葉は、最後まで紡がれることはない。その男は、手向かいする事さえできずに彼女のスタンドにボコボコにされていく。
そして、少女は男の首根っこをつかんで、
「この人の所為で、JOJOとのデートがパーになった。この恨み、どうやって晴らそう……」
と、ぶつぶつ呟きながら店を出ていった。……私が漏らしてしまったモノを『消し去る』のをすっかり忘れたままで。
……結局、私がかかされた恥はどうしようもなかった訳である。最悪の一日って、こういう日のことを言うんだろうなぁ……

本体名―虹村那由多
スタンド名―リトル・ミス・サンシャイン(店内で漏らすことを強要され、精神的に再起不能)


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今回使用したスタンド
No.315
【スタンド名】ザ・ファイナルレクイエム
考案者:ID:8TxnEi6m0様
絵:ID:1FHrpSkjO様

No.452
【スタンド名】アクセンスター
考案者:ID:IK9rqWDn0様
絵:ID:z+jTdJwu0様
絵:ID:DA3MvX3cO様  
絵:ID:X2gfTGVj0様


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