今日読んだSF/FT/HRの感想@SF板まとめページ

ニール・スティーヴンスン

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zgok0079

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クリプトノミコン

11 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/06/17 11:32
ニール・スティーヴンスン「クリプトノミコン」を読む。
うーむ、このやり口はアレだな、講釈師とか上方落語だな。
すーぐうさんくさい横道に入ってなかなか出てこない。おまけにその余談が
すこぶる面白いときた。並列する複数の話を章ごとに独立して進めるという
構成もあいまって本筋が捉えにくいったらありゃしない。よくここまで
どうでもいいエピソード(褒めてる)をたくさん思いつけたものだ。
若手芸人みたいな素っ頓狂な修飾語も、読んでいて非常に楽しかった。

SFともファンタジィとも言い難いが・・・まあ、8点はあげたい。
減点対象は、ちょっと微妙な皇軍描写と、もう少しだけ物語の手綱をとって
欲しいという個人的な好みで。

290 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:05/03/19 00:53:34
ニール・スティーブンソン「クリプトノミコン」①アランチューリング編
読んだけど、なにこれ、目茶おもしろいじゃん。

ただ、どこがSFなの?

293 名前:290 投稿日:05/03/19 02:15:49
うーん、おれは暗号戦史マニアだから、
①エニグマ、パーブル暗号の連合軍による解読
②枢軸側に解読されたことを連合軍の作戦面からさとられないように
「現象面にノイズをながし、パターンを誤魔化す」
(暗号解読でドイツ軍輸送船団を定期的に撃破出来たなら、
 撃沈統計から「エニグマが解読された」とドイツ側数学者に見破られないように
 ノイズを流す)
③ノイズ流し専門の特殊部隊の冒険活劇

これに現代の公開鍵暗号とか素数暗号とかネット技術からめてのハイテク会社起こし物語
からめる話が絡み・・・。

読み応え有

345 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/03/24(木) 23:01:11
クリプトノミコン、とりあえず1,2巻終了。
BOOKOFFで100円で売ってたから。

感想は?と言うと、暗号マニア、ネットセキュリティマニアが書いた
モノマニアックな小説いうことかな。後半読んで見ないと判らんけど、
どうも換字式暗号をアラン・チューリングと主人公が、自身の開発した機械式計算機だかで
がしがし頻度解析して解読、それにUボートに積まれたまま海に沈んだ金塊とか
宝捜しとかつながるらしいけど。

おれは好きだね。暗号解読そのものが好きな奴、お勧めだね。
長田順行「暗号」とかナチスのエニグマ暗号機とかミッドウェーのD暗号が
どうやって解かれたか興味ある奴なら、(史実再読じゃなくそういうものの考え方)
読んで損は無い。

おれも今度、自宅PC買い換えて、ファイアウォールとか自分で設定して見ようかな

スノウ・クラッシュ

284 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/05/07(日) 19:44:05
「スノウ・クラッシュ 上」 ニール・スティーブンソン

もしかしてこれはバカSFなのだろうか
冒頭の数十ページに渡る命を懸けたピザ配達。そしてワキザシとカタナをタイトウして
街を、そしてメタファーの電子世界であるメタヴァースを闊歩する主人公。しかもその腕はネットでもリアルでも超一流。
家族には内緒で、車とかに引っ付けてその勢いでボードにのりのりかっ飛ばす危険なクーリエの仕事をするヒロイン。
謎の男レイヴンのギャグにしか思えない登場シーンと設定。
そして見ただけでメタヴァースでのアバターにも、リアルにも感染する「リング」みたいな表題のウイルス。

サイバーパンク的な部類に属するのだろうが、サイバーパンク特有のトゲトゲしさや、人物のアクが強くないせいか、
非常に読みやすい。内容も情報系だけでなく、オタ好みの古代文明とかをも絡ませたもので興味をそそられる。
サイバーパンクものでは変な日本人(観)をださないとダメだという規律でもあるのだろうか

まだ上巻しか読んでいないのだが、これは大本ではミームとかの方面の話なのだろうか。気になるところではある

8点

ダイヤモンド・エイジ

390 名前: でへ 03/12/29 01:55
ダイヤモンド・エイジ ニール・スティーブンスン 早川書房
最初はどっかで読んだようなガジェットやストーリーだな、
と思いながら読んでいましたが、よく出来た話でした。

ハインラインのような人生訓、ダンシモンズのような巧みなストーリー
イイッ
9点

929 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/07/02(土) 00:26:38
「ダイヤモンド・エイジ」ニール・スティーヴンスン(早川書房)

この装丁は「ディファレンスエンジン」を角川に取られた恨みか?w
舞台に未来上海を選んだのはさすが。
ナノテクで成り立つヴィクトリアン国家という大ネタで、
擬似国家がひしめく「租界」でのよりどころのなさと無茶苦茶さに没入できる。
淑女教育用デバイス「プライマー」の理想的RPGぶりには
言い古された感想かもしれないが「俺も欲しい」と思う。
ストーリーにはぐいぐい読ませる力があって、
文庫本1000ページ相当の長文も2日で読めた。

ただ伏線回収しなさすぎというか、より道が多すぎというか、
物語のキレとしては今ひとつの印象。
(無駄なディテイルに惹かれる人には好印象かも)
コニーウィリスの「犬は勘定に入れません」とか森薫「エマ」にあるような
ヴィクトリアン描写はないので、そういうのに埋没したい人にはお勧めしない。
7点

814 名前: ◆G91006PPFU 投稿日:2006/09/03(日) 18:12:12
ニール・スティーヴンスン 『ダイヤモンド・エイジ』

ブック型インタラクティヴ・デヴァイス、
<若き淑女のための絵入り初等読本>を強奪したハーブと、
それを貰った妹ネル運命が、後々大きく隔たってしまうことが切ない……。

「(前略)貴族が特に自分より賢いわけではないということだった。
二者の違いは頭脳にではなく、人格にあったのだ」 という文章が作中に出てくるが、
人格形成のための教育・教養の力というものを考えさせられた。

小説自体は、終わりに近づくにつれテンポアップし、
話の流れも急に変化を持ち、終局は呆気に取られる形で収束。
終わり方に爽快感は無かったけど、小説を読んだー!! って感じはした。

ちなみに、今回は『スノウ・クラッシュ』、『クリプトノミコン』を読んでから数年。
久しぶりにニール・スティーヴンスンを読んだ。

相変わらず、本筋を無視したディテールの凝り方が凄かった(笑)。
文章の表現は時に回りくどく、読み辛いこともしばしば。
この辺は以前に読んだときと変わらない印象。
あと伏線放置の傾向も見られるが、長所と短所が表裏一体で混在してるから仕方ない。

評価 6.5点

411 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2007/07/03(火) 19:04:36
「ダイヤモンド・エイジ」 ニール・スティーヴンスン 早川文庫SF

ストーリー的には面白いと思うし、ナノテクの描写にはほとほと感心させられる。
……が、情景描写がくどい。四行以上続けられると目が滑り出す。
創文板の推敲スレに出したら三分の一くらい消えるんじゃなかろうか。
もちろん、日本語訳では作者の書いた素の文からある程度はなれるのは確実で
原文までこの冗長さを持っているのかどうかは解らないんだけどさ。

5点
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