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コニー・ウィリス

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zgok0079

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犬は勘定に入れません…あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

586 名前: ◆GacHaPR1Us 04/05/05 22:56
『犬は勘定に入れられません』
コニー・ウィリス (著), 大森 望 (翻訳)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4152085533

読んだ。まず、結果だけ言えば問答無用でグリフィンドールに10点だ。

結末だけで考えれば、猫満足、主人公満足、ヒロイン満足、むろんレイディ・シュラプネル満足、
時空間の歴史修正関数も満足、ただし犬は勘定に入らないと。
なんかシリルかわいそーだ。

で、いろんなツッコミどころがあるわけだが、それはすべておいて置いて
これは絶対にテレビで連続ドラマ化するべきだ。日本ぢゃだめ。イゲレスのBBCあたりで。

航路

767 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/04/30 23:08
コニー・ウィリス 「航路」

先に ドゥームスデイ・ブックを読み、わりに良い(10点満点6点ぐらい)
と思ったので思い切って買いました。上下3,600円。

正直どうしてこれが1位なのか(sfが読みたい?かな)分かりませんでした。
なぜこんなものがベスト10なのだ、と思われるようなものが結構選ばれてい
るので仕方ないですが。さすらいの銀河・・・は好きです。

どこが面白くないかというと
  • SFっぽくない どっちかというと医療サイコとか医療ミステリとかみたい
  • 感動した というところがまったくわからず
  • タイタニックを皆が見てるはず、と思えなかったし<なわけないだろーって
  • 脳が作り出す、というのはあまりにも定番だし
  • 結論は皆が知っている事実だよね。だけどそれを突きつけられたからと
 いってなにか感じるものがあるのか?<人生やっぱ空しいよねって思っちゃう

な、感じでした。

んー。もっとSFらしいSFが読みたい!

11 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2007/03/24(土) 02:00:27
「航路」 コニー・ウィリス

女が書いて、女が読む本。

登場人物は、認知心理学者を自称する主人公も含めて全て、
他人の話を聞かない、自分の要件がこの世で最も重要だと思っている、
独善的な性格の人間ばかり。
べらべら良くしゃべるが、まったく共感できない。

訳者は、主人公キャラ・悪役キャラ・活発な女の子キャラ・主人公の友人キャラ等が
明確でわかりやすいと書いているが、自分には全員おなじキャラにしかみえなかった。

キャラクタの書き分けはキャラクタの行動ではなく、主人公の感情でのみ示されている。
つまり、主人公が嫌いだから、悪役キャラなのだ。
キャラクタの行動自体は悪役キャラであるミセス・ダベンポートとなんら代わることの無い
「(私に言わせれば)狡猾でわがまま」な女の子メイジーは、主人公が「気に入っている」という理由だけで
「愛すべき」キャラになってしまう。

「メイジーは可愛い」と思えるような人じゃないと、本書は楽しめないだろう。
わたしにとって、文庫本で上下巻1300ページちかい分量は、苦行そのものだった。

唯一の救いは、会話文が多く、項数の割りに早く読めること。

ちなみに、冒頭で女が云々というのは、以前読んだジル・チャーチル(ミステリ作家)の小説に雰囲気が
そっくりだったから。

3点

最後のウィネペーゴ

530 : ◆GacHAPiUUE :sage :2007/02/11(日) 21:47:49
最後のウィネペーゴ
著)コニー・ウィリス 訳)大森 望

 この人の短編を楽しむコツは次の特徴を掴んだ上でそれを愛することにある。
1)登場人物は良く喋るが、お互いがお互いの会話を聞いていない。聞こうともしない。
2)やってる事と喋っている内容はまったく関係がなく、ともすればどちらかがどちらかに悪影響を与えてる。
3)キャラがどんどん増えてくる場合、作者もキャラ本人も含めて自分の立ち位置が誰もわかっていない。
 その他、作品内で「自明の理」とされている内容はどんなムチャでもそれは正しいとして噺が進むなどなど。
この手の法螺はSFでは常套手段です。実にラファティです。

  • 女王様でも
 女三人寄ればかしましいというが、5人も揃えば、もうこれはやかましいという物で。
作品内でつまびらかに列挙されているのは、男の知らん世界。月経についての知識というより、
苦情、愚痴、よもやま噺、エトセトラエトセトラ。「そんなわけないでしょ。少なくとも五千回にはなるはずよ。」
女性だからこそ描ける話として、かなり貴重でしかもS-Fだからこそ描ける噺なので実に痛快なのです。
―――俺は頼まれてもビッシュのような立場にはなりたかないね。よく耐えられたな…。

  • タイムアウト
 人間の時間認識を至上として、その時間エネルギーをどーこーしてタイムスリップが可能でどーしよーって言う話なんだが、
とてもタイムスリップ物には読めない。みのもんたがいつ出てきてもおかしくない。ワイドショー的。
どーしてメリケン人ってのはこーも身持ちが悪いのかしらね?いや、話半分に聞いてもだよ。おまえら仮にもキリスト教徒だろうがと。
そんな中でも主人公とヒロインの「純愛」が実に清清しくまとめられてて、実にハッピーエンド。傑作やんか。

