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エリザベス・ハンド

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匿名ユーザー

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去年の夏、マースヒルで

71 名前: 02/05/16 00:08
エリザベス・ハンド「去年の夏、マースヒルで」
(「ネビュラアウォード31」より)

不死を求めて、「光の子」が降臨するマースヒルに集う霊能力者たちの
コミュニティ。「光の子」とは何なのか?
マースヒルという神秘の地を創造し、巧みな人物描写力で魅力的な
キャラクターたちの織り成す人間模様を紡ぎあげ、生と死、生きることの
意味を深く考察し、暗い色調の前半から未来への力強い躍動に満ちた
エンディングへと読者を導くハンドの筆力に万歳! 
読み終わるとき登場人物との別れをつらく感じるほどに、
人物描写が巧み。
続編を、それも長編で読んでみたいという思いが強い。
この作品の前には、もはやSF、ファンタジー、純文学の
カテゴリー論など意味をなさないだろう。
ネビュラ賞、世界幻想文学大賞ダブル受賞も当然の名作。

10/10点

同題の短編集も出ているようなので、早速注文しました。
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