―――続く―――


531 : ◆GacHAPiUUE :sage :2007/02/11(日) 21:48:41
530
  • スパイス・ポグラム
 アイリーン・ガン「遺す言葉」掲載の『スロポ日和』をコニーちゃんが書くとこーなるという話。
宇宙人「エアアロオフ」どもが小憎らしいくらい狡賢いので安心して読めます。
「喰えないペテン師め!あいつら、ぼくらの言うことを一語残らず完璧に理解してたんだ!!」そりゃ怒るわな。
主役よりも脇を固める端役たちをイメージするほうが楽しめます。ブラックラグーンのように。

  • 最後のウィネベーゴ
「ペーゴ」ではありません。
 我々人間には感情があるが、実はそれを表現するには表情も文学も詩も歌もまったく足りなくて、
だから例えばカメラマンが描けない「表情」というのは常にしてある、
いや、だからこそ、『芸術』や『美術』というのは存在していて、『文学』やファンタジーやSFは存在しているのだ、と。
 犬の心が表情に出ないのは、人の心が表情に出ないのは、だから表情筋の所為ではなく、それは表現し得ない永遠だからこそ。
 それを得た時、そして、それを捨てねばならない刻、そこに生まれる新しい感情、それを哀惜というのです。
我々はこんなことを永遠に繰り返す。ぐるぐると、ぐるぐると。いつかは止まる振り子のように…。

 「アイゼンシュタット」は携帯型Hiビジョン・テレビカメラと
ニコン辺りの一眼レフに付けたオート・セルフ・タイマーの合いの子のような存在で
そんな中途半端なギミックが今では実にレトロで新鮮に感じられます。
今じゃフィルムカメラの技法なんて知らない世代のほうが多いんだろうな―――…。

「短編の女王」をご堪能ください。これが面白くない、って言う奴はどんな頭してんだ?おっかしーんじゃないの!?

10点

ドゥームズデイ・ブック

593 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 02/12/31 00:15
「ドゥームズデイ・ブック」 コニ―・ウィリス 早川書房 95年
これはマジ傑作だと思う。
後半のカタルシスは、同じ年に翻訳された
「ハイペリオンの没落」にも遜色ない。

子供と老人の描写が特に秀逸。とにかく上手い。
「リンカーンの夢」が全然つまらなかったから敬遠してたけど
「航路」も読まねば、と思った。

10点
1年の最後に読む本が大当たりでうれしい。


739 名前: でへ 03/04/15 21:21
ドゥームズデイ・ブック コニー・ウィリス ハヤカワSF1437,1438

おれ、女流作家は好きなんだけど、ウィリスは性にあわない。
最後はそれなりに盛り上がりを見せたけど、現代と中世を
うまく対比して良かったけど、イマイチ面白くなかった。

7点

昔読んだ、「わが愛しき娘たちよ」は、結構面白かったけどね。

890 名前: 名無しは無慈悲な夜の女王 03/05/21 00:05
既に以前に評があるけど
「ドゥームズデイ・ブック」C・ウィリス ハヤカワSF文庫
ストーリーテラーとしての力量は確かなものがあるように思う。
SARSが流行してるだけに「未来篇」のインフルエンザ騒ぎは非常にコワい。タイムリーな時期に読んだもんだw
でもまぁ、中世篇、ここまで悲惨にしなくてもイイじゃん、てのは甘ちゃんですけど。

読後、ストーリー上のある致命的な欠点に気付き、ちょっとガカーリしますた。
この欠点が無ければ、9点あげたいところだけど、う~ん7点かな。

340 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2005/10/19(水) 02:51:57
コニー ウィリス《ドゥームズデイ ブック》

歴史学者が中世の英国を研究するためにタイムトラベルする設定。
前半は〈世界ウルルン滞在記〉みたいな感じのほのぼのストーリーだが、
そこで仲良くなった「原住民」が、
後半ではバタバタ死んで《火垂の墓》みたいな重苦しい悲劇になっていくので、
読むのがつらくなる。
そういう過去の側の災難とは別に、
歴史学者を送り出した未来の側でもトラブルが起きているのだが、
こっちはドタバタ喜劇になっている。
本筋と無関係な面倒くさいだけのキャラやエピソードが多く、
このパートには増量ページ稼ぎの印象がある。

……でも、とにかく泣ける。
もっと短かったら、ためらい無く名作と呼べるんだが。

456 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2006/06/26(月) 00:04:20
コニー・ウィリス「ドゥームズデイ・ブック」
登場人物は魅力的で描写も良く、感情移入させられたところでの後半の畳み掛けは
物凄い。
のだが、事件の鍵が「発覚」するまでの紆余曲折が長すぎる。特に現代パートは無理やりのばした
ような感じで、(教授に)もうちょっと要領よくやれよ!と思ってしまった。

まあ、結局感動させられたので8点。

リメイク

238 名前:名無しは無慈悲な夜の女王[sage] 投稿日:2008/05/28(水) 22:54:28
"リメイク" コニー・ウィリス

大量に引用される映画のほとんどを見たことがなく、注釈と本文をいったりきたりしているうちに
集中力がなくなって、しまいにはどうでもよくなった。
ヒロインにもうちょっと魅力が欲しいところ。

翻訳について。
大森望が翻訳した本をはじめて読んだが、翻訳とはいえ、これほど無色無臭の文章を書けるのは一種の才能かと思われる。
これは褒め言葉ではない。イヤミである。
日本語としてヘンな所がないのは結構であるが、個性が無さ過ぎておかしく感じられる。

5点。
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